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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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45話 盗賊探索

翌日、タウロが一緒に行動する探索チームメンバーが決まり、ギルドのロビーで顔合わせとなった。


リーダー役はD-ランク冒険者の盗賊スキル持ちで、タウロの『気配察知』よりも広範囲を探れる『索敵』能力を持つ、ベテランのクゾート。

背は少し低めで、目つきの鋭さが印象的だが、雰囲気は悪くない。

地元の冒険者で、普段は確かソロで活動していたはずだ。


もう一人はEランク冒険者のチークで、冒険者の中でも変わり者で有名で、話では商人のスキル持ち、口が達者で交渉事が上手いそうだ。


そして、タウロの3人である。


「サトゥーは気配察知があるんだよな?」


リーダー役のクゾートが確認してきた。


「はい。」


あまり人に言った覚えはないので、もしかしたら人物鑑定を持っていて以前鑑定されたのか、それとも情報として誰からか聞いたのかもしれない、どちらにせよ、タウロは否定するつもりはなかったが…。


「基本は盗賊団の目撃談がある地域の村を巡って情報収集して、盗賊団の拠点を探る。そこでチークの交渉術とサトゥーの気配察知が生きると考えている。場所をある程度絞れたら、俺の索敵を使ってシラミ潰しだ。」


「了解、交渉事は俺に任せてね。」


チークが軽い反応で答えた。


「はい。わかりました。」


タウロも頷く。


「じゃあ、準備を整えて明日の朝出発する。」


10歳の子供がメンバーなので嫌がられるかと思ったが、二人ともそんな事はなかった。

ギルド側が編成の際に、気を使ってくれたのかもしれない。


タウロには初めてチーム行動である、楽しみだった。




出発から3日、3人は街道沿いから入った村を地道に回っていた。

聞き込みをしてみると意外に村はほとんど狙われていないらしく噂は聞くが見た事が無いというのが今のところの聞き込みの結果だった。


クゾートが


「タウロ、どうだった?」


と、感触を聞いてきた。


「嘘をついてる感じないですね、みなさん協力的です。」


タウロが答える。


「だねー、俺も村長さん達、話してみても悪い感じ受けないよ。それよりさ…、この雨きつくない?」


チークが言うのももっともだった。

今日は朝から土砂降りで止む様子が無い。

みな、準備していた雨用のコートを着込んでいるが、気持ちは重い。


「…今日はこの次の村で終わりにしよう。」


無言で頷く二人だった。




その村は他の村からも離れた奥まったところにあり、3人が雨の中、村の入り口に近づいて行くと見張りをしていた門番が拒否感を示した。


「誰だい、こんな大雨の中に。」


「すみません、魔物を追ってここまで来たんですが、この雨なので雨宿りさせて貰っていいですか?」


チークが拒否感を察したのか、クゾートが話す前に嘘の話をして交渉を始めた。


「この村はよそ者に、警戒心が強いんだ。それはできないよ。」


「もちろん、タダでとは言いませんよ。軒先で雨をしのげたらちゃんと払いますよ。」

お金の入った革袋を出して見せた。


「…村の中に入るなよ、俺の見張り小屋の軒先ならいいぞ。」


門番は村の入り口の側にあるあばら屋を指さして言った。


「それはありがたい。」


門番の気が変わる前にとチークは二人を急かして見張り小屋に急いだ。


小屋に一番近い家から人が1人出てきた。

土砂降りの中、村の入り口に複数のシルエットを確認したからの様だった。


「おーい、バーン!そいつら誰だ?」


と、タウロが聞いた覚えがある声がした。


「この雨だから軒先を貸すんだよ!」


「勝手な事するなよ!」


「うるせぇ、生意気な事言うな、飲んだくれのソーク!」


声を聞いて、もしやと思っていたところに、門番の口から出たソークという名にタウロは確信した、あの男だと。

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