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●第三話 天賦の才を選ぼう!

 俺は注意深くスキルツリーを観察した。


 パネルにはその右下に数字が小さく付記されている。おそらくこれが取得に必要な経験値のポイントで、高度な技になればなるほど、取得も困難になっていくのだろう。

 ――本来ならば。


 つまり取るのが難しいレアスキルを、神様のプレゼントによってタダで使用可能にしておけば……

 人生の勝ち組コースが間違いなしだ! やったね!


 さて何を取るかだが……


 病気にならないスキルはすでに【無病息災】がある。


 それと【集中力】に連なるツリー、【一心不乱】【無我の境地】という上位スキルの色が明るく変わり、三つとも取れている状態だった。【無我の境地】の次は【悟りの神域】という取得前のスキルが見えたが、スキルポイントは1万と、なんだか他とは桁が違う。


 集中力系のスキルがあるだけではダメだというのは、コンビニで刺されたときに嫌と言うほど思い知らされたからな。必要なのはそれではなく、やはり動くスキルや筋力だろう。


 【先手】【柔よく剛を制す】【怪力】


 この三つがあればいいかな?


「よかろう」


 ピロピロリン♪


 パネルが三つ開き、さらに【怪力】の前にあった【馬鹿力】や【剛力】も一緒に開いて取得済みになった。

 筋力系の下位スキルだな。上位を取れば、下位も一緒に才能が開くようだ。


「では、残り二つじゃ」


「えっ、たった二つ?」


「あまりえこひいきはできんからのう。それに”英雄”の資質となりうる才能をすでに三つも持っておるのじゃ。あまり欲を掻きすぎても良い結果にはならんぞ」


「はぁ」


 残念だが、こちらは一方的にタダでもらっている側だ。「ケチくさい」などと文句を言っては罰が当たりそうだし、そこは我慢しよう。


 残り二つ、これは真剣に選ばなくてはならない。

 まず、RPGで必須なのは【獲得経験値の上昇】だ。

 これがあるとないとではレベルの上がりが違う。


「ええと、あった。あれ? もう取っているな?」


【飲み込みが早い】【獲得経験値の上昇】【早熟】【学習理論Ⅰ】、他にも同じツリーの一列にあったスキルも取得済みになっていた。


「うむ。【一を聞いて十を知る】、それを持っていれば同じ経験を積んだときでも、10倍も成長が早くなるぞい。上位スキルと言うヤツじゃな。

 しかも、スキルには重複効果もある。【コトワリの予測】も同様じゃ。合計で1200倍。つまり、最初にこのツリーを見せろと言ったおぬしの選択は大正解というわけじゃな。ほっほっ」


「おお」


 なんという僥倖。ま、ゲームシステムを知っているかどうかで、成長率やキャラの最終形態や育成方法などは効率が全然違うからな。


 ここで熟練度システム、スキルツリーがあらゆる分野に適用されていると知ることができたのは大きなアドバンテージだ。

 できれば何度も周回して、すべてのスキルを――


「言っておくが、この世の生は一度きり、じゃ。今回のやり直しも特別な扱いじゃからな。すべての才を取ろうなどとは思わぬことじゃ。それでは結局のところ何も得意とできぬ」


「ううむ」


 つらい事を言ってくれる。まあ、ゲームでも、セーブロード不可ですべてのスキルを取れないものもある。

 そこは必要とされるスキルポイントをいかに効率よく使い、最強のキャラに仕上げるか。あるいは、いかに効率の良いルートを進むかに懸かっているということか。


 それに、ここでもらえなかったスキルもあとから自力でいくつかは取れるはず。


 俺が努力で取れそうにないスキルといえば――


「お、これだな」


 【高貴なる血ブルーブラッド】というのがあった。


 やっぱり貴族で最初から勝ち組のほうが楽でいい。

 これさえあれば金には困らないだろうし。カワイイ美少女をメイドとして何人も侍らせてやる!


「残り一つ、何にするかの?」


「そうですねぇ。不運な死に方をしたので、運気を上げて欲しいです」


「運か。ま、それもよかろう。運も実力のうちじゃからな」


 ピロリン♪


『【豪運】を手に入れました』


 今ので【幸運】【強運】の下位スキルも一緒に取得済みになったので、運気のレベル3というところか。その上は【天運】【常勝不敗】があったが、必ず勝ってしまうようなチート運だと、ボードゲームをやってもつまんなくなりそうだし。これくらいで充分だ。

 

「これでおぬしの天賦の才は整ったの。しかし、努力や巡り合わせによって、このほかにも多くの才が手に入れられるから、精進すると良い」


「はい!」


「そして、最後にワシからの心憎いプレゼントじゃ」


「おお」


「縛りプレイが大好きなおぬしにぴったりの才、【廃ゲーマー☆】と【平凡】をつけてやろう」


「え? いや、それは別にいらないです」


 廃ゲーマーは意味不明だが、平凡はどう見ても平凡になりそうだし、全然強そうではない。


「遠慮するでない。これでウルトラハードモードを存分に心ゆくまで楽しめるぞい。人類史上かつてない最高の難易度、ルナティックじゃ!」


 神様があくどく笑って親指を立てると、俺に向かってウインクした。


「ちょっ! い、いやいや! 人生をそんな人間初のウルトラハードモードの狂気ルナティックにしたくはありませんから、やめて!」


「なんの、おぬしの実力と今の才能ならば、人生そのものは楽々じゃよ。ではシンよ、行くが良い。不可能を可能にしてみせるのじゃ!」


「待ってぇええええ~!!!」


 なんだか神様に凄く勘違いされたまま、俺は新たな世界に旅立つのであった。



神様にもらったスキル


【前世の知識】【無我の境地】

高貴なる血ブルーブラッド

【無病息災】【四大精霊の加護】【解説】

【コトワリの予測】【一を聞いて十を知る】

【先手】【柔よく剛を制す】【怪力】

【豪運】

【廃ゲーマー☆】【平凡】

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