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新しいゲーム始めました。~使命もないのに最強です?~  作者: じゃがバター


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158.スキル

アリスの称号の説明と統合時のスキルの説明など追加いたしました。

ついでに入れ忘れてた小ネタを追加しました。

 一部大変いかがわしい朝食を終え、片付けをラピスとノエルに任せて食卓からソファへ移動する。


 片付けといっても皿の下に敷く個々の布を棚に戻すだけだ。片付けが楽なのは喜ばしいのだが、やはり何か味気ないと思った結果、ランチョンマットを採用している。現実世界でも面倒だとスーパーの惣菜をパックのまま並べてしまったりするのだが、あれはやっぱり皿に盛るのと文化が違うよなあ、と思いつつ。まあ、やるのだが。


 カルが紅茶を淹れてくれる。こちらも消えないカップとティーポットで手作業だ。カルは【料理】は持っていないが、紅茶を淹れるスキルは持っているそうな。住人は異邦人(プレイヤー)よりスキルが細分化され、末端(?)のスキルはSP(スキルポイント)無しで覚えることができるようだ。レベル表記無しで発現したスキルは、普段スキルとして意識されることもなく、ステータスや他の関連スキルに大きく左右される結果となるが、"一芸に秀でる"領域まで行けばそれ単体でレベルがついたりもするらしい。


 大本となるスキルから細分化、あるいはステップアップする異邦人(プレイヤー)とは少々違いがあるようだ。


 何が言いたいかというと、カルの淹れるお茶はおいしい。



「ところで【箱庭】にはなんと名前をつけたのですか?」

カルが聞いてくる。【箱庭】には名前をつけることができるのだ。私の付けた名前は……


「【庭】」


「【庭】?」

「……【庭】?」

「【庭】だけなの?」

「主?」

上から順にガラハド、イーグル、カミラ、カルである。


「いいだろうシンプルで」

途中で考えるのが面倒になった、特にご大層な名前をつけることもあるまい。


「主、【箱庭】で収穫されたものの名前は、【箱庭】の名前プラスアイテム名がつくんですが……」

「『庭の卵』『庭の牛乳』……」

カルの言葉の後にイーグルがつぶやく。


「いやいや?」

「すごく牧歌的な名前ね……」

あの(・・)卵と牛乳が、ですか?」

ガラハドの否定と、カミラのつぶやきに問いを投げるレーノ。


 何故かものすごく残念な目で見られたんだが、いいじゃないか! シンプルで!




 紅茶を飲みながらリデルのステータスを眺める。

 リデルが覚えられるのは私のスキルか、私が取得可能となっているスキルだけだ。そして一つ覚えさせると、"一つの『アリス』"だった頃のスキルを一つ思い出す。思い出したスキルは効果が半減している。正しくはリデルが1/2だから半減で、分割された分だけ効果が減退する。覚えさせるスキルと、思い出したスキルが同一であった時、リデルの場合は効果が1.5倍になる。なので、特化してもいいかな?



「『転移石』『帰還石』を造ってもらうからには【空魔法】は欠かせないかな? リデル、何か他にほしいスキルはあるか?」

覚えさせるスキルは三十個と、上限が決まっている。思い出すスキルと合わせてスキルは六十となる。自分のスキルと違って慎重に選ばねばならない。いや、自分のも慎重に選んだほうがいいのだが。世の中には相性が悪くて一緒に持っていると両方弱体化したりするスキルも存在するそうだ。


「春さんたちのお世話をするスキルが欲しいです」

「それは私のスキルに該当がないので、明日あたりまで待ってくれ。強化系で何かいるか? 早いうちから覚えておけば先々楽なようだぞ?」

カジノに行って交換して【牧畜】を覚えなくては。


「はい、では知力と器用さでしょうか?」

こてんと首をかしげる。


「ある程度戦闘も想定しているなら、素早さか回避を持っとくといいぞ」

「そうだね、VITタイプじゃなさそうだし、フィールドでの採取も考えてるならあったほうがいい」

「素早さは街中の移動も少し速くなるわよ」

確かに走る速度でなく歩く速度も速くなった。もっとも競歩のようになったのではなく、普通の範囲でだが。


 で、結果。


種族固有

【アリスの半身】【DEX特化】


【隠蔽】   【幻想魔法】

【調合】   【投擲】

【錬金調合】 【闇魔法】

【鑑定】   【自己修復・MP】

【錬金魔法】 【自己修復・HP】

【器用強化】 【水魔法】

【知力強化】 【泪の幻影】

【回避】   【フラスコ】

【俊敏強化】 【時魔法】

【空魔法】  【お人形制作】

【幻想魔法】 【お人形操作】

【闇魔法】  【マスターの僕】



 SP(スキルポイント)の残は31、左が覚えたスキル、右が思い出したスキルだ。【空魔法】がSP7、【幻想魔法】がSP10も必要とした。錬金術士で魔法との相性も悪くないと思うし、【幻想魔法】に至ってはリデルが元々持っていたものなのになかなかハイコスト。プレイヤーでは考えられ無いが、ステータスに同じスキルが二つ載っている。

 

 スキルを覚える数に上限があると言ったら、カルとレーノに無理に全部埋めるのではなく、強いスキルを手に入れてから覚えさせたほうがいいのではないかと返された。迷宮チャレンジ再びな予感。


 【泪の幻影】は水の玉をつくって触れると連鎖爆破。戦った時の動物簡易版? いやこちらのほうが便利そうな気がする。【フラスコ】はフラスコに入った攻撃用の液体の製作、【お人形制作】は【お人形操作】で操れる人形の制作が可能だった。おもちゃの兵隊とかそんなイメージ? ビスクドールとかだったら怖い。【フラスコ】は錬金の細分化、【お人形制作】は錬金と裁縫の派生のようだ。もしや、裁縫台も設置せんといかんのか?

 【マスターの僕】はマスター(わたし)とパーティーを組んでいなくても、マスターの持つパーティーに影響する称号効果を得られる。――マスターが称号を持っていなかったら意味がないスキルな気がする……。


「マスター、【幻想魔法】おそろい?」

「ああ」

リデルが嬉しそうに笑いながら、こてんと首をかしげる。


「ぶ! ちょっと待て! スキル、増えてんじゃねーかよ!!!」

「いや、スキルはそんなに増えてない?」

増えたのは称号な気がする。


「いやいやいや?」

「ホムラ?」

「【幻想魔法】って何? 聞いていいものなの?」

「対象人数が多いほど効果が高い、超広範囲で満遍なく効く大規模戦(レイド)用の魔法だな。大人数にかける機会がないせいか、全くレベルが上がらん」

紅茶を一口飲んで答える。


「レイド……」

「聞いたことねぇし」

「相変わらず軽くバラしてくれるわね……」

「ホムラは珍しい魔法を所持しているんですね」

レーノに珍しいと言われてしまった。まあ、ソロ討伐報酬だったし、珍しいのだろう。


 【幻想魔法】を強化してみた。覚えさせたスキルと、弱体化した思い出したスキルとで1.5倍。

 "一つのアリス"に戻るとスキルはそのままに、称号が戻るそうなので【幻想に住む者】がリデル――アリスに出るはずだ。戻るといっても私の称号が消えるわけでもないのだが。"一つのアリス"だったころの称号は三つあるらしいが、他の二つは伏せられていて今はわからない。戦ったときに【鑑定】できていれば分かったのかもしれんが。


 スキルについては、アリスが1/1、一つのアリスになった時、【思い出したスキル】(種類固定)三十と、各プレイヤーが【覚えさせたスキル】をあらかじめ順位付けした上位から三十取得し、最大六十となる。なおプレイヤーの優先順位はパーティーへの参加順となり、【覚えさせたスキル】はアリスの名前の後ろの数字分弱体化して統合される。だ、そうだ。


 そういうわけで【闇魔法】はあれだ、絶対ペテロが闇特化アリスをつくっている気がするので、『アリス』になった時のために、だ。闇特化は確定として、ペテロの『A.L.I.C.E』は一体どうなっているのだろうか。

 『アリス=リデル』と『A.L.I.C.E』が融合した時、二人の【覚えさせたスキル】から交互に取得されるはずだ。とりあえず後でペテロと相談してスキルの順位付けを十五までしておけばいいかな?

 


「主、エカテリーナ女史にアイテムを返却したあかつきには、見せてくださいね? スキルを選ばせていただかないと」

「……【神聖魔法】なんかいいと思うな、私は」

カルが言うのに、思い切り目をそらして答える。

「【神聖魔法それ】も持ってるんですか? 貴方のスキルが謎なんですが……」

レーノが困惑した調子で言う。


「今回はいったい、何を隠そうとしているのかな?」

「やっぱりナニ系じゃね?」

「ホムラの隠す基準がおかしいきがするわ」


 黙って紅茶を飲んでノーコメントを貫いた私だ。




 カルとレーノはもう少し、今度はベッドで仮眠をとるそうだ。夜は『幻想の種』を求めて再び迷宮へ行くという。なんだかガラハドたちがこちらを見たが、気のせいだろう。うむ、気のせい。【ヴェルナの祝福】がついてレアが出やすくなってしまった二人組だが、できれば出ないでほしい私がここにいる。


 というか、フェル・ファーシルートのボス含めた五層も一晩で余裕なのか……。


 ノエルとリデルはイーグルの付き添いで薬師ギルドへ。イーグルはその後、闘技場でTポイントを貯めるのが最近のルーチンらしい。一応、転移で移動はしているが、付き添っていたらバレバレな気はする。気はするのだが、異邦人(プレイヤー)がノエルとリデルに話しかける案件がですね……。


 ラピス、ガラハドとカミラは冒険者ギルドで簡単な依頼を受けているそうな。

 どんな英才教育だ! ガラハドがノリノリで教え込むのを、カミラがあまり無茶をさせないように止めるプレイが進行中。薬師ギルドで基本的なことを一通り習ったら――異邦人(プレイヤー)と違って、住人はすぐにはスキルが発現しないのだ――ノエルも合流するそうだ。


 ガラハドたちはカルの迷宮通いが終了までの代役。どちらにしても、冒険者ギルドで受ける依頼は、午後の開店が滞りない範囲で、だそうなので少し安心した。午前だけで済ますことのできる依頼ならば、討伐であってもファスト周辺のウサギ系の敵くらいだろう。しかも豪華な護衛付き。


「……リデルの登録もしておいたほうがいいか」

「ホムンクルスって扱いは何になるんだろうな?」

ステータス上はペットですが、口に出す勇気はアリマセン。

「僕みたいに観察期間を設けたのち、ギルド登録じゃないですかね?」



 予定を変更して、私とリデルは先に冒険者ギルドへ行くことになった。説明するのが面倒なんだが、ギルドマスター(ギルマス)がいれば話が早いだろうか。いるといいな。




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― 新着の感想 ―
まあ、店も雑貨屋だしな。 庭は良いし牛もともかく、鶏のは犬猫系では?と、何回来ても思ってしまう。 美味しい卵焼き食べたい。
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