エピローグ
あれから何年か経った。
「せんせー、どうやったら魔導書と契約できるの?」
と、ミリーがレアに話かけていた。
「魔導書に認められると契約できるようになるんですよ」
「どうやって認められるの?」
「うーん、ミリーには少しだけ早いですね。もう少し大きくなったら教えますよ」
「えー! 今がいー!」
「ズルいぞ! ボクも教えてほしい!」
「ボクも!」
「わたしも!」
子どもたちがどんどんとレアに群がっていた。
「本当にこんなことするとは思わなかった」
それをヴェルがため息をつきながら見つめていた。
「やると言ったらやる」
俺もまた、腕を組んでそれを傍観していた。
「最初はどうなることかと思ったがな。私の家を学校にするなんて」
「でも承知してくれただろ」
「シスターズ全員から言われたら断れないだろ……」
「でも新しい家も建てた」
「まあ家が綺麗になったのはいいな。それに学校の方も上手くやれてる」
「シスターズには教師の才能があったらしいな」
魔導術や魔操術を扱う学校であるが、そのへんの学校とは少しだけ違う。俺やレアはスリエルとの一件で警察や政府から一目置かれる存在となった。そして魔導術を扱うための講義を行ったりするようにもなった。
その中で、正しく魔導術や魔導書を使うための学校を開いた。国の公認なのでそこそこ生徒が集まった。
「これから授業なんじゃないのか?」
「中等部の実技演習だな」
「早くいけよ。生徒たちはお前のこと尊敬してるみたいだしな」
その時、小さな女の子が教室の中に入ってきた。俺の姿を見つけると、ニコニコしながら駆け寄ってきた。
「パパ!」
俺は手を広げでその女の子、レイチェルを抱き上げた。
「ここに来ちゃだめだって言っただろ?」
「んー、でもパパにだっこしてもらいたかったんだもん」
「ごめんな、これから授業なんだ。おばあちゃんと一緒に留守番しててくれ」
ちなみにおばあちゃんとはヴェルのことだ。
「やー!」
「おばあちゃん嫌いか?」
「おい、自然におばあちゃんって言うなよ」
「おばあちゃん、またお菓子作ってきれたみたいだぞ」
「おかし! たべる!」
「そうだ、それでいい」
手渡すと、ヴェルの顔が緩んでいるのがよくわかる。
そうして教室から出ようとした。
「パパ! おしごとがんばって!」
「ああ、帰ったらまた遊んでやるからな」
教室から出てグラウンドへ向かった。
グラウンドに到着すると、すでに生徒たちが待っていた。
「先生遅いよ!」
「悪い。それじゃあ行くか。今日は山の方で実技形式で行う」
「今日は何回やるんですか?」
「さあな、俺が満足するまでだ」
なんて言いながらも笑った。生徒たちは嫌そうな顔をしているが、心の底から辛いと思っている生徒はいない。だろうなと思いたい。
「さあ行くぞ」
これからはコイツらの時代が来る。絶対悪が現れる可能性だってある。その時は誰かが止めなきゃいけない。
魔導書を取り出して魔法少女化させた。世界を救った時も俺のことを助けてくれたヤツらだ。
共に戦った魔法書と共に、俺は次の世代を育てていく。明るい未来のために、それが必要だと思っているから。
了




