10話 再会?
私も7才になって、洗礼の日が近づいている。
決められた日に神殿に行くと、神殿の中庭にある泉に潜って自分の洗礼石を探すんだって。
石はたくさん落ちてるから、その中から自分の気に行ったのを取ってこればいいらしいよ。
そしたら、陸に上がるのも、お風呂に入るのも大丈夫になるから、母様とアレスに会いに行きたいな。
☆☆☆
神殿にやって来た。
なんか女の子がいっぱいいる。
集団で取りに行くのかなあ?
でも、洗礼終わってそうな大きな子もいるね。
「わたくしたちは、神殿によく拝観に来ますけど、あなたは今までに来たことはあって?」
すらっとしたピンクの目の人に、声をかけられた。
すごくない? ピンクの目だよ。
思わずじーっと見入っちゃう。
「な、何よ! 信心のないあなたみたいな人は、洗礼石が見つからないかもしれなくってよ!」
意味不明なことをまくし立てられた。
もう少し見たかったな、ピンクアイ。
「では、ラメル。汝の名を探してくるがよい」
偉そうな神父さんに案内されて、泉に入る。
冷たいし、水路よりすっごくキレイなお水だ。
10ミートルくらいいったところで、急に深くなった。
小さい子が取る石だから、もっと近くに簡単に見つかるところにあるのかと思ってたけど、違ったみたい。
深く深く潜ると、見覚えのある虹色魚発見!
「シェーキ〜!」
『なんじゃ。何かの気配がすると思えば嬢じゃったか』
シェーキが服着てる。
ブフっ。かわいいチョーネクタイ。
「洗礼石を探しに来たんだけど、見つからないの。どの辺りに行けばいいかなあ」
シェーキに聞いたら、思案顔になった。
『ふむ。なにやらあったようじゃな。まあいい、とっておきの場所に案内してやるじゃ』
とっておきだって。
こんな神聖な場所に、私みたいなパンピーがしょっちゅう来られるわけないもんね。
ラッキー!
もっともっと潜ると、シェーキの身体の色した地面が見えてきた。
『ここに人が来るのは何百年ぶりじゃろな』
へえ。
あ、向こうに人魚がいる!
人魚だよね? 足ないもん!
近づいてみると、目を閉じて動かない。
ん〜、なんか見覚えがある。
ん〜、なんだろ。
ん〜、ん〜。
あ! お母さんそっくり!
え? お母さんそっくり?
びっくりして人魚さんに触れたら、薄く発光しはじめた。
にゃ!
『……うみ』
薄く目を開けた、人魚さん。
今私の名前言ったよ!
人魚さんの手から石みたいなのが出てきたと思ったら、私の身体の中に吸い込まれた。
ほかほかしてきたら瞼が仲良しになってしまう。
待って、私。がんばれ、私。
人魚さんとお話したい……よ……。
くぅ。




