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エルフには美男美女が多いっていうからね

 僕たちがやってきたことに気づいたのか、やがて続々とエルフたちが集まってきた。


「人間がきたの? 久しぶりね」

「新しいエルダードラゴンも一緒らしい」

「ふうん、もう世代交代の時期なのね……」

「前に虹の継承者が来たのは数百年前だったか?」

「先代は冗談もわからないつまらない奴だったけど、今度のはちょっとかわいいじゃない」


 どうやら僕らが珍しいみたいで、口々になにかを話している。

 エルフは人間に対して排他的だという人もいたけど、見たところそんな感じはない。

 むしろ積極的に関わろうとしているみたいだった。


 というか、さらっと数百年前がどうとかいう言葉が聞こえてきたけど、スケールが僕たちとは違いすぎてすごいなあ。


「いきなりで驚かせちゃったかしら。久しぶりの訪問者だからみんな楽しみにしてるのよ。許してあげて」


 最初に声をかけてきたエルフの女性が、僕らのところまで降りてきた。


「ようこそエルフの里へ。私はマナ。好きなだけゆっくりしていっていいからね」


 もしかしたら追い返されるかもしれないと少しだけ心配していたんだけど、その心配はないみたいだった。


 それにしても、みんなとんでもない美男美女ばかりだ。

 どう表現していいかわからないけど、美しいだけじゃなくて、なんだかすごく輝いて見える。

 噂には聞いていたけど、本当にすごいんだなあ。


「むー、カインさんさっきからあのエルフばっかり見てます」


 ライムが不満そうに口をとがらせた。

 確かにここに来てからは驚きの連続で、あまりライムを相手していなかったかもしれない。


「エルフに会うのなんて初めてだからね。本当に驚いてるんだよ」


 実際エルフって、おとぎ話の中の存在みたいなところがあったんだ。

 迷い込んだ話とかそういうのは色々あるんだけど、なにかの見間違いだとか、幻覚だとか、否定する話も多い。


 だからこうして実際に自分の目で見られて本当にうれしいんだ。


 感動する僕の横でエルもうなずいていた。


「ボクもじいちゃんに話は聞いていたけど、こうして見るのは初めてだよ」


「エルでもそうなんだね」


「こっちには特に用事もなかったから、来る機会もなかったし」


 そういわれれば、そういうものかもしれないね。

 僕だって生命の水の手に入れるという目的がなかったら、来ようとは思わなかっただろうし。


「ところで人間から見たエルフって、やっぱり魅力的な姿をしているの?」


「えっ? うーん、まあ、好みは人によると思うけど、男性も女性も美しい人が多いなとは思うよ」


「やっぱりそうなんだ」


「エルもそう思うの?」


「人間の好みはまだよくわからないけど、キミはエルフを見てからずいぶんと興奮してるみたいだし、あのエルフが目の前に来てからはますます興奮しているよね」


「えっ!?」


「カインさんやっぱり浮気してたんですね!」


「えええっ!?」


 ライムに怒られてしまった。

 でもマナに見とれてしまうのは不可抗力だと思う……。

 それにライムはちょっと浮気の使い方をまちがってる気がするんだけど……。


「カインさんはわたしのなんですから、エルフなんかにはあげませんよ!」


「そんな心配はいらないというか、別にライムのものってわけでもないというか……」


「でも、そこのエルフがかわいいからずっと浮気してたんですよね?」


 まるで浮気した夫を追いつめる妻みたいな言い方だ。

 やっぱりライムには一度、浮気のちゃんとした意味を教えないといけないみたいだ。

 それはともかく……。


「そんなことないよ」


 否定したんだけど、ライムは納得しなかったみたいだ。


「でも、そこのエルフを見て興奮してるっていってましたし、ここに来てからわたしのことぜんぜん見てくれないですし……」


 落ち込んだようにうつむいてしまう。


「ごめんねライム。そういうつもりじゃなかったんだ。エルフたちが珍しくてつい見ちゃってただけだから」


 ライムがうつむかせた顔をちょっとだけ上げて、僕のほうに視線を向けた。


「……ほんとうですか?」


「もちろんだよ。それに……」


 落ち込むライムを慰めるように頭をなでる。

 恥ずかしさをぐっとこらえてその言葉を口にした。


「ライムもエルフに負けないくらい十分かわいいよ」


 そういうと、ライムが目をぱちくりと瞬かせ、やがてでれーっと表情をとろけさせた。


「えへへ~、わたしもカインさんのこと大好きです!」


 ちょっとっていうかけっこう顔を溶けさせながら、飛びつくように抱きついてきた。


「うわっ、いきなり抱きついてきたら危ないよ」


 いきなりだったから、泉に落っこちないようにするので大変だった。

 倒れるのはなんとかこらえたけど、ライムは変わらずに抱きつく力をゆるめようとしない。


「絶対絶対ずーっと離れないですからね!」


「ええ……、ずっとこのままなのは困るんだけどなあ……」


「あははは! アナタたちは本当に面白いわねえ!」


 それを見ていたマナが、声を上げて笑っていた。

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