友達が出来ました
その後、目を覚ました女神さまに豆を投げつけられながら
「どうしてあなたは無茶ばかりするのよ!あそこで私が治癒魔法を掛け続けなかったらあなた死んでたのよ!!」
「いた、痛い。女神さま、すみませんでした。もうこんなことないように気を付けますから。だから、食べ物は大切に。ね?」
「いいのよ。後で拾うから。・・・・本当に今回限りにしてよ?私嫌よ。あなたがまた幸せになる前に死んでしまうなんて。それに今回は手が届くところに居るんだから何もできないうちにあなたが死んじゃったら自分を許せないわ。」
「女神さま・・・・グスッ」
「なっ、どうしてあなたが泣くのよ。泣いたって許してあげないんだから」
「いえ、許さなくていいです。許さなくていいのでこれからも一緒にいてくださいね。」
女神さまはプイっとそっぽを向きながら
「仕方ないから一緒にいてあげるわ。あと、アリーって呼んで頂戴。」
私は涙を拭きながら
「はい。アリー。これからもよろしくお願いします。」
それから傷が完璧に治り、騎士団に復帰できたことを王様に報告に行った帰り道、王城の廊下を歩いていると後ろから声を掛けられた。
振り返ると、髪はピンク色で胸のあたりまで長さがあり、縦に巻いてあるのが特徴の美女が立っていた。青いドレスに王族の証である紋章が付いていることからこの城の姫だろう。ということは私と確か同い年だったはずだ。
私が振り向いてから何も言葉を発せなかったせいか姫は少し気まずそうに話しかけてくる。
「あの、あなたが最近騎士団に入ったという女性の方?」
「はっ。最近騎士団に入団いたしましたリリアン・オルフェイと申します。姫様にご無礼を働いたこと、誠に申し訳ありません。」
姫様に話しかけられて急いで廊下に跪きくと、
「そんな、跪かないで。私はただ、自分と年が近い子が騎士団に入ったと聞いてその、お友達になれたらなって思っただけなの。だから、顔を上げてお話してくれると嬉しいのだけど・・・」
私はその言葉に顔を上げ、
「私でよろしいのですか?もっと他に貴族の方でふさわしい方がいらっしゃるかと思いますが」
「いいの。他の貴族の方たちは何を考えているのか分からないもの。お爺様があなたは信頼できるっておっしゃてたから、是非私のお友達になっていただきたいの!」
「そういうことでしたら。では、私は今日から姫様のお友達ですね。よろしくお願いします。」
私が手を差し出すと、姫様は手を握り返しながら
「よろしくね。私の事はレイラと呼んで。後、敬語もいらないわ。」
「では、レイラ。よろしく・・・ね?」
そういうと姫様・・・レイラは満面の笑みを浮かべ、頷いたのだった。




