子守歌は最強
目を覚ますと、ベッドに寝かされていた。
(前にもこんなことあったな・・・)
ぼんやりした頭で考えながら、あたりを見回すとクルミを手に持ったリスと・・・女神さまと目が合った。
「やだ、あなたもう目が覚めたのね!今、状況を説明してあげるわ」
そういって女神さまはクルミを頬袋の中に入れてから状況を説明してくれた。
女神さまの話は無駄に長いので、ザックリいうと私は試合で負けて、気を失ったらしい。
「試合に負けたんだ・・・。試合に負けた!?」
大声を出すと女神さまが耳を塞ぎながら
「いきなり大声を出して何なのよ!」
と文句を言っている女神さまを掴み
「試合に負けたってことはお爺様がここに呼ばれるってことですよね!?足が悪いお爺様が兵として出るなんて死にに行くような物よ。」
「分かったから掴まないで頂戴。そのことで王様が話があるって言っていたわよ。」
女神さまの言葉を聞いて部屋から飛び出そうとした私を服を掴んで女神さまが止める。
「今、夜中の12時よ。話は明日になさい。」
そう言われて窓の外を見ると、真っ暗だったので私はまた、ベッドに座った。
「だめですね、私。試合に勝って見せるなんて大口叩いておいて負けてるんですから。」
「そう?私はダメなんて思わなかったけど・・・だってあなた今まで魔法について何も聞いてこなかったでしょう?初めて魔法を使った戦いならしょうがないわよ。それに、相手はこっちが魔法を使えないことを知っていながら使ってきたんだから卑怯よ!」
今、女神さまの言葉に聞き捨てならないことがあった。
「魔法が使えない?えっ私魔法が使えないんですか!?」
「あら、知らなかったの?オルフェイ領領主の一族は代々魔法が使えないのよ。あいつは使ってないって言ってたけど、使いたくても使えなかったから剣だけの戦い方だったのよ。」
あっさりという女神さまを見ながら私は納得していた。
「だから魔法を見たことなかったんですね」
「そうよ。でもね、代わりに身体能力が並外れて高いのよ。あなた、炎の壁を飛び越えたでしょう?あれ、普通の人なら飛び越えるどころか、あのまま窒息して気絶していたわよ。」
「そういえば、団長さん驚いた顔をしてた気がしますね」
思い出しながらそういうと女神さまは頷きながら
「でしょう?だから、魔法を使えないことを嘆かなくていいわ。いくら魔法を使ってきてもその並外れた身体能力で対等に渡り合うことは可能なんだから。これからの努力次第だけれどね。」
と元気づけてくれた。
「・・・はい。頑張ります!」
「じゃあ、一つ賢くなったところでもう少し寝なさい。明日は王様と話すんでしょう?寝ないと頭が回らなくて、丸め込まれるわよ」
「寝ます!・・・けど、目が冴えて今寝れるとは思わないんですけど」
「仕方ないわね。じゃあ子守歌を歌ってあげるわ。」
「今更子供じゃないんですから、子守歌くらいで寝ませんよ。」
「いいからベッドに横になりなさい。」
そう言われ、ベッドに潜り込んだ私を見てから女神さまは子守歌を歌いだした。
「子守唄で寝るなんてこど・・・」
「~♪~~♪」
「~Zz」
私は女神さまの子守唄によって呆気なく眠ってしまったのだった。




