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アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
氷河には氷があるよね編
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小麦の段々畑

 そう言って今度は、別の段々畑を指さした。そこには、今は何も植えられていなかった。

「小麦も輪作に組み込んでいるのですが、肥料不足で収穫量が伸びません」

 ゴパルも視線を向けた。

「小麦は、肥料を多く必要としますからね。赤サビ病や、いもち病には感染していませんか?」

 カルパナが、収穫後の小麦畑へゴパルを案内した。彼女の表情が、心持ち寂しげになる。

「育種学のゴビンダ先生が、品種改良をしてくださったので、収穫できないような酷い出来ではありませんよ。ですが、遺伝子を操作していますので、隠者様は怒っておられますね」

 ゴパルが収穫後の小麦畑に入る。ここにもネット柵が張り巡らされているので、これを乗り越えるのに多少、手こずったが。

 切り株は、現代の栽培に準じて、地際からスッパリと切られている。ネパールの田舎では、穂だけを摘んで収穫する事が多い。落ち穂拾いも併せて行われる。


 ゴパルの垂れ目が、切り株を見て、微妙な光を帯びた。

「分げつ数が、少ないですね。生長不良かもしれません。良質の有機肥料を適正量使えば、収穫量を増やす事ができると思いますよ」

 化学肥料は、ネパール国内で生産していないので、インドや中国からの輸入だ。割当量を巡っての争奪戦がある。有機肥料であれば、ポカラでも作る事ができる。

 分げつというのは、小麦や稲等の茎の数を指す。小麦の場合、種を畑にまいて発芽させる。発芽後は畑の肥沃度に応じて、茎の数を増やしていくのだが、一般的には茎の数が多い程、収穫量が増える。

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