ニンニク畑
ニンニク畑は、段々畑の下から二番目の段を当てられていた。既に畑は耕されて、幅四十センチほどの畝が作られている。
カルパナが畑を囲む、ネット柵越しに畝を見る。ゴパルもカルパナの横に立って、のぞき込んだ。
「ゴパル先生。ニンニクの種球は、明日、植えつける予定です。この畝に、二列で植えます。種球の間隔は十五センチですね」
ふむふむと、スマホに記録しているゴパルに、カルパナが少し申し訳なさそうな口調で、話を続けた。
「ニンニクは、トマトと違って、ポット容器で苗を育てた、ポット苗を移植する事が難しいですね。ですので、種球を畑に直接植えつけます。植えつけ穴の深さは、種球の大きさで変えますが、一から五センチの間です。ですが、発芽があまり揃わないのです。発芽後の生育も揃いにくいですね。KLで何とかできそうですか?」
ゴパルが軽く腕組みをして答えた。
「そうですね……完全に揃える事は出来ないと思います。ですが、ある程度は可能ですよ。それも、文献がありますので、試してみましょうか」
カルパナが、ぱっちりした二重まぶたの瞳を輝かせた。ポンと軽く音を立てて、胸の前で両手を叩く。
「お願いします。私の有機農業の先生は、米国人なのですよ。ですので、ニンニクとか、栽培している野菜や穀物の栽培暦が、ポカラの農家と違っていまして……。ここで栽培している野菜や穀物は、欧米の在来種を使っていますので」




