表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
氷河には氷があるよね編
151/1133

またまた雑談

 協会長が、少々オドオドしながら、スープを半分ほど飲み終えた。次に、オムレツをスプーンで切り始める。

「キャベツは地元産ですが、今は旬ではありませんので、塩漬けしたものです。ですので、野菜のダシという面では、かなり弱いですね。ベーコンは輸入しています」

 確かにベーコンは、首都のホテルレストランでも、よく食べる、馴染みの風味だったなと思うゴパルだ。

 協会長が、レカに視線を投げかけながら、話を続けた。

「ですが、ポカラ市の東にあるレカナート市に、国内最大級の養豚団地ができました。今後は地元産ベーコンやハム、ソーセージ等に切り替える予定ですよ」

 レカが微妙な表情になっている。スプーンの先を、ヘロヘロと力なく揺らした。

「ん~……悪臭がすごいのよねー。出来も悪いしー」

 カルパナがレカに、真面目な視線を向けた。

「培養液を散布してみましょう、レカちゃん。でも、いきなりギャクサン社長の養豚団地に使うのは失礼だから、まずはレカちゃんの酪農場からかな。まだ、どの程度効くのか分からないし」

 レカが、再びスプーンの先をヘロヘロと揺らして答えた。

「そうね~。そうするかー」


 ゴパルは特にコメントしなかった。代わりに、協会長に別の質問をする。

「ラビン協会長さん。このトマトですが、今はカトマンズ盆地や、その周辺地域でも、大規模栽培の農家が増えていますよ。彼らから一括購入する事は難しいのですか?」

 協会長が、オムレツを一口食べながら、少し困った表情になった。

「ポカラの外からトマトをトラック輸送で調達すると、どうしても荷痛みが起きます。味も悪くなってしまいますね」

 協会長が、オムレツを再び口へ運んだ。

「輸送に適した品種もありますが、これは皮が固すぎて、味も不味いのです。ですので、輸送距離が短くて済む、地元産を増やしたいのですが、なかなかに難しい」

 ゴパルも、これまでのバス旅で、改めて道路事情を実感している。素直にうなずいた。

「なるほど。荷痛みですか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ