表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
氷河には氷があるよね編
115/1133

民宿ナングロ

 ゴパルが予約していた事をオヤジに伝えると、すぐにスマホを操作して確認した。

「ゴパル・スヌワールさんだね。ようこそ、民宿ナングロへ。俺は宿のオヤジのアルビン・グルンだ。とりあえず、部屋へ案内するよ。ついてきな」

 チャイとか言わないグルン族なので、少し驚いているゴパルであった。欧米人観光客も数名ほど宿泊しているようで、英語でアルビンにビールを頼んできた。アルビンが流暢な米国西海岸訛りの英語で答える。若干、スペイン語訛りがある英語だ。

 次いで、食堂スタッフに、ビールを二本と、グラスを二個持って行くように指示を出した。スタッフは大人のグルン族で、年齢はアルビンと同じくらいの、四十代後半だろうか。少年スタッフは見かけない。


 案内された客室は、デオラリよりも少しだけ広かった。部屋には丈夫そうなベッドが二つと、イスが二つ、小さな机が一つ。

 テレビは無く、衣装棚が一つあった。洗濯物を干せるように、部屋の隅にはロープが張られている。ロープには、いくつかハンガーが掛けられていた。ベッドには厚手の毛布が一枚ずつ、畳まれて置かれている。

 照明は発光ダイオードで、化粧鏡が付いた小さな洗面所もある。

 その洗面所の中に、五十リットル容量の、電熱ヒータータンクが設置されているのを見て、垂れ目を細めるゴパルだ。トイレは水洗で、バスタブは無いのだが温水シャワーが付いている。まあ、タンク容量が少ないので、節約して使う必要があるが。

 床は石畳になっていて、土足で歩き回る事ができる仕様になっていた。こんな寒い場所で、裸足で室内を歩き回るのは、あまり推奨できない。

(後で、一息ついたら、洗濯物を干すとするかな。干し場があって助かった)

 室内にコンセント穴があるのも、高評価だ。ノートパソコンやスマホの充電ができる。


 宿のオヤジのアルビンが、ゴパルに聞いてきた。

「で、この部屋で良いっすかい? ゴパルの旦那。寒かったら、追加で毛布を出しますんで」

 微笑んで即答するゴパルである。

「十分だよ。さて、それでは早速、調査と測量を始めたい。誰かスタッフを一人、低温蔵の建設予定地まで、案内につけてくれると助かります」

 アルビンが、ニヤリと笑った。

「俺が案内をするよ。ちょうど昼飯時間が終わって、一休みしていたところだ。低温蔵とやらを作ってくれや、ゴパルの旦那」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ