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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第十章:再会

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第173話:分断

「初め。」


 そう短く呟いた彼女は目を閉じる。


 周囲には結界が貼られているようで誰も彼女に触れることは出来ないようになっているのだろう。


 俺たちの周りに結界は.....ないな。



 つまり、今回は安全について一次試験ほど考慮していない。


 自身の命を自らで守ることの出来るレベルだと判断したということだろう。


 下手をすれば一次試験はそれを見定めるために行った内容なのかもしれない。


「ダンジョン攻略ね.....あまりやったことはないわね。」


 確かにサナたちとあまりダンジョンの攻略は行ったことがないな。


 俺の場合はソロでダンジョン攻略なんかもやったことがあったな。


 あの時期が懐かしい。


「とりあえず装備は全部用意してくれてるらしいから進もう。今は時間が惜しい。」


 とみんなに提案する。


「そうね。進みながら作戦会議でも遅くないわ。」

「二日以内ってことは結構ダンジョンが広かったりして面倒だったりしそうだししそうだからのぉ.....」


 とサナとウォーリアが同意した。


「でも危険かもしれないわよ。ダンジョンは面倒な仕掛け多いんだから。」

「その点は抜かりない。」


 とシーアの心配に俺が答える。


「調停の技」


 《絶空・守》


「全員に防御結界を貼ったから。仕掛けに発動してからもある程度の猶予は持てる。」

「魔力は足りそうなの?結界は結構使うから。」

「ああ。結構余裕だよ。」


 ルアの心配についてもそうやって答える。


 何の問題もない。


「流石、ラーファルトって感じだな。心配なしで行けるぜ。」


 とジャガーが己を自慢するように言う。


 なんか気恥ずかしい。


「じゃ、出発しましょう。」


 そうサナが言ってフローハットは歩き始めた。



「.....真似たわね。」


 そう受付嬢は呟いて、試験官として彼らに着いていくのだった。



 ーーー



「魔物の数が多いな.....」

「倒してもすぐ出てくるから休む暇が.....いや休む暇はあるわね。」


 とサナが言う。


 それもそうだ。


 《アイシングボディ》


 氷の矢を放ち、それに当たった者を氷漬けにする。


 そんな魔術を放つ。


 そろそろ時間かな。


「じゃ、ジャガー交代。」


 と告げ、俺は少し後方に下がりジャガーを先頭に出す。


 魔物が多いダンジョンは存在するが.....このダンジョンは正直そういうダンジョンには見えない。


 俺たちフローハットの更に後方にいる受付嬢も少し何かを考え込みながら進んでいるようだ。



 ダンジョンにおける魔物の異常発生の要因は主に二つ。


 一つはダンジョンの魔力一斉放出。


 魔物は魔力濃度が高いほど生まれやすくなる。


 魔大陸などは元の魔力濃度が濃いため魔物の数が多い。


 だが、代わりに報酬も魔力を多く帯びた豪華な物になる。


 これが時々魔大陸以外の場所でも起こる。ダンジョンが長い期間で少しずつ溜め込んだ魔力を一斉に放出するのだ。


 魔大陸並の難易度のダンジョンが出てくるのは冒険者にとって危険なのだ。


 無論、魔大陸のダンジョンがこれを起こすこともあり、その時の難易度と報酬は桁違いだ。


 それこそ歴戦の猛者であっても帰って来れずに消息が分からなくなる。



 そして、二つ目、これが一つ目より厄介だ。


 ダンジョンの変化。


 言葉の通り、ダンジョンが丁度形を変え始める。


 いわば、来た道で帰れなくなる。


 ダンジョンの変化にはもちろん魔力が必要だ。その魔力の副作用で魔物が大量発生する。


 更にその強さは魔力を放出した時と比べものにならない程強い。


 ダンジョンを変化させる魔力だ。どれだけの高エネルギーなのか.....


 そして、一番怖いのは.....


「.....!!」

「な、何.....?!」


 サナがそう言って立ち止まる。


「まずい.....!!」


 これは.....ダンジョンの変化で一番怖いことだ.....!!


 《ムーブドウインド!》


 結界が邪魔でサナの方へ行けない.....


 サナとの間の道は今にも閉じられようとしている。


「絶空解除!」

「サナ!」

「ラーフ!」


 そう言って彼女は俺の手を引っ張る。


 俺の足が小さな穴を通った瞬間、その間は閉じた。


 《ロックショット!》


 同時に壁を破るが、その先の道にフローハットの他のメンバーはいない。


「くそっ!」

「ラーフ!危ない!」

「あ、」


 壁を破った影響で天井の岩がラーファルトの目の前に迫っていた。


 受け身を取ろうとするが、無常にもそれは頭に当たりラーファルトの頭を揺らす。


「ラーフ!」

「うっ.....大丈夫.....」

「そんな、大丈夫なわけ.....」


 サナの目には頭から血を流し地面に倒れ込んで立てずにいたラーファルトが写っている。


 が、ラーファルトは更に最悪の事態を考えていた。


 ダンジョンの変化で一番危険なこと、それは.....


「分断されたか.....」


 ラーファルトはそう呟き、意識を失った。

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