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京夜日記  作者: 京夜
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第二十五話 「足」

 今日は「足」について。


 読んでいる方はご存じとは思いますが、リアルの世界で私は医師をしております。

 最後の看取りをしていると、大きく分けると3つのパターンがある、と感じている。


 一つ目は、癌を発症して死を迎えること。

 これは、人間ドックや癌検診を定期的に受けて、早期発見・早期治療をお勧めします。


 二つ目は、認知症から状態が低下して死を迎えること。

 これは、早く認知症の対策が進むことを願います。


 そして三つ目、肥満から生活習慣病や関節の変形性疾患を生じて寝たきりとなって、最期を迎えるパターン。

 これは、以前に書いた食事と運動が最も大事なのですが、いつまでも「歩くことができる」というのも大事な要素で、そこをもう少し深堀りし、情報提供出来たらな、と思い書くことにしました。



 くどいようですが、年齢を重ねても歩くことができるために最も大事なのは、やっぱり体重管理と運動です。これが基本であることは変わりありません。

 そのうえで、次に伝えたいのは「歩き方」かな、と思います。


 上げ底の靴を履いて、歩くたびに足の関節を捻るように歩いている方。底が固くてクッションが少なく、足首の固定力もないのでそうなるのでしょうね。できれば、避けて欲しい。


 なぜか、片方の足先が内側に曲がっている人。何があったのでしょう、癖になっているようですが、気を付けて足先を真っすぐか少し外側に治してほしい。


 ハイヒールを履いている方。素敵ではあるのですが、外反母趾になっていませんか? 思っている以上に足には負担がかかっています。


 X脚やO脚もそうですね。膝の関節がだんだんすり減っていきます。痛くなってからの改善は難しいので、早めに歩き方を見直してほしいです。



 簡単な修正方法としては、鏡のあるところ、あるいは街中のビルのガラスでもいいです。そこに映る自分の歩き姿を、横からと前からで見てください。

 可能であれば、家族や友達に動画を撮ってもらえるとより良いかと思います。


 手間はかかりますが、ウォーキングの講習会は調べると意外と身近で行われています。受けるのは、数回でも効果は一生続きます。ぜひ、正しい歩き方、姿勢を身に着けて欲しい。

 膝や腰の負担が減るだけでなく、歩き方だけでも若く見えたり、素敵に見えたりします。



 次に道具でしょうか。

 靴にソールに、サポーターです。


 靴についてはこんな話があります。

 格好良い靴って、実用的ではないと思いませんか。

 ヒールが高かったり、足先がとがっていたり。

 もともとは、働かなくてもいい様子ほど、高貴である、格好良いとされてきたことから来ているのではないか、と言われています。

 もちろん、ハイヒールが脚が細く見える、足が長く見える効果があることも否定しません。

 ただ、足にとって良いかと言うと疑問です。


 こうした靴は、足先に魚の目ができたり、外反母趾・指の重なり・巻き爪などを生じている方が少なくありません。

 本来足は、足全体で地面をとらえ、指も大きく開いて支えるのが自然です。

 それを時間をかけて不自然に押さえ込んでいるので、不調が出てもおかしくありません。


 いわゆるランニングシューズなども良いのですが、最近アメリカから新しい発想の靴が発売されて人気を博しています。

 アルトラという会社から発売されている、通称ベアシューズと呼ばれているものです。

 これはランニングやトレイルなど、長く走る・歩く方で膝を悪くした方に対して、本当に長く続けられるための靴を作り出そうという、思想に基づき制作されました。

 特徴としては、ランニングシューズにありがちな前傾姿勢や、過度なクッションを排除し、指先がしっかり広がっている靴になります。

 もともと前傾やクッションは走るためには楽なのですが、膝などの故障を起こしやすい状況がありました。

 そこで生まれたベアシューズ。

 私も履いてみましたが、指先も自由に動かせますし、立ち歩きが楽なので、人にお勧めしています。

 まだ長い検証はされていませんが、膝や腰によく、長く歩くための良い靴だと思います。



 次にソールです。

 ある姿を見ても、あるいは靴底の減り方を見ても、外側や内側に重心が傾いている人を多く見かけます。

 私もやや外側に重心があります。

 それを長く続けると関節を痛めるのは間違いありません。

 できれば、自分に合ったソールを作成して、重心を戻してあげることが大切です。


 いま、けっこう多くのところでこうしたソールを作ることができます。

 私がやってみたのは二つです。


 一つはアシックスのお店での作成です。

 3Dで測定をして、足に合ったソールを作成してくれます。

 革靴もひとつ購入したのですが、とても歩きやすく、助かっています。

 革靴だからとあきらめていた足へのケアを、こうしてかなえることができる。

 日本の企業ですが、世界的にどんどん成長していることがわかる企業努力を感じます。


 もう一つは、岡部大地医師著「かんたんBEST足活30 100歳まで歩くために」という本があります。

 足の悩みがある方にはぜひ買っていただきたい一冊です。

 実は整形外科の医師は、膝や腰、手の医師はいらっしゃるのですが、足の医師は少ないのです。

 その中でも足の診断・治療にこだわった数少ない医師による、様々なエッセンスをこの本から感じます。

 その中にソールを作成する方法の記載があります。

 受診するか、写真を撮ってLINEで送る方法が提示されています。

 やや高価ですが、お勧めの方法の一つです。



 最後にサポーター。

 膝関節や足関節は軟骨や靱帯で支えていますが、靱帯は伸びるし軟骨はすり減り、しだいに安定性が低下します。

 体重を落として負担を減らしたり、筋肉をつけて関節を保護するのは大事ですが、それが間に合わないときはサポーターも一つの良い道具となります。

 注意事項としては、ただ履くだけのものではなく、バンドや支柱などでしっかりと関節を固定してくれるタイプのものがいいです。

 特に膝は両側にしっかりと支えの入っているものが良く、荷重される重心が少し正常化するだけでも、かなり痛みが違います。

 本当は医療用のものが良いのですが、かなりごついので、相当進んだ人でないと継続して使用するのは難しいかもしれません。

 利用する機会も長く歩く時や、運動の時だけでも良いかもしれません。

 痛みが出る場合には、一度使用を試してください。



 オタクはすぐに調べようとして、長くなっていけませんね。


 それでも、私の知識が少しでも良い生活につながることを願って。




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