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第579話 【課題・1】


 リウスと共に空島へと来た俺達は、先に師匠にリウスと戦う許可を取りに行く事にした。


「あら、久しぶりね弟子ちゃん。今日はどうしたの?」


「お久しぶりです。実はリウスから戦いたいと頼まれて、人里で戦うと迷惑をかけるので空島で戦いたいんですけど大丈夫ですか?」


 師匠に空島での戦闘許可を聞くと、師匠は「良いわよ」と許可してくれた。


「ありがとうございます。師匠!」


「序だし、久しぶりに弟子ちゃんの戦いも見てみたいからその戦い見学してもいいかしら?」


「勿論、良いですよ。それじゃ、早速行きましょうか」


 その後、師匠の家がある付近だと戦闘の事故で壊すかも知れないから、空島でもよくドラゴン族が来て戦ってる場所へと移動した。

 移動後、リウスは直ぐに戦えそうだったが、俺は念入りに準備運動を始めた。

 久しぶりに本気で戦うからか、なんだか俺も少し楽しくなって来たな。


「主、刀は使わないの?」


「リウス相手に接近戦は無謀だろ? 魔法で戦うつもりだ」


「そっか~、それじゃブレスも沢山撃つから覚悟してね~」


 リウスは楽し気にそう言い、俺の準備が終わると審判役をしてくれる事になった師匠が俺とリウスの間に立ち、試合開始の合図を出してくれた。

 初手、まず俺が選んだのは【空間魔法】による転移でリウスの背後へと周り、攻撃魔法を瞬時に5つ同時に展開して放った。


「ちっ、リウスも転移で移動したか」


 リウスも同じく転移で移動し、俺の攻撃魔法は誰も居ない空間へと放たれ、一瞬だけリウスの姿を見失った。

 次の瞬間、頭上からリウスの顔が迫っている事に気付いた俺は、一瞬焦ったが直ぐに転移で移動した。


「惜しかった。主油断してたね~」


「……ブレス放つとか言ってたくせに接近戦とか、本当に良い性格してるな」


 まさかリウスが言葉で惑わしてくるとは思ってなかった。

 それから俺とリウスは、人里でやれば大混乱を招くレベルの魔法戦を始めた。


「流石に魔力の総量が馬鹿程あるから、俺とリウスだと決着がつけ辛いな……」


 俺もリウスも魔力の総量が万言ってる者同士で、ここまでの戦いをして尚、魔力が尽きる様子は全くない。

 というかリウスの場合、魔力の回復も早いからな……。


「リウス。俺とお前じゃ決着がつけ辛いから、次の魔法。お互いの最高の技でぶつけあって、決着を決めないか?」


「う~ん。いいよ! 沢山遊べたからもう満足だから」


 それから俺とリウスは互いに地上に居り、魔法を練り、互いに魔法が完成すると俺とリウスは同時に魔法を放った。


「……ふぅ~、俺の勝ちみたいだなリウス」


「流石に主の魔法は強いね~。魔力は殆ど変わらないのに……」


「そこは弟子ちゃんの技術がリウスよりも上って事よ。お疲れ様、二人共」


 師匠の言う通り、リウスとほぼ魔力総量が変わらない俺が勝てた理由はリウスよりも少し魔法の技術が上だったからだ。

 まあ、その差も殆ど無くリウスがもっと魔法の腕を上げたら勝つことはもっと難しくなるだろう。


「師匠、どうでしたか?」


「そうね。魔法の腕自体は上がってたけど、戦闘の勘が少し鈍っていた印象ね。最近、休んでるの?」


「あ~、クロエ達が居なくなって一人で王都に居るんですけど、やる事が無くて最近は強い魔物とも戦えてないんですよね」


 師匠にそう言うと、師匠は「一人で行ける場所は限られてるものね」と鍛錬をサボってる俺に対して怒らず、納得してくれた。


「だとしても折角、弟子ちゃんは強い力を持ってるのに勿体ないわね……時間がある時、私と模擬戦闘でもする?」


「えっ、逆にいいんですか?」


「大丈夫よ。少し前までナシャリーの手伝いをしてたけど、今は私も暇になってるし、弟子ちゃんの鍛錬の相手をするのも師匠としての務めでしょ」


 師匠は笑顔でそう言い、俺はそんな師匠に対して「またお世話になります!」と返事をした。

 それから今日は訓練をする時間にしてはもう陽が暮れそうな時間の為、明日から訓練をしようという事になり今日は解散となった。


「へ~、それじゃジン君はまた明日から訓練に行っちゃうんだ」


「はい。まあ、でも姉さん達の装備が完成したら、また一緒に依頼にでも出かけたいと思ってるから完成したら教えて欲しいかな」


「うん。まだ素材が高価だから時間は掛るみたいだから、ゆっくりマリアンナ様との訓練を楽しんできてね」


 宿に戻った俺は丁度夕食の時間だったから、明日から師匠の所で訓練をする事を姉さん達に伝えた。

 姉さん達と装備が完成したらまた依頼に行こうと約束し、師匠との訓練に遅れないように今日は早めに寝る事にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いです、良い物語をありがとうございます。
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