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最恐オーガですが、他種族の女の子と仲良くしたいだけです  作者: あいだのも
オーガの里

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14話 「血の修羅場」



----メルサ視点----





オーガの里への道中


夜寝静まった頃、

誰もいないところ、

連絡鳥が指令を持ってきた。


指令は二つ、

一つは幹部以上に通達されるもの。

『人間への総攻撃の準備』


もう一つは悪魔王から直々にであった。

『オーグン一行を我が領地へ案内せよ』


どうすべきだろうか?


オーグンは王をぶん殴ると言っている。


私が連れていって、ぶん殴ってしまったら、

私は悪魔軍の反逆者になるのではないだろうか。


私は王の事をよく知らない。

顔も知らない…


幹部ですら各拠点で、

魔道具から指令を受ける程度の関係。

姿形がどのような者なのか知らない。


でも連れてこい、と指令にある場所。

ここは魔族側の奥深く…

私の知らない場所…


もしかすると、

王は悪魔ではないのだろうか…


いや、よそう、

私にとって王は、

絶望から生き方を教えてくれた恩人。


私達悪魔の味方であることは、

疑う余地もない。


だが、私個人は別、

最悪私が悪魔軍から反逆者となっても、

オーグン達に守って貰えるだけ、

関係は築かなくてはならない。


もう一つも問題だ…

この事はウィルに隠すべき事、

私が知っていることすら、

決して悟られてはならない。


私がどっちの立場にも立てるように。



オーガの里に着いた、


魔族の村の典型的な感じの村だった。

嫌な思い出が蘇る。


だがそれでも、オーグンの父が、

蹴落とされるまでは、、

まだ気楽なものだった。


その女が現れた時、

私は全身から悪寒がした。


絶対的強者の風格、

そして私に向けられている殺気、

足が震える。


全感覚が逃走に意識が向いている。


私は問われた、

「息子との関係は?」と、

彼女はオーグンと私が結ばれる事を、

危惧しているのだろう。


私は悪魔、

そうゆう扱いには慣れている。


確かに、一時期はオーグンに取り入ろうと、

思ったことはある。


でもそれは、

恋愛とかではなく、完全に私利。


ウィルと誓約を結び、


この母という強者に逆らってまで、

関係を築こうなんて思わない。


私にとってマイナスなのだから。


この場を乗り越える言葉が、スラスラと出てきた。


嘘に本当を混ぜ込む。

嘘を本当と信じ込ませる時の常套手段だ。


私の得意とするところ。


今回は、嘘ばかりになってしまったが、

初対面だし大丈夫だろう。


その場はなんとか凌げた。


母の計らいで、

オーグン大逃走劇が始まる。


オーガの女の発情は激しかった。

オーグンの身体に少し触れただけで、

感情が理解出来ないほど昂っている。


私はそんなに男を求めたことがない…

男に似たような事を、求められた事があるのだが、

女にはその様なことが、決して無いのだと思っていた。


少し羨ましかった。


今まで、自分が理性でしか、

行動してこなかったのだ、と痛感した。


夜ようやく、オーガの女達が静まったので、

テンちゃんから居場所を聞き、

オーグンを迎えに行く。


ウィルも私が母に怯えている、のを知ってるからか、

珍しく承諾してくれた。


私がオーグンの気を探っていると、

小さな洞穴で、踞りながら、

震えているオーグンがいた。


かわいい……

あの魔族で最恐とまで言われた、オーグンが、

こんなに小さくなって震えている。


芸術的愛おしさだ、、


私はオーグンの手をとった。

オーグンが私の手だけを頼りに歩いている。


時々足場の悪い所でオーグンが、

躓くのを、倒れないように身体で支える。


気を付けていたが、

どうしても身体で支えるのに、

胸が当たってしまう。


私もウィルと母が怖い。


なにか間違いが起こってはいけない。


だが、禁忌を意識するほどに、

意識は禁忌に向く。


恐怖の鼓動と欲望の鼓動が麻痺し、

分からなくなっている。


私の胸が当たり、

オーグンが少し発情したのを感じる。


私も仙骨から背骨を通って、

刺激が脳に突き抜けるのを感じる…


私もオーグンと同じ気持ちに、

なってしまっているのだろうか。


女があんなに発情していた、オーグンに触れ、

普段はあんなに強いオーグンに、

頼られているからだろうか。


この身体の反応は、なんなんだろうか…


なんとか帰ると、私はすぐ寝た。

ウィルと顔を合わせて、

感情がバレてしまうのが怖かった。



翌日オーグンが母を説得しにいく予定が、


黒龍王イルスが襲来してきた。


なぜだろう、、


最近はウィル、オーグン、オーグン母といい、

私が逆立ちしたとしても、

指一本で殺されるような、

者ばかり出会うのだろうか。


そこまで弱い部類には入らないはずなのに、、


でも、やらなきゃいけない、

私の使命を果たすには、


この居場所を守る為には、


生きるためには、


ここでやられるわけにはいかない。


私はありったけの魔力を込め、イルスに放つ。

『蛇睨み』

魔方陣が発動し、

身体中に締め付けられるような、

痛みが襲ってくる。


しかし、私のありったけの魔法すら、

イルスには秒ももたなかった。


テンちゃんも幻術を使うも効かず、


イルスの羽ばたき一つで、

岩に激突すれば、即死な速度で飛ばされた。


世界がゆっくり動き始めた。


思考が過去へ遡っていく。


思えば、私の過去は辛いものばかりであった。


両親を知らず、

仲間も居ず、


男に性欲の捌け口として使われ、

いや、私も男を利用していたから、

お互い様か…


悪魔軍で同じような境遇の人たちに沢山合ったが、

辛さの共有だけで、

楽しいものとは無縁だった。


だからこの数ヵ月、

彼らと旅をしたのは、

私が唯一楽しかったと言える思い出。


ウィルを琴線に触れぬ程度にからかい、

テンちゃんのオーグンへいたずらを手伝い、

オーグンが私に発情を我慢するのを、微笑ましく思い、

オーグンとウィルの喧嘩をBGMに酒を飲み。


大分最近までの出来事まで遡ってきた…

そろそろ固く無慈悲な、

無機物の岩に激突し、

身体は自然に還るんだ。


私は目を瞑った。

自分の死の瞬間をみたくなかった。


身体に衝撃が走った、

岩に激突したと思われたが、

思ったほどの衝撃ではなかった。


そうか死ぬ寸前、身体の神経は閉ざされ、

快感を得ると言うが、

本当だったのか。


私の身体はあったかく、

優しく頼もしいものに包まれた。


私の身体が溶けていく。


私の血が全身にまとわりついて、

温かいのだろうか…?


全身の力が抜けていく。


数秒後身体に痛みが走った。

おかしい神経は閉ざされ、私は死んだはず。

痛みなぞ、感じるはずはない。


恐る恐る、目を開けると、

オーグンの顔が目の前にあった。


オーグンに抱え込められていたのだ。


オーグンの少し高い体温。

岩のようにごついけど優しい身体。


私の顔が紅潮している。


私の心臓の鼓動が理解できないほど高まった。

これは死を間近に感じたから…


いや、よそう…


これが噂に聞く、恋なんだろうか…

たとえ恐怖と恋が混ざってしまった、

ものだとしても…


私を助け受け止めてくれた、

オーグンに恋をしてしまったのかもしれない、


オーグンは、私を安全な岩陰に優しく寝かした。


隣には、してやったり顔のテンがいた。


オーグンとウィルが組めば、敵などいない。

黒龍王イルスですら、敵わないだろう。


そう安心したのも、つかの間。


ウィルが呆れ顔で、

私達の岩陰へ帰ってきた。


なぜ?

オーグンがやられてしまう…


オーグンはイルスの、

とてつもない白炎に追われている。


ウィルを焚き付けて、

オーグンを助けに行かせたいけれど、

取り乱す訳にはいかない。


「オーグンを助けなくていいの?」

なんとか冷静さを保てたはず。


ともしてると、オーグンの逃げ場がなくなって、

絶体絶命になっていた。


叫びたい気持ちを、なんとか抑える。


オーグンは自ら溶岩の中へ入っていった。


「あっ…」

思わず声が漏れてしまう…


時間にしては、それこそ数秒。


でもその数秒が、とても長く感じた。


不安



数秒後オーグンが溶岩から出てきた。


安堵


テンやウィルはおぉーとか、

さすがオーグンとか、

感嘆の声をあげていたが、


私は「ほっ」と言う声が出た。


そしてオーグンは、

イルスの一撃をかわして、

イルスを捕らえた。


か、カッコいい……


心臓が高鳴った感じがしたが、

悪寒を感じ、すぐに我にかえった。


母がやってきて、

私の横を通り抜けた。


バレてないわよね…


彼女は私に構うでもなく、

通りすぎていった。


心臓に悪すぎる……


母はその場を収めた。




夜、宴が行われた。

私は飲んだ。


恥ずかしさ

恐怖

安堵

心臓への負担


なんとオーガの女達と話が合った。

彼女らは私の悩みを聞いてくれた。


私も彼女らの悩みを聞いた。

男の競争率が高すぎる、と愚痴を聞き、

族長は私たちに興味を示さないと嘆き、


私もウィルと母オーガへの恐怖と、

オーグンへの反応を暴露した。


皆はそれを恋だといった。


宴がピークを過ぎ、

そこらでオーガたちが寝始め、

私も寝床に帰ろうとしたところ、

呼び出された。


母オーガ

イルス

ウィル


私にとっては、常に身震いする空間だった。


それまでは酔っていて、記憶が虚ろだったが、

ここの記憶は鮮明に覚えている。


会合を終え、

緊張の糸が解けた。


それがいけなかった…


気がついたら、

目の前にオーグンが寝ていた。


私は無意識に、

オーグンの寝床に潜っていたのだ…


「き、きゃ…」

しまった…声を出してしまった…


会合の先の、記憶がない…


昨日あんな走馬灯を見て、

オーグンに受け止められたから、

オーガたちが言うように、

恋しくなってしまったのだろうか…


「どうした?」

ウィルが駆けつけてきた。


まずい…

こんな状況で、

言い訳なんて思いつかない…


「おい、オーグン…」

なんとゆうタイミング…


「そうですわ、

オーグン…言い忘れたことが」

まさかのオーグン母も来てしまった。


絶体絶命…ではない…

もう終わりだ…

私はここで殺される…


いや、仕方ない。


完全に私が悪いのだ…

私が契りを破ってしまったのだ…


「うーん…

わっ…

な、なんだ?」

オーグンが目を覚ます。


「申し訳ございません…

何も言い訳はしません殺…」


私が言いかけた所、

ウィルがオーグンをぶん殴った。


風の魔法を纏った拳は、

オーグンのこめかみを貫くと、

オーグンはぶっ飛んだ。


「オーグン見損なったよ、

宴だからって、無理やり襲うなんて、

相手がメルサだから良い、とでも思ったの?」


えっ…とオーグンは慌てながら、

キョロキョロと周りを見渡す。


無理やり?


いや、それは無い、

私が寝床に潜ったのだ。


でも、下着は着けている。

私のいつもの寝姿だ…


ふと視線を下に落とすと、

寝ていたお尻の辺りが、

血でにじんでいる。


「わっ

なに…この血…」


「オーグン…君は最低だ、

覚悟は出来てる?」

ウィルは完全にオーグンを殺す気だ。


「ま、まて!

ウィル!!

ご、誤解だ、

ちゃんと話し合おう」


思いがけない、血に動揺している私の方へ、

ツカツカと母が近づいてきて、

血の付いた下着と、お尻あたりを見つめ、

「月のものね」


その場の時が止まった。


私の魔法より強力な時を止める力…


「あなたいくつ?

その反応…初めてなのね」


「え、あの…

月のものって何ですか…?」


はぁ…と母オーガはため息をつくと、

私を別室に連れていかれた。







「良かった」と思ってくださったら

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筆者が泣いて喜びます。




⚫︎最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい 完結済

https://book1.adouzi.eu.org/n4187hi/


他種族の接触が禁じられた世界

最恐のオーグンが他種族の女の子と仲良くなりたくて人間の王子と旅をする物語です。

お馬鹿で変態だけど純粋なオーグンの冒険を覗いてみてください。

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