第3回『連想ゲーム・その1』
こうすれば、ショートショートが書けますよ、という必殺技みたいなものがあれば良いのですけれど・・・
ただ、そこまででは無いのですが、私が考えた手法に、多少、近い物ならあります。
今回は、それを紹介しようと思います。
ショートショートは、落ちを最初に考えます。
ネタ帳に、使えそうなネタがあれば良いのですけれど、あいにくとめぼしいものがなかったとしたら?
そんな時に、ショートショートを書くための手法がいくつかあります。
① まずベースとなる言葉をひとつ決めます(なんでもいいです)。
② ①のベースの言葉から連想して思いつく限りの言葉を書きだします。
③ ②で書きだした言葉の中からひとつを選び、同様に、連想して思いつく限りの言葉を書きだします。
④ ③で書きだした言葉と①のベースの言葉とで、何らかの共通点を持つ組み合わせを探します。
⑤ みつけた共通点は、ショートショートのネタに使えます。
一見、無関係な二つの言葉の共通点を探し出し、組み合わせて作るタイプのショートショートです。
ですが、本当に無関係な言葉を二つ組み合わせるのは大変です。
そこで、A から B を連想して、さらに、B から C を連想します。
そして、A と C とで、共通点を探します。
少し離れていますが、全くの無関係でもないので、共通点を探しやすい、ということです。
この手法で作った話の例文です。
『レンジ』
あいつはすごい。
私がチン!と鳴らして呼んでも、かなりの確率で放置されてしまうというのに。
あいつは、ターンテーブルも、タイマーもついていないけれど、ひとたび、ピーッと笛を鳴らして呼び出せば、他の何をおいても、人間たちは飛んでくる。
私は、ヤカンにあこがれている。
この手法のコツは、下手な鉄砲も数撃てばあたるです。
いい組み合わせが見つかるまで、言葉を変えて繰り返すのみ!です。
このとき連想して書きだした言葉は、例え、ネタとしては使えなかったとしても、必ずメモして残しておいてください。
いつか、役に立つことがあるかもしれません。
上記の手法は、有名な手法です。
それを元にして、私が改造した手法を紹介します。
もっと、直接的にショートショートになる、いわば、必殺技です。
まあ、私の好みの落ちにはならないので、私自身は、めったにやりませんけれどね。
① まずベースとなる言葉をひとつ決めます(なんでもいいです)。
② ①の言葉から連想して思いつく限りの言葉を書きだします。
③ ②の言葉の中からひとつを選びます。
④ ②の言葉のなかから、③で選んだ言葉には当てはまらないものを探します。
⑤ ④で見つけた当てはまらない言葉を、③で選んだ言葉に無理やり当てはめます。
実際にやってみましょう。
例文です。
『お月見、パート2』
「お月見用に、望遠鏡でも買おうかな。」
「どうした、急に。」
「お前の頭を見ていたら、本物が見たくなった。」
「俺の頭は、ハゲてねぇ!」
「いや、新しいクレーターがあるんだ。」
「月」から「禿げ頭」と「クレーター」を連想します。
「禿げ頭」に、「クレーター」を無理やり当てはめます。
基本的に、不条理な話ができあがります(私は、不条理な話、嫌いなんですけどね)。
上手く作るコツは、連想して書きだした言葉の中から、できるだけ、かけ離れた二つの言葉を選ぶことです。
だから、ただ見はダメですよ。
誰かさんは、仲間になりたそうにしている。
経験値にしますか?
「きゃー。」
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普段は、ショートショートでほのぼのコメディ集を連載しています。
ショートショートの実例がいっぱいありますので、良かったら見てください。
『月の音色』、『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』、『みどりの竜』です。




