第26回『オムニバスの効果』と『なぞかけ』
今回は、短いので、2本立てです。
かっぽうの方で書いた物を、そのまま、転載しています。
『オムニバスの効果』
一回分のエッセイには足りないので、かっぽうで書いてみます。
ショートショートのプロットを作る時の副産物として生まれる没ネタですけれど、テーマをそろえたオムニバス形式に整えると、使えるようになる、というものです。
上手くできた話が二本あれば、その間に、若干落ちが弱いかなと思った話をすべりこませると、その話単体のときよりも、評価が上がります。
同じ縛りの中で、何本作れるか、というのも、ある種の評価になるので、その分の下駄をはかせることができるからですね。
また、オムニバスの形式とするには、二本では、様にならないので、最低でも三本はほしいです。数合わせとして、上手くできた二本の援護射撃になります。
そして、それぞれ独立した話だとしても、一括りにされて、一度に読むという事になれば、全体の流れが生まれます。
流れで重要なのが、”つかみ”と”しめ”です。
最初の話で”つかみ”が上手くいっていれば、次の話が、多少、印象が薄かったとしても、それほどひどくなければ、まだ残っている次の話への期待が勝り、”つなぎ”としての役割は果たせます。最後の”しめ”で、期待に応えることが出来れば、全体として、面白かった、という印象を残すことが出来ます。
『なぞかけ』
なぞかけは、必ず、ダブルミーニングの落ちになるので、ストーリーをつけてあげると、ショートショートに作り変えることが出来ます。
人間ドックで言われたこととかけて、ボーナスと解きます。
その心は?
すこしはあるかないか。
これをショートショートにしたのが、こちら。
『人間ドックのボーナス』
「お父さん、人間ドックのほうはどうだったの?」
「ボーナスみたいなものだって言われたよ。」
太鼓腹をさすりながら、父が答えた。
「なにそれ、良いの、悪いの?」
「お医者さんが言うには。」
「うん。」
「少しは、あるかないか、だってさ。」
謎かけをいっぱい作って、それを、全部メモっておけば、立派なショートショートのためのネタ帳の出来上がり、と言うわけですね。
最初は、簡単なダジャレみたいなものから始めて、慣れてきたら、変化球にも挑戦してみると良いと思います。変化球の方が、ショートショートにはしやすいかもしれませんから。
意識するコツとしては。
①表情をつけたり、セリフっぽくなるようにしてみる
②単語ではなく、文章になるように、心がける
③音ではなく、特徴を使ったものにしたほうが、小説にはしやすくなる
と、こんな感じです。
最初は、気にしなくていいですけどね。
なぞかけは、全部が上手くショートショートになるわけではないですけれど、最も簡単にショートショートを作るための方法のひとつではありますね。
最近は、かっぽうの更新が、メインの活動になってます。
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