第18回『アクションシーン』
反応が無いと、私、泣きます。
かまってください。
ほのぼの日常系コメディを専門に書いている身としては、普段、アクションシーンを書くことなど全くありません。
むしろ、アクションシーンが必要になったときに、それを書かずに済ませる技術の方が得意なくらいです。
『戦闘シーンを擬音だけで乗り切ってみた』
https://book1.adouzi.eu.org/n6995ge/23/
なんてことをしてみたこともあります。
『お祈り無双! 一日五分、祈祷するだけで世界を救います!』
https://book1.adouzi.eu.org/n6995ge/14/
こちらは、アクションシーンを全く書かずに、ギリギリのやり取りを演出しようと試みています。傍にいる人間の感想によって、描写を肩代わりするという方法です。
余談ですが、この方法は、応用が利きます。例えば、美女の容姿を細かく描写する代わりに、「まあ、なんて美しい人でしょう。」みたいな、セリフを書くわけですね。
元々、小説は、スピーディな描写を得意とはしていません。
むしろ、一連の動きをスローモーションで描写する方が得意です。
例えば
小指から握りこんだ拳を、ほほの隣に引き寄せ、曲げた肘、上げた肩、その全てを震わせている。
みたいな感じで、本当は、一瞬で起こった出来事を、スローモーションで表しました、というような体を装います。
また、”曲げた+肘”とか”上げた+肩”のような、最低限の二語だけでできた文章を並べると、動きがあるように見えます。
『チャイムの音がする』
https://book1.adouzi.eu.org/n4278gf/17/
という話の一部分なのですけれど
まあ、通りがかりの小学校で雪合戦を見かけたからといって、女学生のとる行動など・・・
突撃あるのみ!
校庭に踏み込み、鞄を放り出して、雪玉を手当たり次第に投げつける。
例文の三行目、二語ずつの組み合わせ(まあ、最後は三語ですけれど)で出来た短い文節を、つなぎ合わせて書いているのがわかりますか?
スピード感を出す技術としては、結果を先に書いて、何が起こったのかを後から推測で説明する、という方法もあります。
もうひとつ、特殊な描写技術として、読者の予想するタイミングよりも早く書くというのがあります。
『続・お祈り無双! 一日五分、祈祷するだけで世界を救います!』
https://book1.adouzi.eu.org/n6995ge/34/
上記の話を読んでみて下さい、実例が書かれているのに、気がつくと思います。
読者に、この後の展開を予想させ、こうなるだろうなと思わせておいて、その描写を途中で遮って、前倒しで、動きのある描写を始めます。
あと二つ。
長い説明の文章を、そのあとのたった一言で、ぶった切る、という事をすると、スピード感がでます。
上記の『チャイムの音がする』の例文の
突撃あるのみ!
なんかもそうです。まあ、これは、前ふりの文章が短いですけどね。
説明の内容に関して、ぶった切るのが基本ですけれど、全然関係なく「危ない!」と叫んで突き飛ばす、とかでも、テンポは変わります。
また、長い説明の文章とは別に、たった一瞬の出来事が同時進行で起きていたことを描写して、それが同じ時間で起こっていた、というような書き方をすることでも、スピード感が増します。
普段は、ショートショートでほのぼのコメディ集を連載しています。
『月の音色』、『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』、『みどりの竜』です。
ショートショートの実例がいっぱいありますので、良かったら見てくださいね。




