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名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します  作者: #とみっしぇる


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69 職業は聖女、心は暗殺者

私はアリア達3人から10キロ離れ、切り立ったを峰ふたつ隔てた峠道で魔王軍の精鋭50人を待ちぶせした。


罠どころか、下準備すらしてない。完全舐めプだ。 


私から見て緩やかな下り坂。魔王軍から見ると右側は急流の谷へと続く断崖。左側は急斜面の山肌。


道幅は30メートル程度。


神器ドロン2機は、どちらもアリア、フランソワ、レオンの黒髪美形を映している。


だから誰にも知られず『処理』ができる。


私は今、暗殺者のように冷酷だ。



進路も退路も限られた場所。一見すると私に不利だ。けど、反則聖女な私が敵を逃さないため、最高のロケーション。



「お前らには悪いけど、ここから先は通行禁止だ」


「何者だ」

「銀髪の女ひとりで何をする気だ」

「ジペングで見かける自称使途だな」


「鑑定持ち、こやつは何者だ」

「ステータスは高いですね。だが、精鋭50人を相手にするには人手が足りない」


魔族の陣形はオーソドックス。まず先頭に前方警戒の3人。


40人程度が固まり、40メートルほど後方に警戒役が3人。


一番近い奴まで30メートル。


「悪いけど、誰も逃がせねえ」


『結界魔装』。胸の真ん中が光る。


私は黒いラバーススーツに全身が包まれた。


使用MP700、オールステータス10倍が1時間続く女神印の強烈スキルだ。


先頭の魔族剣士は身体強化レベル5を持ち、瞬時に攻撃力を1866まで上げた。


反応もいい。アストリア世界の冒険者でも、最低でAランク並。


けど私は物理系が19700、魔法系が31400と超がつくブーストがかかってる。


「ぐはっ」「ごげっ」。まず先頭の魔族ふたりを殴って仕留めた。


その勢いでジャンプし、主力40人と後続部隊の中間に着地した。


そして唱えた。

「結界」


透明だけど半径70メートルの濃い膜に全員が包まれた。


「なっ、なんだこのドーム」

「聖魔法の結界術か」


ノーマル状態の『結界』で半径7メートルまで範囲を広げられるようになった。


今は単純にその10倍。残る48人の魔族の逃げ場をなくした。


後方部隊の魔族が反応した。そいつらに指をかざして、レベル75で獲得した攻撃魔法を食らわした。


「ホーリーレーザー」


まばゆい閃光とともに、3人の魔族の上半身が吹き飛んだ。


閃光は結界の壁にぶち当たった。突き抜けないけどドーム内を激しく光らせた。


「な、ななっ」

「おい、まさかこいつ、本物の勇者か使途では…」


本来のホーリーレーザーは、直径10センチくらいのビームが飛ぶ範囲限定の高温度熱線。


けど今は、ただでさえ高いステータス10倍に神気乗せ。


ビームは太い光になってるし、直撃してない魔族も熱攻撃に巻き込まれてる。


結界を張らずに放ったら、山崩れが起きそうだ。


残酷だけど、魔王軍に余計な情報を渡してアリアの危険度を上げないことが優先。


振り向きざまに、密集している魔王軍めがけ、2発目、3発目のホーリーレーザーを放った。


8発のレーザーを撃つのに、わずか10秒。


阿鼻叫喚になる暇もなく仕事は終わった。そして素早く武器や防具の残骸、その他諸々を無限収納に回収した。


峠道や山肌には当たらないようにホーリーレーザーを撃った。何も風景に変化はない。


旅人が通りかかっても大して違和感もないだろう。


計8発。使用MPは48×8で384。



その勢いで私はアリア達のところに戻った。


ユザワダンジョンから少し離れると原っぱが広がっていて、3人は野営の準備をしていた。


アリアとフランソワは、50階フロアボスと戦ったあと。レオンもかなり走ったあとだ。その後に魔族を葬っている。


みんなテンションが高いけど体は疲れてる。私も、それなりに気持ちが疲弊した。


「サラ、お帰り」


「ただいま。魔王軍の後続部隊は追い返したぜ」 

「…ありがと、ひとりでやらせてごめんね」 


どうやって何をやったか言わないけど、アリアもハードモード世界の住人。


遭遇すれば殺しに来る相手に、私がどう対処したか想像はついただろう。


軽く頭を抱いてくれた。


そのまんま、ダンジョンで捕まえてきたレベル77のロングホーンバッファローを焼いて、豪快な夕食となった。


脳筋のフランソワは、剣を交えたレオンとの実力差を感じて素直になった。


「レオン殿、あなたは武器全般に造詣が深いのだな。アドバイスを下さらないか」


「辛口だぞ。いいかい?」

「もちろん。何でも言って下さい」


「フランソワさんは、姫騎士スキルの派手な技に頼りすぎて基礎がおろそか。派生スキルの身体強化とか、地味な部分も鍛錬しないとダメだよ」

「く~っ、厳しい」


「その分、伸びしろは十分にあるよ。ははは」

「なるほど。励みになります。あははは」


昼にはレオンに斬りかかったフランソワだけど、アオモリ侯爵家奪回に協力してくれると言うと、早くも剣の話で盛り上がり出した。


レオンは白鬼としては若いけど年齢は46歳。ヒト族なら20歳くらいの成熟度だ。


そしてレベル、才能、技術と戦いに関してもフランソワより上。  


フランソワは謝罪して、酒と肉を堪能しながら戦闘の話をしてたら、レオンと打ち解けた。


やはりフランソワは脳筋なのだ。


打ち解けるのが早いのは『勇者5』の強制力かと思ったが、アストリア視聴者も意外な展開らしい。


『なんだかフランソワとレオンが仲良くなってるな』

『「勇者5」ではビジネスライクな、距離を置いた関係だったよね』


『ミヤギのマサムネ公、イロハ姫も想像通りじゃなかったし、リアル人物には色々とあるんだよ』

『フランソワが可愛いから、これはアリ』


『ストーリーとは違うけど、フランソワとレオンがくっついてもいいな』


アリアも楽しそうだし、野営の配信は思った以上に盛り上がった。


『聖女、フランソワとレオンがくっつくのもアリだよね』


『頼んだぞ』

『成功したらスパチャ弾む』


『俺、レオンと同じ白鬼。フランソワとの恋物語見たいね~』

『成功したら、俺も幾らか出すよ』


そんな意見も飛び交ってる。

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