燻る帝国への不満とガブリエラの気持ち
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「まだまだ、世も捨てたものではないな。私は近衛軍団のレオン・ランガー。助太刀、感謝する」
俺の横に並んで、近衛軍団の男がチラリとこちらを見て言った。俺だけに戦わせはしない――という強い意志が見える。
「俺はさすらいの魔術師……ええと……」
「フッ、名乗らずともよいさ、おおよその察しはつく。帝国に眠りの魔法を使う英雄は、少なかろうよ」
ニヤリと笑う近衛の男は大きな方形の盾をずいっと前に出し、「来るのか来ないのか? このレオン・ランガーが相手になるぞ! どうした? 戦闘経験のない近衛など、お前達の敵ではないのだろう?」と言っている。
「レオンだと? 狂犬レオンなのか?」
敵方からボソボソと喋る声が聞こえた。なにやら彼は、名のある男だったらしい。しかも、ちょっと悪い意味で。
「確かに私は相手が貴族だろうと――罪を見逃しはしない。だから奴等からは、狂犬と呼ばれている」
なるほど、そういうことか。
とはいえ、第二軍団の兵士は相手が狂犬と知っても引き下がらない。眠る隊長を自分たちの後ろに下げて、同じく盾を構え始めた。
双方共に重装歩兵。正面からぶつかれば、レオンに勝ち目は無い。もっとも騎乗した俺がいる分、どちらも戦力を計りかねているのだろう。だからお互い、先に前へ出ようとしない。
こうして五、六分は睨み合っただろうか。
俺としては、満足できる結果だ。時間稼ぎ作戦が上手くいったのだから。
複数の足音が迫り、狭い路地の人口密度が急激に上がる。
敵の背後に、赤い衣服に銀の鎧を着た近衛兵達が現れた。ここにいるレオンと同じ装束だ。
けれどおかしなことに、ティグリスの姿が見えない。
「きさま等、ここで何をしているっ!」
鋭い誰何の声が聞こえた。近衛兵の一人だ。直剣を抜き放ち、陽光に煌めかせている。
しかしよく見ると、赤い房飾りのついた兜から、オレンジ色の髪の毛がはみ出していた。
こいつは、ティグリスだ。
どうやら近衛兵から服を借り、着替えたらしい……余計なことをして。
ゆっくりと背後を振り返った第二軍団の男が、ニヤニヤと笑いながら答える。
「誰がきたかと思えば、お飾りの近衛さま方か。お仲間でも助けに来たのかな? ご苦労なことだ」
「お飾りかどうかは、やってみなければ分かるまい?」
怒気を滲ませる茶色の目は、僅かに悪戯っぽい。ティグリスが俺を見て、片目を瞑った。「良い考えだろ?」とでも言わんばかりだ。ヤメロ。
――まったく、ティグリス・キケロめ。
俺は近衛軍団を呼んできてくれと頼んだだけなのに、率先して彼等を率いるな。訳が分からなくなるだろ。
「あーあー、待たせたな、同志諸君!」
さらに背後から、ダブダブの鎧を着た一人の兵士が現れた。兜からはみ出た長い髪は、煌めく黄金色。声は鈴を転がしたかの如くに愛らしい――もう、こんなのガブリエラしかいなかった。
待ってないし、お前まで服と鎧を奪って着替えたのか! と怒鳴りたくなる。
いろいろと隠しているつもりのガブリエラが、悠々と前進を始めた。邪魔だったのか、大きな盾を投げ捨てている。近衛兵の代名詞とも言える赤い大盾をポイッと捨てて、大丈夫なのか?
そのあと流れるような動作で抜剣し、第二軍団兵の中へ歩を進めている。周囲は、唖然だ。
と――第二軍団兵四人の中央で、彼女は足を止めた。それから前後左右を見回し、「味方が五、敵も五……あ、いや、女性を含めれば、味方が六か。余裕の喧嘩は好きじゃないな……」と、ぶつぶつ言っている。
トントンと肩を剣で軽く叩きながら考えるガブリエラ。もちろん敵と味方の人数計算も出来ていない。戦闘可能な敵は四人で、味方は女性を含めたら七人になる。
彼女の絶対的な美貌の内側に入ってるのは、カニ味噌か何かなのだろうか? 少なくとも考える作業では一切役に立たない無駄なモノが、頭蓋骨の中に詰まっているのは間違いないだろう。
「いいぞ、第二軍団。お前ら全員で掛かってこい」
言うが早いか一人目の足を素早く払い、横転させる。どうせガブリエラのことだ、これを言いたかっただけだろう。これを契機にティグリスが駆け出し、正面の一人をあっという間に殴り倒した。
「俺達をお飾りと思うなら、さっさと掛かって来い! といってもお前等、もう二人だけだな?」
この言葉で残り三人の近衛兵も盾を前に出し、ゆっくりと前進する。
ガブリエラは一人で全員やろうと思っていたのか、今にも怒り出しそうな雰囲気だ。
「この場は我ら近衛軍団の管轄である。貴公らの振る舞いは法的根拠のない行為であるから、即刻立ち去れい!」
ここぞとばかりにレオンが言った。朗々とした、威圧感のある良い声だ。敵が怯む。
ここで敵に去られては暴れ足りないガブリエラが、剣を上下左右に振る。さっさと暴れようという魂胆が透けて見えた。
とはいえガブリエラは、まさしく暴力の天才。剣の腕だけは確かだった。見事に敵の鎧と服だけを斬り裂き、肌を露出させている。
ていうか男を裸にして、何が楽しいのだろう?
「罪なき娘に手を出す様な輩のものなら、次はちょん切るぞ! 女がいつも、黙ってやられるだけだと思うなよっ!」
どうやらガブリエラは少女が乱暴されそうになったことを、心から怒っているようだ。
「女はお前達の玩具じゃないんだっ!」
何故かガブリエラが俺を見ている。思わず俺の股間がヒュン、となった。
「へえ……同感だね。女には愛を、敵には死を……ってな」
それを見て感心したティグリスが、同じ事をやる。
「ぐわっ!」
どうやらこちらは剣の扱いに不慣れらしく、敵の肉まで斬ってしまったらしい。
「……殺されないだけ、有り難いと思え」
ティグリスが、剣に付いた血を払う。「踏み込み過ぎた。殺さないってのも、逆に難しいな」とぼやいている。
だが、それでも類稀なる剣さばきには違いない。敵は怯み、そのまま倒れた仲間を置き去りにして逃げていったのだから。
「すまん、貴族の令嬢と思って馬鹿にしていた。良い腕だ」
敵が去った後、ティグリスがガブリエラに頭を下げていた。
「ふん、あの程度のこと、雑作も無い」
兜をとりつつ、ガブリエラが頷いている。それから大きな方形の盾を拾い、自分が衣服を借りた兵士の下へ謝りにいった。
身ぐるみを剥がれた近衛兵は両手で身体をかかえ、震えている。余程ガブリエラが恐ろしかったのだろう。わかるぞ、俺も恐ろしい。
近衛兵達はレオン・ランガーと合流し、座り込んだ少女に話しかけていた。
「大丈夫か? 家はどこだ、送ろう」
少女はレオンにマントをかけてもらい、ゆっくりと立ち上がる。
「大丈夫です、ありがとうございました……」
まだフラフラとしている。レオンが近衛隊に指示を出し、二人が少女を守りながら歩いてゆく。
少女の姿が見えなくなったところで、レオンが俺に頭を下げた。
「本当に助かった、一人では切り抜けられなかったでしょう」
俺は馬から下りると、頭を左右に振った。
「色々あったけど、結局は近衛軍の兵士が到着して解決したんだ。俺達は助けを呼んだに過ぎない。それよりも、貴方の勇気こそ立派だと思います」
「英雄にそう言われると、悪い気はしませんな」
「英雄?」
「隠していても分かりますよ、貴方がアレクシオス・セルジュークどのであることは」
「あ、ああ……それは。だけど俺は英雄なんかじゃ。とにかく、これで。先を急ぎますので」
俺は手を差し出し握手をして、別れを告げようとした。どうにも気恥ずかしい。年長者に頭を下げられ、敬意を示されても困るのだ。
「アレクシオス・セルジューク、付き従えるは最強の騎士達……か。私もいずれ、卿のような英雄に仕えたいものです」
「……俺はしがない軽装歩兵の百人隊長です。身分でいうならレオン・ランガー、近衛である貴方の方が上ですよ」
「はは、ではいずれ、貴方を守る近衛になりたいものです」
レオンの言葉を聞いて、ティグリスが前に進み出た。
「その発言、不敬だな? だが――嫌いじゃねぇぜ。俺の名はティグリス・キケロ。よろしくな、おっさん」
「ん? 誰かと思えば、帝国の剣ティグリス……! 貴方がアレクシオスどのと共におられるのなら……!」
「それ以上言うなよ、おっさん。アレクにその気が……今はねぇんだから」
はいはい。社会に対する不平不満はつきものですよ、二人とも。それでも給料貰ってご飯が食べられるなら、問題無いんです。
だから俺は二人を華麗にスルーして、さっさと第二軍団の駐屯地へ向かうことにした。
◆◆
レオンと別れて第二軍団の駐屯地に入ると、そこはそれなりに整然とした軍団の宿営地だった。
もとが侯爵家の邸だったというこの場所、正面の邸はそのまま、庭に無数の兵舎が建てられている。
今の時間は全軍の四分の一が訓練中らしく、前庭で陣形の確認中だった。
第二軍団の質が悪いといっても、全軍こぞって無法者という訳でもない。そもそもは帝国軍でも精鋭の部類に入る軍団なのだから、その大半は真面目に訓練をしているのだろう。
俺達は正面にある一番大きな邸へ行き、用向きを告げた。ガブリエラが自身の名を名乗ると、すぐさま筆頭大隊長の執務室へ案内をされる。
殺風景な広めの部屋に通されると、そこでは四十がらみの筆頭大隊長が静かに仕事をしていた。
彼は部屋の両脇に机を構えた事務官にテキパキと指示を出し、自らの手を止める事も無い。
彼が実質的な軍団長であろう。ここの全てを運営しているようだ。山積みの書類は正面の机からはみ出し、床の一部を占拠している。
彼はガブリエラの来訪を告げられると、「ナリグラ・シエルです」と名乗り、広がり過ぎたおでこの汗を拭った。
「こ、これはガブリエラさま御自らお運びとは。ユリアヌス殿下は、こちらにはおいでになりませんが……」
慌てて立ち上がった為、ナリグラの横にあった書類が机から落ちる。バサバサという音が、あとの面倒さを雄弁に語っていた。
「それはいい。今日はアントニア・カルスの様子を見に来ただけだから」
ナリグラは「はて?」ととぼけて宙を見上げたが、俺は騙されない。その眼光に、一瞬だが鋭いものが走った。
「私はアレクシオス・セルジューク、ガブリエラさまの第六軍団に所属しております。ナリグラさま、お見知りおきを。さて、軽くご説明申し上げると、ディアナ・カミルはガブリエラさまの友人であられる。そしてアントニアはディアナの友人であるから、ガブリエラさまに様子を見て欲しいとディアナ・カミルが頼んだのです」
俺が状況を説明するとナリグラは頷き、「おお、おお」と手を打っていた。
「もとより皇太子殿下とガブリエラさまの仲、様子を見る程度のことは出来るのではないかと。また、その旨、クロヴィスどのより伝わっておりませんかな?」
ここまで言うと、流石にナリグラの顔色が変わった。
どうやら彼が、クロヴィスと繋がっているようだ。
つまりクロヴィスは彼がユリアヌスに軍団を任されていることを利用し、色々と便宜を図らせているのだろう。
「さ、然様なことでしたか。大丈夫、彼は今、賓客として遇しておりますゆえ。しかしながらクロヴィスどののことは、とんと存じません……」
「クロヴィスどのを知りませんか。まあ、いいでしょう。ところでアントニアを賓客として遇しておられるとは、それは誰かの指示ですか?」
「は……先ほど使者が参りまして、彼の容疑は晴れた、と。あ、ああ、あれがクロヴィスどのの使者だったかな? はは、ははは……ですから彼の処遇を変えたのです」
なるほど。クロヴィスの方も、俺がここに来る事を予測していたらしい。逆に言えば、アントニアを消す事も容易だったはずだ。
それにしてもナリグラというこの男、事務処理能力はあるのかもしれないが、底が浅いし軍人としては凡庸以下だ。これでは不正や不法を働く部下も後を絶つ訳が無い。
一言でいえば、ショボい中間管理職だ。上司にへつらい部下には横暴。ほら、今も話しかけてきた部下に、唾を飛ばして怒鳴っている。
格上のガブリエラに対する平身低頭ぶりとは真逆だ。
「今はガブリエラさまと大切な話をしておるっ! そのような書類は、貴様が自分の頭で考えて判断せよっ!」
「ですが……決済していただきませんと……」
「ええい、無能ものがっ! そこへ置いておけっ! 後で見るっ!」
「ですがあの机では、他の書類に紛れてしまいます……それでは閣下がお困りでしょう。ですから今……」
「ええい、ええい、うるさいっ! うるさいっ! ……申し訳ありません、ガブリエラさま」
ガブリエラは眉を顰め、顎に指を当てている。彼女が最も嫌うのが、こんなタイプの男だった。
「それにしても酷い有様だな。我が第六軍団でも、こんなに書類は山積していない。部下を大事にしないから、全部自分で抱え込むことになるんじゃないのか?」
腕組みをしたガブリエラが、説教を始めた。コイツの説教ほど為にならないこともないが……。
そもそもガブリエラは事務仕事の九割九分をセルティウス父子に委ね、自分は訓練ばっかりしている。だから実際のところ、軍団の書類がどれほどあるかも知らない。
そのくせに今は偉そうに、「毎日コツコツ」だの「優先順位が」だのと言っていた。
「はあ、その……街に駐屯していますと、不祥事もありますので……」
ナリグラはぽっこりと出た腹を摩り、眉を顰めている。流石に十代の小娘に説教されると、苛立つのだろう。
「不祥事ね……まあいい、さっさとアントニアの部屋に案内してくれ」
ガブリエラが僅かに目を細め、唇の片端を上げている。先ほどの件を思い出しているのだろう。説教の件は、既に十万光年の彼方だ。
――――
案内された部屋に入ると、豪華な調度品に囲まれたアントニアが鏡の前に立っていた。ほぼ全裸で化粧をした彼の姿は、誰がどう見ても変態的だ。
流れるような美しい金髪は、ガブリエラにも匹敵するだろう。長身を支えるしなやかな筋肉は、猫科の肉食獣を思わせる。だがオネェ言葉で全てを台無しにするのが、この男のクオリティーだった。
「あら、ティグリス。それにアレクゥー!」
振り返ったアントニアの容姿は、実に美しい。長い髪の一部を三つ編みにしているが、きっとガブリエラがやったらとても似合うだろう。
そんな彼女は何故か俺の後ろに隠れ、「おれ、オネェ苦手なんだ」と言っている。お前も似た様なものだろ、とは流石に言えなかった。
小走りにこちらへ向かってくるアントニア。ティグリスはさっと身体を入れ替え、俺を彼の前に押し出す。
長身美貌のオネェに抱きつかれた俺は、そのまま頬にキスの嵐を受ける事となった。
「や、やめろ、アントニア。口紅の跡がつく……」
「あら、照れ屋さん」
アントニアから離れると、いつの間にかナリグラの姿が消えていた。
「何かあれば、外の兵に声を掛けて下さい」とのこと。自分がここでの話を聞く事で、政治的に妙な立場へと追い込まれたくない――という意思表示だろう。
確かに皇子と大貴族の令嬢の間に入ったら大変だし、クロヴィスも絡んでいるなら尚更だ。
とりあえず椅子に座って、アントニアに状況の説明をする。もちろん彼の状況も確認しつつ、だ。
「――そうね、最初に捕まった時は、はぁ? と思ったわ。だけど第二軍団の兵と聞いて、納得もした。もういっそ、捕まる前に暴れて死のうかとも思ったけど……」
足を組み替えつつ手近にあった砂糖菓子を摘むアントニアは、実に優雅な仕草だ。
「冤罪で死ぬのも馬鹿馬鹿しいだろう」
アントニアの隣に座ったティグリスが、口をへの字に歪めて言う。
「そうね、ティグリス。馬鹿馬鹿しいし、きっと貴方が助けてくれるんじゃないかって――そう思ったのよ。実際そうだし」
微笑を浮かべるアントニアの顔は、恋するオネェ……なんだろうか。
「いや、今回助けてくれたのは、アレクだ。こいつがいなきゃ、俺だけじゃどうにもならなかっただろう。あとはこの――ガブリエラさまやディアナ……はっ、大きな借りが出来ちまったよ」
ガブリエラの名前を出すとき、一瞬だけ躊躇したティグリス。アントニアも僅かに眉を顰め、ガブリエラを見た。
ガブリエラが片目だけを開き、ティグリスを睨む。
「大貴族の手を借りたことが不満なのか?」
「別に、感謝はしている」
ティグリスの物言いも、どこか含みがあった。
俺の隣で両目を閉じて、むっつりとガブリエラが腕を組んでいる。
「おれだって貴族の家に生まれたくて生まれたんじゃない。それで嫌われるってのも、納得しがたい話だ」
「ああ、そうだな。少なくともアンタは、そういう考えだ。持って生まれた権利を当然の様には考えていない――それは分かっている。だが……」
ティグリスが頷き、アントニアは「ふぅん」と首を傾げている。
「だが、ま――俺が信じるのは、アンタがアレクに惚れてるってトコだ。それはつまり、アンタは人間を持って生まれた身分では選ばないってことだからな」
ニヤリと笑って、ティグリスが言う。
「なるほど」
アントニアも手を打って頷き、納得をした。
一方、俺とガブリエラが納得できる話ではなくなっている。
「いやいや、コイツが俺に惚れているってのはないぞ?」
俺が言うと、ガブリエラも顔を真っ赤にして怒っている。目もグルグルだ。
「そうだ! お、お、おれが惚れてるんじゃないぞ! ア、ア、アレクの方がだなっ! おれは嫌だけど、でも、アレクなら仕方ないかなって……! なって! だって男と女だし、認めるしかないしっ! 俺だって他のやつは嫌だから……! そこにつけこまれたら……仕方ないだろっ!」
おいー! ガブリエラ! 意味が分からないぞ!
何はともあれ、これでアントニアの身の安全は保証された。
あとはディアナがペトルスの死に関する確たる証拠を持ち帰ってくれれば、万が一の保険も完成する。
そしてガブリエラは「きゅー」と言って俺の肩に倒れ込み、眠ってしまった。
ガブリエラの言動は最近、自分を女だと認めようとしているように思える。
確かに男に戻る術など無いのだし、女として生きるしか無いのかもしれない。
しかし、だからといって女だから男を好きにならなければいけない――ということはないのだ。
むしろこんなガブリエラだからこそ百合の素晴らしさを教えてやらねばと、俺は決意を新たにしたのであった。デュフフフフ……。




