表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/115

【18】夕暮れ刻の一幕

ちょっと短い茶番回です。

冒険者としての活動は、次々回の更新からになります。


※括弧の種類について

・人(エルフや獣人も含む)の声=「」

・精霊や魔物等、人以外の声=『』

・思考=()

・小声、ひそひそ話等=「()」、『()』

・念話等=(「」)、(『』)

・技名、魔法名、他=〈〉

・強調したい言葉等=“”

・効果音=〝〟


とりあえずこんな感じですかね。

冒険者活動を始める準備が整った夜、ヴィルムは共鳴(リンク)の特性を利用して、ヒノリやラディアと念話でお互いの状況を報告していた。


端から見れば、座禅を組んで瞑想している様にしか見えないが。


(「まぁそんな訳で、二人とは上手くやれてるよ。怪しい動きや言動もないし、今の所は信用出来ると思う」)


(『うん、ヴィルム達が元気そうで何よりね。何度も言うけど、困ったらすぐに喚ぶのよ?』)


(『こちらも特に問題はないぞ。森の浅い場所に侵入者が数組程来たが、特に問題視する行動もなかったからのぅ』)


ラディアの報告を聞いて、ほっとするヴィルム。


(「そりゃ良かった。外界では冒険者ランクの高い人物は発言権が強いらしいから、しばらくは外界(こっち)で高ランク冒険者を目指してみるよ。森を領地として認めて貰えれば、侵入者も制限出来るだろ?」)


(『お~、ヴィルムってばなかなか大胆な事考えるわねぇ。お姉ちゃんも協力は惜しまないよ~♪』)


(『外界に出ても儂らの事を第一に考えるか。もう少し自分を優先しても良いと思うのだがのぅ』)


ヴィルムの考えに乗り気なヒノリは相変わらず楽しそうだ。


ラディアは何だかんだ言いつつも、言葉の端々に浮かび上がる照れや嬉しさを隠しきれていない。


(『姉様達だけ、ヴィー兄様と、話すのは、ズルイ。フウも、ヴィー兄様と、話したい』)


三人の会話に割り込んできたのは、まだ幼さが残る声。


彼女の名前はフーミル。


風を司る精霊獣で、ヴィルム達の妹の様な存在だ。


抑揚のない平坦な声だが、心なしか嫉妬の感情が感じられる。


(「別にフウを仲間外れにした訳じゃないよ。だから、そんなに拗ねないで」)


(『・・・次、フウを喚んで。それで、許す』)


(「あぁ、わかったよ」)


少し拗ねている様なフーミルの要望を、快く承諾するヴィルム。


(『あっ!フーちゃんズルイ!』)


(『むぅ、場の状況を利用して自分の望みを通すか。フウもなかなかやるのぅ』)


フーミルの巧みな交渉術(?)に、ヒノリは羨ましがり、ラディアは感心している。


その後は楽しげに雑談を交わす四人だったが、ヴィルムが部屋前の廊下を勢いよく走る音がしてきた事に気が付き、話を止める。


〝ズドドドドドドドドッ━━━〟


「お師様お師様お師様ぁぁああっ!!」


宿が壊れそうな勢いの地響きと共に聞こえてきたのは、クーナリアがヴィルムを呼ぶ声だった。


(「はぁ・・・、ごめん。また後で連絡する」)


姉妹三人に謝って念話を打ち切ると、クーナリアが入ってくるであろう扉の方に顔を向けるヴィルム。


壊れそうな勢いで扉を開け放ち、転がる様にして入ってきたクーナリアは、バスタオルを一枚、身体に巻き付けただけの姿だった。


「お師様大変なんです見て下さい私の胸がちょっと大きくなってるんですよほらほらぁ!」


興奮して頭が混乱しているのか、〝むにむに〟と自身の胸を揉んでヴィルムに見せつけている。


少し前まで掴む事すら出来ない絶壁洗濯板だったので、確かに成長していると言えるだろう。


「良かったな。魔力の循環経路もほぼ完治したから、身体の成長が再開したんじゃないか?」


「そうなのですよこのまま胸だけじゃなく身長もどんどん大きくなってサティア様やヒノリ様やラディア様みたいな格好いい女性になるのです!」


息もつかずに話し続けるクーナリアだが、自身の状態(バスタオル一枚姿)に気が付いているのだろうか。


「クーナリア」


「そしていつかは━━━はい?何ですか?」


「湯冷めするから、何か羽織った方がいいぞ」


「ふぇ?」


ヴィルムの指摘に反応して、視線を自分の身体に落とすクーナリア。


「━━━━━━ッッ!?」


瞬間、ヒノリの肌以上に真っ赤になると共に、声にならない絶叫をあげる。


やはり気付いてなかったようだ。


そのままその場にしゃがみこみ、何とか身体を隠そうとするが、ほとんど隠せてない。


その時、廊下からこの部屋へと、足早に近付く音が聞こえてきた。


部屋の前で止まると同時に、クーナリアが入ってきた時程ではないが、勢いよく扉が開かれる。


「ヴィル!こっちクーナが━━━来てるみたいね」


顔を真っ赤にして(うずくま)るクーナリアの姿を見て、色々察したらしい。


ヴィルムが話を聞くと、二人で風呂に入っていた所、メルディナがクーナリアの胸が成長している事に気が付き、それを聞いたクーナリアは、自分の胸を見た後、服も着ずに走り出したという。


すぐに追いかけようとしたが、流石に服も着ずに追いかける事は出来ない為、手早く服を着込んでからクーナリアの姿を探したものの、自分達の部屋にもいなかった。


「ヴィルなら何かわかるかも」と、ヴィルムの部屋に来たという事だった。


「クーナ、ヴィルだったから良かったけど、他の男だったら滅茶苦茶にされてるわよ?反省しなさい」


メルディナから着替えを受け取ったクーナリアは、涙目になりながらもモソモソと服を着る。


「うぅ・・・。だって嬉しくて・・・。ちゃんと成長出来る様に治してくれたお師様に知らせたかったんですぅ」


「はぁ・・・。前から興奮すると周りが見えなくなってたけど、身体を鍛えて身体強化を覚えたから、手に負えなくなってきたわね」


クーナリアの暴走に呆れながら、こめかみを指で押さえるメルディナ。


「今のクーナリアなら一方的にやられる事はないだろうけどな。まぁ、自覚出来たって事で良しとしよう」


「ぅぅ、気を付けますぅ・・・」


あまり気にしてない様な感じのヴィルムと、先程とは違う意味で顔を赤く染めるクーナリア。


意図せず集まった三人は、夕食を摂るべく、一階の食堂に向かっていった。

冒険者活動を始める前にどうしてもフーミルを出したくて無理矢理作った話でした。

ちみっこ絶壁洗濯板のクーナリアが好きだった皆様はごめんなさい。

クーナリアはこれからどんどん大きく成長する予定です(スライディング土下座)。


次回更新は5/12日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ