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第九十九話:オウガラカン

描写がちょっとヤバイかな? ヤバイなら取り下げるかもしれない。そんな感じでグロ……というかリョナ注意警報。


 突如闇より姿を現した()()を一言で形容するなら、巨人だった。枝をへし折るような感覚で樹齢数十年の木の幹をなぎ倒せる豪腕、発達しすぎて外骨格あるいは堅殻と化す程に隆起した筋肉繊維の鎧、頭部には二対の角を生やしており、黒色の鬣をたなびかせていた。


屍食鬼(グール)!? いや、違う。体格もそうだが、ありとあらゆる次元が違う。これは……」


 全身から冥色の波動を発するソレを形容する為の名は、とうの昔に伝説や伝承と成り果ててしまった。故に、正確にその名を唱えられる者は数少ない。


「おお……(オンナ)か」


 ソレは、その場に女魔術師を見つけると、口角を吊り上げる程度には理性と獣性を保っていた。太い丸太の如くそそり立つソレの生殖器を受け入れられる生物など、この世には殆ど存在しない。


「ひっ……いや……」


 ソレに睨まれた女魔術師は金縛りにあったかのように動けなくなる。いや、本能で理解してしまったのだ。興味をもたれて睨まれてしまった以上、逃げた所で眼前の暴力の化身からは決して逃げ切れない事を。


「く、化物め、うおおおお!」


 勇敢なる兵士は、無謀にも鋼鉄製の長剣を両手に持ちソレに挑みかかったが、対するソレは意に介する素振りすらも見せない。だから兵士はその奢りを全力で突く事にした。


 いかなる生物にも弱点の一つや二つくらいはある。とりわけ雄の弱点と言えば、無駄に自己主張の激しい生殖器だろう。


「な、に……」


 渾身の握力を込めて切り落しにかかったにも関わらず、精錬された鋼鉄(スチール)程度ではかすり傷すらも付けることは叶わなかった。


「おお……これが、力というものか。ククックククク……」


 ソレは、剛直の堅さにうち負けてへし折れたロングソードを見下ろしては、歪みきった笑顔を勇者に見せ付けてやったのだ。そして、次の瞬間、勇敢なる兵士の胴体は握り潰された。


「おい、とにかく魔法を撃て」

「ファ、【ファイアーボール】!」


 女魔術師達は祈るような気持ちで【ファイアーボール】を放った。爆煙でソレの姿が完全に見えなくなる程、何度も、何度も、何度も【ファイアーボール】は放たれた。


「んん、温いぞ? もう少し火加減を強くしてもらわねば熱風呂にも使えぬなぁ」


 ソレは、防御の姿勢すらもとらずに悠々と爆炎の中から姿を現した。絶対強者として君臨するソレに、弱者達による些細な反撃など無毒な蟻の噛み付き程度にしかならない。


「お、お願いします。ど、どうか、許し……」


 ソレは、恐怖のあまりに失禁してしまった女魔術師の前まで近づくと、舌舐めすりしてみせた。既にこの場に居る兵士達の生殺与奪の権利は完全に掌握されている。あとはソレの機嫌次第でいかなる悲劇も起こりえた。


「おお……どれ、一つ喰らってみるか」


 そして、ソレは、女魔術師を片手で捕まえると、邪悪な笑み浮べながら装備品を指で摘んでは一枚ずつ丁寧にベリベリと剥いでいったのである。


「やだ、やだやだやだ! 誰か、誰か助けて!」 


 無邪気な子供が小さな蜻蛉(とんぼ)飛蝗(ばった)を捕まえては、足や羽根を千切ってはその場に放り捨てて遊んでいるのを見かけた事がないだろうか。ソレと同じ事が人間にだけは適用されないなどと考えられるのは、人間だけが持つおこがましい考えではないだろうか。


 この場を支配する法はただ一つ、弱肉強食、弱者は強者の糧となるためだけに存在を許されるという、古来から伝わる自然の摂理のみである。


 ○


 先ほど発生した咆哮によって、飛竜狩りと呼ばれた男との戦闘は一時的に中断された。


 なるべく消耗を抑え、気取られないようには振舞って来たものの、既にこちらの肉体の限界は近い。生者と違って死人(ゾンビ)は休息によって肉体が癒えない。故に、僅かな時間でも飛竜狩り程の戦士に休息をとらせるというのは、それだけ不利を招く結果になるのだから。


 実に厄介な話だ。


「ゲートルド指令! 大変です」


 だが、それ以上に警戒すべく厄介な話が、先ほどの常軌を逸するような咆哮の主だ。


「ただでさえ頭痛で頭が痛くなってくるような状況に頭を抱えてるところなんじゃが、なんじゃ? 説明せい」


「突如、別働部隊が()()()()()()()()()()()()()に襲われました。どうやら、魔術師達……というより主に()()()()()()暴れまわってるようなのですが……」


「ええい、被害状況はどうなっておる」


「魔術師達の救助に中隊規模(200人前後)の兵士達を向かわせたのですが……全滅しました。恐ろしい程に高い戦闘能力もそうですが、かなり強い再生能力も持っているのか、多少火傷や矢傷を与えた所でたちまち回復されてどうにもなりません」


 湿地林近隣に生息する魔獣の類は念入りに糧に変えてきた。しかも、()()の魔獣の強者が今晩になって突如出現するとは考えにくい。ともすれば、屍食鬼(グール)の類が出現している可能性が濃厚だろう。だが、グール程度であれば人間達の魔術師に対処できないわけがない。


 ここから推測するに、巨人と呼ばれた存在の脅威度は飛竜狩りと同等かそれ以上、か。


「……魔将よ、これもお主の差し金か?」


 老将は懐疑の目を此方に向けてくる。


「断じて否定する。むしろ、お前達の策謀ではないのか? 以前獣人国内に放ってくれた3匹のグール共のようにな」


「お主は一体何を言っておるのじゃ? グールなどと捕まえても制御できるわけもなし、ましてや自軍を襲わせるなどとありえぬじゃろ」


 今の老将の反応で理解できた事はと言えば、鉱山都市市長を裏で操る存在とこの老将は全くの無縁であるという事のみ。


「うわあああああ、巨人だ! 巨人が現れたぞ!」


 悲鳴や喧騒、木々を薙ぎ倒す音と共に、巨人は闇の中から姿を現した。一方の手には裸体の女だった肉の塊を、もう一方の手にはミンチを付着させた血濡れの丸太を、口には千切れた太ももを(くわ)えており、股間部には腹部を貫かれて絶命した魔術師が結合されていた。


 正しく暴虐の化身と言っても過言ではないその者が通り過ぎた後を想像するのは容易い。遠い昔に繁栄していた獣人国を滅びに導いたと言われる()()()そのものに限りなく近い存在なのかもしれない。


「おお……女、それもエルフか」

「ひっ……は、ハルバ様……」


 オウガは次の獲物を見つけて上機嫌になり、手に持っていた肉塊を放り捨てた。


「おい、てめぇ、一体誰の奴隷に手を出そうとしてんのか知ってて言ってんのか? ああ!?」 


 しかしそれは、飛竜狩りという男の怒りを買うには十分過ぎた。


「おお……、勿論お前の事は覚えているとも。()()()()


「正直な所、てめぇみてぇな不細工野郎から名前なんぞ覚えられたくも覚えたくねぇんだが、てめぇは俺様をキレさせるには十分な愚を冒したぜ」


 飛竜狩りは竜剣を大上段に構えて姿勢を低くし、爆発的な前進と共にオウガに一気に切りかかる――。

 

「ククッ人間にしてはやる」

「なにっ、うおおおおっ」


「クク、だが所詮は()()()()()の内側での話。人を超えしこの俺に届くとは思わぬことだ」


 オウガは竜剣を片手で掴みどると、飛竜狩りごと宙に持ち上げ勢いよく投げ飛ばしたのだ。半ば砲丸と化した飛竜狩りは木々を何本もへし折りながら露出した岩壁に叩きつけられる。


「グハッ、グボッ」


 内臓を痛めたのか飛竜狩りは派手に吐血する。尤も、あれを受けてもなお原型を保ち吐血程度で済んでいるのは飛竜狩りだからこそだ。


「は、ハルバ様ァッ!」


 エルフ娘の悲痛な叫びを肴に、オウガは邪悪な笑いを浮べる。オウガに対する有望な対抗手段である飛竜狩りが、たった一撃の元に岩壁に陥没させられるという惨状を目の当たりにし、兵士達の表情が絶望に染まる。


「いやーーー!、ハルバ様!、ハルバ様!」


「クク、素晴らしい。素晴らしいぞこの力! もはやこの俺を止められる者は何処にもいない」


 オウガは飛竜狩りの元へとゆっくりと近づき、意識不明である事を確認するや否や満足げに見下すと、追撃の剛拳を振り下ろしたのだ。そして――。


「ペッ間抜けが」


 オウガの慢心と手緩い攻撃を誘う為に、土壇場で機転を利かせ気絶したフリをしていた飛竜狩りは、起き上がりざまに竜剣でオウガの拳を切り落としたのだ。


「ぬぅ、小癪な真似を」


 そして、飛竜狩りはすぐにその場から離脱し体勢を立て直してみせる。一方のオウガは右腕を切断されて多量の血をぶちまけている事に少々の不快感を示して見せたものの、不敵な様相は依然として崩してはいない。


「おい、ゾンビ野郎。少し手を貸せ。アレは俺様でもちっとばかし骨が折れる」


 肉体への疲労と損傷からか、初期の勢いからは見る影もない程に衰えている飛竜狩りだが、依然としてこの場でオウガと戦える者の中では最強格の実力を有している。彼の協力なくしてはこの窮地を打開するのは困難か。


「此方から頼む手間が省けた。ゲートルドと言ったな? アレを始末するまでの間の休戦を提案する」


「ふむ、やむを得ぬな。この場に居る兵達は飛竜狩りを援護して巨人の打倒を優先せよ」


 オウガは切り落とされた手を掴みどると、切断面同士をくっ付け合わせてすぐに元通りにしてみせる。以前遭遇した不死隊ほどの不死性を備えているわけではないが、多少の傷など傷の内には入らないというわけか。


「クク、弱者が幾ら集まろうと無駄よ無駄。それにもう二度と同じ手も食わぬ、次は完膚(かんぷ)なきまでに粉砕してやろう」


 平然と次があると思い込めてしまうのは強者故の傲慢か。だが、常日頃に闘争に身を置いていれば弱者によって足元をすくわれる事などと腐り落ちる程にある。そうやって身を滅ぼした強者も星の数ほどいる。


 先ほどの絶好の好機でハルバという男を殺し損ねたのは、明らかに致命に至るミスだ。


「ゾンビ野郎、連携背面攻撃(アレイドバックアタック)を仕掛けるぞ。ぶっちゃけ今の俺様はちっとばかしダメージが溜まりすぎて満足に動けねぇ。だから代わりにテメェがあの木偶(でく)(ぼう)を正面で抑えろ。その隙に俺様が一撃で仕留めてやる」


 囮が正面で敵をけん制している間に、もう一人が背面から大振りの攻撃を仕掛けるという単純な連携だが、同格や少々の格上を狩るには十分な殺傷能力を有している。寸分違わぬタイミングで別々の角度から繰り出される同時攻撃というのはそれだけ厄介なのだから。


「承知した」


 それ以上の打ち合わせなどしてはいない。が、それなりに果し合いをした仲でもあるので自然と飛竜狩りの動きや呼吸のクセは理解できる。遠い昔に擦り切れる程の回数をこなしてきた連携(アレイド)だが、奇妙な懐かしさや充足感を覚えていた。


ロリコンにもモブにも厳しい世界。腹ボコ貫通即死とかちょとこれsyれならんでしょ……ベ〇セルクやゴ〇スレ並に年齢制限あがっちゃ(殴


イエローカードもらうようだったらオウガさんをデフォルトでパイプカットしておいて

サッカーボールしようぜ! お前の頭がボールな! くらいに留めておこうかな……。


なお、旧九十九話は時系列順に描写したとはいえ、話の繋がりに結構違和感があったので一旦取り下げました。オウガさん周りの話をまとめてから改めてリニューアル描写する事にします。ご理解とご協力(殴


ついにアレイドアクションとか出し始めましたよ。どうみてもBUS〇Nです。本当に(ry 

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