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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

無題

作者: 樹 亜斗

いつもみたいに見直しとかしていないので、おかしい部分が多いと思います。それでもいい方はどうぞ。

窓を開け放っている筈なのに、蒸し暑い部屋の中で、私達は宿題をしている。


汗だくで肌がベタベタしていて気持ち悪い。こんな状態で宿題をやっていても集中出来ない。



「ねえ、何でこの部屋はこんなに暑いのさー」


「……クーラーが壊れたからよ」



私はこの部屋の主の彼女に聞いて見れば、いつものクールで涼しげな表情をしている。だが、よく見れば彼女も暑いのか汗をかいていて、顔に張り付いている髪の毛や、それを鬱陶しそうに払い除ける仕種が妙に色っぽい。


しっかし、相変わらず美人だよなあ。こいつは……。


私がおんなじ事やってもここまで色っぽくないだろう。



高校で知り合い、何でか私と気が合って、親友と言うような関係になってから、はや一年ちょっとが経つ。



「……何よ?」


「……暑すぎて集中できませーん」



少しだけ羨ましく思いながらも彼女を見ていたら、私の視線に気づいた彼女がいぶかしむ様に私に聞く。

ぐでーっとテーブルにへばりつきながら、だらしなく返事をすると、彼女はため息を吐く。



「じゃあ今から貴女の家に行って宿題を片付けましょう」


「無理だと思いまーす」


「……何でよ?」


「掃除で一日が終わっちゃうからでーす」



床に寝転がり、バンザイをしながら私が言う。


床のフローリングが冷たくて気持ち良いなあ、と思っていたら彼女は大きなため息を吐いて呆れ気味に話し出す。



「貴女の部屋はどんだけ汚いのよ」


「そりゃ、ゴミ屋敷なみ?」



にんまり笑いながら言うと、また彼女はため息を吐いた。



「…………いつになったら私を貴女の家に連れて行ってくれるのかしら?」



彼女は何かを呟いていたけど、私は「アイスー」と言いながら、ごろごろ転がっていた。


それを見ていた彼女は何度目かのため息を吐いて、立ち上がる。



「抹茶、バニラ、イチゴ、チョコ。どれがいい?」



私は即答で「イチゴ!!」と答えると、彼女は部屋を出ていった。


もう宿題はやらないだろうな。と確信しながら、にやにやと私は彼女が持ってくるアイスを待つ。



アイスも食べ終えると、私と彼女は思っていた通りに宿題はやらずに世間話をした後、お開きとなった。



彼女の家を出て、電車に乗り、その後自転車をこいで十分程度の所に私の家はある。そう、私の家と彼女の家は私達が通っている学校を中心にすると真逆の位置にある。


親友と、はたから見えるような関係になって、私は宿題の為といいながら学校が終わると、週に何回か彼女の家に通っている。


だけれども彼女は私の家には一度も来たことはない。


彼女が来たがっていることは知っている。だけど、まだ無理だ。



私は自転車を降りて、玄関の扉の鍵を開けて「ただいま」と呟きながら入っていく。誰もいない、電気も付いていないリビングを通り過ぎ、自分の部屋に向かう。


部屋の扉を開けて中に入り、電気を付ける。


私の部屋はどちらかと言えば、綺麗だと我ながらに思う。埃も髪の毛も落ちてないしね。


では何故、彼女に嘘をついてまで私の家に呼ばないのかと言うと、怖がらせちゃうかも知れないから……



陶酔しながら私は壁を見る。正確に言えば壁一面に貼られている大量のポスター。


……私が撮った彼女の写真達。



「あっ、そう言えば今日はお宝を発見したんだよね。フフ」



私は鞄から小さい袋を丁寧に取りだし、机の鍵つきの引き出しを開けて、 微笑む。


中には彼女の髪の毛、使用済みの歯ブラシやナプキンなどが入っていて、私の宝物。新たに今日、この中に入れるのは少しちぢれた、彼女の髪の毛よりもとても短い毛。


私はそれを大切にしまい、鍵をかけてベッドに腰掛けて壁に貼ってある彼女の写真を眺める。



「本当に彼女は綺麗だなあ。早く私のモノにしたいよー」



でも、まだまだ早い。計画はまだ始まってもいないんだから……


そう、これから彼女は私がいなくちゃ生きていけなくなるのだから……これが終わったら彼女は私のモノ。


楽しみだなあー。


フフ、フハハハハハ!





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