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寝すぎ26 朝ごはんと、出かけるわよ!――ネルトによく似た。

「よっし! ほら、パフ! スピー! 持ってきたぜ〜! 今日の朝メシ!」


「ありがと! 助かったわ! オジサマ!」


「ネルおじ。ありがとう」


 朝の訓練後に、ぱふすぴぷるにゅんとシャワーを浴びていて、いまは昨日と同じピンクと白、水色と白の縞模様の部屋着に着替えた濡れ髪のパフィールとスピーリアの娘姉妹の代わりに玄関に転送された注文した料理を取りに行っていたネルト。


「な〜に! いいってことよ! にしても、美味そうだなぁ〜! 20年寝てた俺は、こういうの食うの初めてだし!」


 そう言って姉妹と囲むテーブルの上に戻ってきたネルトが並べはじめたのは、ハムや鶏肉、海老や野菜などの具材が盛りに盛られたロングかつビッグサイズのサンドイッチ。


 このタワマンの下層階の飲食店エリアに入っている店舗の一つ、大手サンドイッチチェーンの〈サブマリン〉に特注して転送してもらったものだ。


 ――にしても、薄々気づいてたけど、このふたり自炊とかしねえな? まあ、訓練だのなんだので何かと忙しそうだし、こうして取り寄せるメシもめちゃくちゃ美味いから、なんだっていいけどな。


 ……むしろ今度、俺が腕によりをかけて何か作ってやろうかな? 金ない時期が長かったから寝る前はそれなりに自炊してたし、いまは居候だし。


「じゃあ、みんなで食べましょう! いただきまーす!」


「おう! いただくぜ!」


「ん。いただきます」


 そう思い思いに食前の挨拶を交わすと同時、三人は我先にと具沢山のロングかつビッグなサンドイッチに手を伸ばし食べ始めた。



「ふ〜! 美味かった! ごちそうさん! しっかし、チェーン店だっけか? 寝る20年前も美味い店はいくらかあったと思うけど、正直当たり外れも多かったからなぁ。こんな美味えものがほとんどどこでも味わえるってのは、すげえもんだなぁ……!」


 山盛りのハムとチーズとレタス、照り焼きにした大量の鶏肉と炒めた玉ねぎ、たっぷりの海老とアボカドといった具材が入ったサンドイッチをぺろりと平らげ、三人はしばし食後のコーヒーを飲みながら、まったりとひと息をつく。


 ひと心地ついてから、姉のパフィールが口を開いた。


「……ふぅ。ごちそうさま。さて、じゃあオジサマ、スピー。朝ごはんもばっちり食べたし、今日はみんなで買い物に出かけるわよ!」


「ごちそうさま。ん。わかってる。パフねえ。わたし、先に部屋で着替えてくる」


 そう言って席を立ったスピーリアの、上にダボダボのパーカーしか着ていないため、ちらりとのぞく今日は白の下着のおしりがすぴぷにゅと揺れるのをちらりと眺めつつ、ネルトはパフィールに問いかける。


「買い物って、わざわざ出かけてまで何を買いに行くんだ? 大概のものはマンション管理に頼めばとどけてくれるから、便利(ラク)でいいって昨日さんざん自慢してただろ?」


「べ、別に自慢なんかしてないわよ! ただ、本当に便利だからってだけで……。えーっと、そう! だから、今日は本人じゃないと買えないものを買いに行くのよ!」


「は? 本人じゃないと買えないもの? それって何だ?」


 そのネルトの問いかけに、パフィールはわざわざ椅子から立ち上がり、ぱふぷるんっと胸を張って腕を組む。


「ふっふん! 決まってるじゃない! 配信冒険者デビューするオジサマのための武器と、それを安全にしまうための個人収納空間(ロッカー)よ!」


 ――そして、ネルトによく似た渾身のドヤ笑顔でそう言い放ったのだった。

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