１４話　サラ　王都へ帰還（パミラ付き）

　パミラさんキレー！

　って、昨日の今日でよく王都行きの許可とれたね。

　領主のご息女様だよね？

　大丈夫なの？

　……大丈夫ですか～。

　ならいいんですけど。

　う～ん……綺麗だけど、その恰好だと移動しにくいよ？

　……あ。

　やっぱり馬車の移動ですか。

　う～～。

　私馬車苦手なのよね。酔うし。

　話が盛り上がると平気って言うのは何となくわかったんだけどね。

　やっぱり領主のご息女となったら歩きの旅なんて無理か～。

　コレはどうしたらいいかなぁ……

　……

　……諦めて私が馬車に乗るか歩けばいいのよね。

　あ。私が全力で王都に行って、リリ姉にパミラさんを転移で連れて来て貰うとか……

　……お願いしたらリリ姉ならやってくれるだろうけど……帰った時に私一人だけだとインパクト無いわよね。

　……いや、そういう事じゃないか！

　今回パミラさんを王都に連れて行くのは、パミラさんの思い人が王都に居てその人に会いに行くんだから！

　その初恋の人と引きあわせるのが目的っ！

　動けないパミラさんにヒドイ事しちゃう初恋の人にねっ！！

　…………無いとは思うけど……一応お兄ちゃんに会わせようと思う。

　間違ってたら恥ずかしいから、こっそり行かないとだし……やっぱりリリ姉にお願いするのは難しいよね……

　……はぁ～～。

　大人しく馬車で行きますか。

　え？　もう行くの？

　凄いヤル気なのねパミラさん。

　私ちょっとおなか減ってるんだけど。

　あ。

　はい。

　一緒に馬車で頂きます。

　………あぅ……酔いそう。

　は～い。

　……宜しくお願いしま～す。

＊　＊　＊

　……やっぱり痛いよね

　え！？　ヤダ！　生々しい！

　えええ！　で、え？　どんな感じだったの！？

　えぇ！？　いやだって、そんな鞭で叩かれる経験なんて私無いしっ！

　うそだぁ～！　そんな風にならないって！　だって鞭だよ？

　しかも縛られて動き取れないんでしょ？

　……いや、それが良いのじゃなくて。

　ウットリしないの。

　で、で？

　……パミラさんて突然変な所で興奮するよね？

　いやいやいやいや、ウットリしてないでもっと聞かせてよ。

＊　＊　＊

　えっ！？

　うそ！？

　なんで？

　もう王都ついたの？

　あ。しかももう衛兵さんと王都入る手続き始まってるし！

　……あれぇ？

　ご飯食べたり、寝たりしたような気もするけど……あれぇ？

　そんなに時間経ってたっけ？　おかしいなぁ。

　パミラさんの初体験の話とか秘密特訓の話とか色々聞いてただけなのになぁ。

　あれぇ？

　……

　……まぁ、でも酔わなかったし、楽に帰ってこれたから良しとしますか。

　さてさて衛兵さん、ただいま～。

　あ？

　……私勢いに任せてジャンプして出てきちゃったから、王都から出たことになって無かった！

　あれ～？　ごめんなさい。

　はーい。

　ランク『金』の自覚をちゃんと持ちまーす。

　そうですね。

　ただでさえ少ない金ランクの持ち主はちゃんとしなきゃですね。

　は～い。

　ごめんなさい♪

　てへっ♪

　…………なんでビクビクするのよ。

　どうせ、金ランクの女は可愛くないですよ。

　ふんだ。

　いいもん！

　さっ、パミラさん！

　とりあえず私の家に向かおう！

　確認してほしい事があるの！

　……

　お兄ちゃん居るかな？

　……思い過ごし。

　きっと思い過ごし！