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獣人メイちゃん、ストーカーを目指します!  作者: 小林晴幸
8さい:はじめての護衛依頼(強制)
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8-7.ヴェニ君の奥の手

神様のえこひいき発動。

 


 本人にはどうしようもない生まれ持った特性により、死線送りの憂き目に遭っているヴェニ君。

 このままでは巻き添えを食らうと、投げだされた御者さん。

 ヴェニ君が狼の注意を引く囮となっている間に、何とか目的……お嬢様の救出は急ピッチで進められました。

 ほとんどの狼はボス個体に従い、ヴェニ君に殺到しています。

 お陰で手薄になった隙に、お嬢様は鬚騎士の懐に保護されました。

 お馬の2人乗りはちょっと速度が落ちるけど、止むを得ない。

 重篤な状態にあるヘリオスさんと御者さんも、ついでに護送してもらおう。


「君達はどうするんだ!?」

「え、メイたち?」


 どうするもこうするも、ねえ?

 我らが敬愛する師匠が必至こいて狼の相手をしてるっていうのに。

 それを置いて何処に行けっていうのかな。

 いや、自分の命を大事にするなら、ここで逃げるのもありだけど。

 でもいざとなったら、私達の身軽さなら自分の身くらい自分で何とかできるかもー……って。楽観的かも知れないけど、自負がある。

 素直に言うと、感情の問題。

 ただヴェニ君を放って逃げるような薄情な真似が出来なかった。

 あう……こんなんじゃ、またメイ、道徳っぽい科目のテストで赤点もらっちゃうよ。

 でもそれもまた良いかなって。

 無謀に走るつもりじゃないけど、そう思ったの。

 せめてヴェニ君が逃げ出すとっかかりくらいは、弟子の私達が作らないと!

 

 スペードとミヒャルトはなんでか不満そうだったけどね!

 しきりとメイだけ逃げるように勧めるのは止めようよ! 

 メイちゃんだけ仲間外れとか泣いちゃうよ!?


 それに現実的な問題もあったし。

 

 馬がね、足りないっていう。

 いや、全員に2人乗りないし3人乗りを強要したら私達も乗れないことはないと思うの。

 単独で乗馬出来ないから、必然的に誰かの後ろに乗せてもらう格好になるのはわかりきってるし。

 でもさ、狼はほとんどがヴェニ君に向いているとは言え……こっちを狙っているのがいない訳じゃない。

 ここでただ逃げ出しても、追いかけてくるだけ。

 そうなると、馬の重量問題は深刻に響く。

 逃げる時は軽量化が基本だよ!

 

 それに、追いすがる狼達を牽制する子も必要だよね?

 露払いは自分達で出来るだろうけど……追いかけようとする悪い狼さんは、メイちゃん達が食い止めないと!

 羊さんだって時には狼さんを蹴り殺すって教えてあげるよ!

 だってそれが、私達に課せられた『護衛』のお仕事ってものだよ?

 だから私達は、足手纏いにならない為にも一緒には逃げられない。

 精々お嬢様達が遠くに逃げたのを確認してから、散開してバラバラに逃走するとか?……ちゃんと、夢を果たすまでは死ねない。

 ちゃんと私は生き延びてやるもん!



 ……と、そんな流れで。

 後ろ髪を引かれる様子を見せながら、護衛さん達はお嬢様を回収して馬ダッシュで逃げました。

 どうぞ彼らが無事に生き延びますように!



 他人の心配ばかりはしていられないけれど、一先ず安心?

 この場を離脱した彼らの心配は……これ以上はしても仕方がない。

 先行きは暗いけど……今は自分達の心配に専念しないと!


「くっ……こうなったら、奥の手出すか」


 狼達の狙い打ち☆から身軽に逃げ回りつつも、ちゃっかり手にしたボウガンで狼達を狙撃していたヴェニ君。

 だけどやっぱり切実に、打開策を求めて悩ましげ。

 というか、雑魚狼はともかくボス狼に矢が通用しないっぽい。


「あの野郎、毛皮で弾きやがる……!」


 皮が厚すぎて、矢が通らないんだってさー……!

 ヴェニ君はボウガンに見切りをつけ、背に負い直しました。

 今にして思えば、だけど。

 もしかしてヴェニ君がボウガンで後衛を買って出ていたのって……もしかしたら、強めの魔物との相性が悪いって自覚していたから、かもしれない。

 なるべく魔物に近づきすぎないで良いよう、距離を取って戦える武器を選択していたって側面もあると思う。

 でもそのボウガンを、下げた。

 代わりに装着したのは……あれ、なんかアレ前世で見たことある。

 …………昭和のヤンキー漫画とか格闘ゲームで。

 アレって、もしや、バグナグってヤツじゃ……。


「もしかしてヴェニ君の奥の手って……接近戦!」


 見た目からしてすっごい殺傷力強そうな近接戦闘用武器だよね!

 だからきっと……そういうことだよね!?


「ちげぇよバーカ!!」


 ……あれ、否定された。

 しかもヴェニ君ってば余程切羽詰ってるのか、いつもより口調が投げやりって言うか乱暴って言うか。

 どういうことだと眉をひそめる、3匹の弟子。

 困惑する私達に……というかピンポイントでスペードを指名して。

 私達が思いもよらぬことをヴェニ君は言い出しました。

 

 襲いかかってくる狼達を、その拳で黙らせながら。

 武器から突き出た鋭い爪で、顔面潰しちゃったりしながら。


「スペード!」

「えっここで俺ぇ!?」

「てめぇ以外にスペードがいるなら言ってみろ! 良いから黙って聞け……お前、『獣性強化』に挑戦したことは!?」

「ヴェニくーん!? いきなり何言い出した! んなもん、試したことさえねーよ!」


 スペードがぎょっとして、慌てふためています。

 でも、気持ちはわかるよ。

 そのくらい、ヴェニ君が言いだしたことが飛んでもなかったから。


 私達は獣人という種族。

 獣の性質を生まれ持った人です。

 内包する獣性を操作することは、獣人であれば大なり小なり出来ること。

 どうやらその獣性制御に魔力を費やしているらしいので、無制限に出来るって訳じゃないけれど。

 段階として最初に覚えるのは、肉体の一部の獣性を高めて変質させる『部分獣化』。身体の一部だけ獣にしちゃう技です。

 次の段階は『完全獣化』。獣人は獣の性質を持っていても『ヒト』なので、本物の動物じゃない。そこを全身の獣性を高めることでほぼ完璧な獣へと変身することが『完全獣化』。

 ここまでは私もミヒャルトも、スペードも出来ること。

 でも人によっては大人になっても出来なかったりする。

 ……というか、出来る人の多くは大人になってから覚えるんだけど。


 その上の段階に、獣性を完全に隠蔽してほとんど人間と見分けのつかない姿になる『獣性隠蔽』。

 ヴェニ君は日常的にやってたけど、それってとんでもないこと。

 獣性を完璧に制御しきれないとボロが出るし、難しいから時間が保たせるのは大変だし、とってもとっても難しい。

 一生かけても出来ない人だっているくらい。


 そうして、『獣性強化』。

 獣人の最終奥義的な位置づけの、最も難しい制御技。

 これはメイもよくわかってないんだけど……。

 体内に宿る獣性を極限まで高め、半暴走させながら強引に強化させる……みたいなイメージ?なのかな?

 自分の持っている獣性を最大に引き出すらしい。

 とりあえず超力技。


 まだ私は『獣性強化』を実際に見たことがない。

 それに出来る人が本当に少ない……というか幻に近い奥義なので、詳しく知っている人があんまりいないんだよ。

 もしかしたらパパは出来る……かもしれないけど、教えてくれる気はしない。

 『ゲーム』で、ヴェニ君が必殺奥義として発動させてたけどね!

 その時、ヴェニ君は巨大なうさぎさんになって、物凄い飛び膝蹴り15連撃を繰り出していた気がする。


 だから、たぶん。

 予想では巨大な獣に変身して、強化された身体能力で超必殺技☆炸裂!!みたいな……?

 ……で、なんでそれをスペードに求めるのかな?


「ヴェニ君、俺は『獣性隠蔽』すら出来ねぇんだぞ!」

「あ゛? やる前から諦めてんじゃねーよ!! 『隠蔽(そっち)』が出来なくても『強化(こっち)』は出来るかもしれねぇじゃねーか!」

「段階踏まずに無理だって! っつうかなんで俺ぇ!? ヴェニ君がやれば良いじゃん!」

「俺のは諸事情あって狼とは相性悪ぃんだよ! 兎だぞ、兎! 草食動物だぞ。舐めんな、対抗手段が逃げ足しか思い浮かばねーよ!!」

「嘘だ! 絶対に嘘だ! ヴェニ君対狼ならヴェニ君の方が強い気するし!」


 何やら師弟で醜い押し付け合いの様相を呈してきました。

 それでもヴェニ君の手足は(たゆ)まず襲いかかってくる敵をタコ殴りにしているあたり、流石だと思う。

 でも大きすぎるボス狼の攻撃は、避けるしかないみたいだけど。

 そんなボス狼に、ヴェニ君はスペードを当たらせようっていうのかな。

 命がかかっているからか、ヴェニ君は気迫に満ちた真剣な顔。

 いつになく強い眼差しが、スペードを確かに射抜きます。


「良いか、スペード。良く聞け……お前なら出来る」

「根拠は!?」

「ない」

「駄目じゃん!! 駄目駄目じゃん、それぇ!!」

「……いや、無謀って訳じゃねえんだぜ?」

「どっからその自信がくるの、ねえ師匠!?」

「お前は……ほら、あれじゃん? 普段っからひょいひょいころころぽんぽん狼形態とヒト型形態使い分けまくってんじゃねーか。あの頻度で自然と習熟してるだろう獣性の操作技術を思えや。今この場で1番獣性操作に長けてんのは間違いなくお前だって」

「なん……そ、そんな言葉に騙されたりなんかしねーから! それ言うなら、普段っから『隠蔽』状態で日常生活送ってたヴェニ君の方がよっぽどだろ!?」

「チッ……つべこべ言ってんじゃねえよ!!」

「……っ」

「俺が出来るって言ったら出来るんだよ、てめぇは師匠の言葉も信じられねぇのか!」

「だ、だってな? ヴェn……」

「俺はお前なら出来ると知ってる。そう信じている」

「ヴェニ君……っ」

「師匠の俺が、アルトヴェニスタ・クレイドルが出来るって断言してんだ。師匠(おれ)が出来るって言ってるんだから信じろ、弟子ぃ!!」

「!! は、はい……っ」


 おっと……。

 一連の流れは、怒濤の勢いで。

 こっちが口を差し挟む隙もないくらい、2人ともお互いに互いの言葉を食い合うような勢い任せのモノでして。

 早口言葉でも聞いてる印象だったけど。

 ついに、勢い勝負でスペードが競り負けました。

 というか、ヴェニ君の強い断言口調に食われちゃったのかな。

 ……うん。

 出来る訳ないって、スペードは自分でそう主張していたのに。


 何故か今、ヴェニ君の言葉に従ってチャレンジタイムに突入したよ。


 スペード……そして、ヴェニ君。

 2人とも、それで良いの……?

 私の隣では、ミヒャルトも呆れ顔。

 顔を引き攣らせて、「単純過ぎだろ、馬鹿犬」って呟いたのが聞こえたよ。


 そうして、スペードは何故か素直に沈思黙考状態。

 危ないので、私とミヒャルトで庇います。

 ヴェニ君に発破かけられて、真剣に挑戦しているみたい。

 己の中に沈みこみ、内なる自分とでも対話を試みている。

 どこぞのバトル漫画みたいに。

 

 でもこれが、ヴェニ君の奥の手。

 これが切り札だというのなら、これにヴェニ君が賭けるというのなら。

 弟子として、私もその道を支持するしかないよね。

 だから私は。

 出来るかどうかは、置いといて。

 とりあえず、スペードに声援を送る。

 殺到してくる狼達を、槍を振り回し、蹴散らしながら。


「スペード……ペーちゃん、頑張ってー!!」


 その時。

 脳裏で再び、聞き覚えのある声がした。


(――メイファリナ? メイファリナ、聞こえますか?)

 は……っセムレイヤさま!?

(私は直接下界に関与は出来ぬ身ですが……貴女方の受難、志を同じくする同志としてとても放置は出来ません)

 え、どういうこと?!

(ここがギリギリのラインですが……少し、手助けしておきましょう。知っていますか、メイファリナ。私は元々……獣人達の神でもあったのですよ)

 え、え、えっ!?

 セムレイヤさま、セムレイヤ様―!?


 意味深なことを言うだけ言って、セムレイヤ様の通信は途絶えた。



   ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


 

 ふかく、ふかく。

 自分の中の獣性を見つめて考える。

 どうやったらこの状況を切り抜けられるのか。

 焦って感覚が滑る……気がする。

 どうにも上手くいかない。

 そもそも『強化』ってどうやりゃ良いんだ?


 俺は深く考え込みながら、手詰まり感に絶望しかけてた。

 そんなとき。


「スペード……ペーちゃん、頑張ってー!!」


 メイちゃんの声が聞こえた。


 声が聞こえたと、そう思った後に……

 なんだか呼応するように、温かい感覚が広がる。

 まるで……柔らかなお日様の光に包まれるみたいな。

 すっげえ、あったかい。

 眠りたくなるくらい、ふわふわした安堵の感覚。

 誰かの大きな愛を感じた。


 これ、もしかして…………メイちゃん?


 声と、俺を包んできた温かな何か……『力』と。

 タイミングを思えば、この力はメイちゃんだろうかって。

 そう思った瞬間。

 俺を包み込んでいた『力』が、一気に流れ込んできた!

 かちりと頭の中で、何かが噛み合って。


 どくん。

 

 胸の奥で、心臓がひときわ強く高なった。

 そんな気がした。



   ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


 

 ぽかん、と。

 私は、ぽかーん……と。

 間抜けにも大口を開けて固まりました。

 ついでに言うと、私の隣でミヒャルトも大きく口を開けていました。

 心なしか、ミヒャルトの毛が若干逆立ってる。

 うん、そのくらい吃驚したよね。


 スペードがヴェニ君の無茶ぶりにより、強制トライした『獣性強化』。

 結果を言えばそれは…………たぶん、成功?

 っていうかあれって、『成功』って言っていいのかな?


 戸惑いと共に答えを求めて、ヴェニ君を見ると。

 我らが師匠は「ふぃ~っ」と息を吐きながら額の汗を拭っていました。


「まさか本当にやるとは……」

「って、ヴェニ君ちょっとぉ!?」


 その感想はスペードがあまりに哀れだよ!?

 どれだけ吃驚すれば良いのか、驚きの連続にそろそろ疲れてきました。

 情けない顔でヴェニ君を見る私に、しれっと太々しいヴェニ君。


「あいつ、どんだけ単純なんだろーな」

「煽ったヴェニ君が言っていいことじゃないと思うのー……」

「でもほら、あいつって単純過ぎて……こっちがやれるやれるって発破かけたらマジにやりそうな面がねえか? こう、『豚も煽てりゃ木に登る』的な……」

「言いたいことはわかるけど! わかるけどー!」


 スペードが大きな成長を見せたことで、余裕が出来たのか。

 ヴェニ君がにやっと笑うのに対して、私はちょっと涙目で。

 うん、半分くらい泣いてる状態で。

 どうにもならない感情のまま、びしっと遠い存在になってしまったスペードを指さしました!


「ヴェニ君あれ、どうすんのー!!」


 指さした先には、スペード……だったモノ。

 一言でいえばアレって……いや、なんて言えば良いんだろう。

 少なくとも、私にはただの狼に見えない。


 超巨大な、合成獣(キメラ)に見えた。


 そのベースは狼のまま。

 だけど大きく逞しく巨大化した狼の背には、白い『翼』が生えていた。

 ついでに言うと胴体の右側には、首の半ばから肩、前足、脇腹までを覆う『鱗』……。

 ねえ、あの姿ってどういうこと。


 そこには狼に見えない狼がいました。

 スペードの身に、何が起きたの。


 唖然とする私やミヒャルトに、この場で最も『獣性強化』に関する知識を持つだろう人が……我らが師匠が呑気に教えてくれたことには。


「……『獣性強化』っつうのは、体内に持った『獣性因子』を見境なく全部強化しちまうんだよな。つまり隔世遺伝で子孫に伝わるような、他の強い因子に紛れて隠れちまってるようなヤツも」

「つ、つまり?」

「より多くの獣人種から血を継いでりゃ、その分より多くの因子が活性化するなぁ。純血や単一種の血しか保有してなけりゃ、たった1つのそれが滅茶苦茶強化されるが……混血、つまり雑種ほど『強化』してみりゃ『化け物(クリーチャー)』ぶりを発揮するという……」

「やらせた本人が化け物って言っちゃったよ!? ヴェニ君ひどい!!」

「ま、慣れてくりゃ強化する獣性もある程度は本人の意思で調整が可能だ。慣れねぇ内は有象無象の因子も束ねて、どれがどんだけ強化されんのか本人にも未知数っつう博打感覚に近い結果が出るがな。複数種の混血は『強化』する度に違う姿になったりするらしーぜ」

「ヴぇ、ヴェニ君……まさか、さ? まさか、だけどさ? あの……もしかして、わかっていてスペードをけしかけた?」


 恐る恐る、と。

 若干顔を引き攣らせたミヒャルトの問いに対する、ヴェニ君の答えは……。

 

 ……それはそれは麗しい、華やかな満面の笑みでした。


 ヴェニ君こわい。





 ペーちゃん……それはメイちゃんではなく、セムレイヤ様だよ。(犯人)



前回のクイズの答え:全部。

 

ヴェニ君が知っていた事実。

 スペードのお宅が代々交易都市『アカペラ』に住んでいる一家であること。

 つまり長いこと多くの流通と人種の交わる街に根を張っているだけあり、複数の獣人の混血である可能性が高いこと。

 ちなみにスペードの白い翼は鶴、鱗はセンザンコウ。


 ちなみにヴェニ君はうさぎさんオンリー。

 ミヒャルトは猫の因子。でも猫の因子って遡れば『山猫』だよね?と。

 メイちゃんは羊がベースだけどママンの出身が『羊と山羊と鳥獣人の里』だから色々と怪しい。あとパパの馬も確実。


 さあ、メイちゃんが『獣性強化』を会得したらどんな化け物(クリーチャー)に……

メイちゃん

「メイ、絶対絶対絶対に化け物なんかならないもんー!! 『獣性強化』なんて絶対絶対やらないんだからー!」


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