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魔力チートな魔女になりました~創造魔法で気ままな異世界生活~  作者: アロハ座長
3章【荒野に住まう魔女と幼女】

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30話【繰り返す出会いと別れ】


 私とテトは、セレネの住む離宮と繋がる転移門の機能を停止し、遠隔操作で自壊させた。

 そして、【虚無の荒野】から王都の借家に転移して、そこで設置した転移門を回収し、王都から旅立っている。


「魔女様。セレネに渡した指輪は、なんなのですか?」


 Aランクの昇格試験も終わり、セレネも本当の親元で暮し始めた。

 もう王都にいる理由がないのでさっさと出てきた私に、テトがそう尋ねてきた。


「ああ、あれね。あれは、【創造魔法】で創った守護の指輪よ」


 具体的な効果は、周囲の魔力を少しずつ吸い集めて、なんらかの危害が加わった際には、溜め込んだ魔力を利用して解毒や結界、治療などが行なわれる高性能な魔導具だ。

 更に、本当にどうしようもなくなった時には、私の持つ【虚無の荒野】の管理用魔導具の座標に強制転移し、私に連絡が入るように指輪に力を持たせてある。

 ぶっちゃけ、緊急脱出装置だ。


「まぁ、セレネが困った時の道具よね」

「むぅ。セレネだけ魔女様からそんなものをもらって羨ましいのです」

「いつも私とテトは一緒にいるから要らないでしょ?」


 子どもっぽく羨ましがるテトに私が宥めるが、それでも私が創った何かをセレネがもらったことが羨ましいようだ。


「それでも、なんだか羨ましいのです」

「それじゃあ、テト。しばらくしたら、テトの希望の魔石の食べ放題の場所に行きましょうか」

「良いのですか! やったぁ、なのです!」


 まぁ、ラリエル神の依頼の場所に関わり合いがあるらしいが、そう言ってテトを納得させるのだ。


「寂しくなるのですね」

「ええ、でも私たちの人生には、これからこういうことが多いんでしょうね」


 確かにセレネとの別れは寂しい。

 ぶっちゃけ、離宮と繋がる転移門を遠隔操作で破壊した後は、後悔と別れの寂しさで盛大に泣いた。

 テトに慰められて、泣き疲れてテトの腕の中で眠った。


 不老化してしまった私と寿命不明のゴーレム娘のテト。

 これから様々な出会いや別れ、変化があるだろう。

 その変化を楽しみ、また寂しく感じるだろう。


「まぁ、とりあえず【虚無の荒野】に戻らないとね。――《テレポート》!」


 王都の借家に設置していた【転移門】をマジックバッグに回収し、王都の各所に挨拶した後、王都から出てしばらく歩いた人目がないところで転移魔法を使う。

 軽い浮遊感と共に、荒れた大地とぽつんと立つ家に辿り着く。


「王都から【虚無の荒野】まで片道の転移で私の魔力じゃ足りずに、【魔晶石】の魔力も使ったのね。結構、キツイ」


 その場でしゃがみ込み、久しぶりに大量の魔力の消失にぐったりとする。

 片道、約30万魔力だろうか。気軽には使えない。

 それに制限としては、一度行ったことがある場所や転移先の座標となる目印が必要になる。

 例えば、馴染みの場所やセレネに渡した指輪などがそれになる。


「さて、帰ってきたわね。けど、なんか変な感じね」


 毎日寛いでいるが、【転移門】からの帰還ではなく、家の前に転移して家の扉からの帰宅はまた違った感覚を覚える。


「さて、冬前に間に合ったし、春先まで休んで、来年頑張りましょう」

「おー、なのです」


 こうして、私は、テトと一緒に家に帰るのだった。


 …………

 ……

 …


 そして、6年後――私は、イスチェア王国の王都の教会の鐘撞き塔からその景色を見下ろしていた。


『おめでとう!』の祝福が人々の口から紡がれる光景。

 その日、一組の新郎新婦の結婚式が行なわれていた。


「綺麗ね、テト」

「はいなのです! 本当にセレネは、綺麗に、大きくなったのです!」


 今日の結婚式は、私たちの娘であるセレネの結婚式だ。

 この六年間を、セレネは無事に過ごした。

 多くの人に支えられ、指輪の効果が発揮されることなく今日という日を迎えた。

 新郎は、【虚無の荒野】に近い辺境の領地を持つリーベル辺境伯の息子さんだ。


 辺境で魔物が多く、また獣人国との国境に近い地域だ。

 セレネの生い立ちを考えれば、獣人差別のない価値観の持ち主。

 魔物との戦いが多い辺境という土地柄に、高度な治癒魔法の使い手の必要性。

 更に、私たちの拠点である【虚無の荒野】と距離が近いという点。


 それらの理由があって、セレネは、リーベル辺境伯の家に嫁ぐことになった。


「立派な淑女になって、嬉しいわ」


 美しいウェデイングドレスを身に着けて綺麗に着飾った大人のセレネを見られたことは嬉しく思う。

 それと同時に一番女性として花開く時期を間近で見られず、そして身長や胸を追い越されてしまった寂しさがある。


「素敵ね。それじゃあ、私から贈り物をしましょうか。――《イリュージョン》!」


 幻影や変装を生み出す光魔法を結婚式のこの場に映し出す。

 それは舞い降る幻のフラワーシャワーだ。

 退場する新郎新婦の頭上から降り注ぐ大量の花吹雪の祝福に、多くの人たちが感嘆の声を漏らす。


「……お母さん? テトお姉ちゃん?」


 そして、その幻のフラワーシャワーがどこから降っているのか空を見上げたセレネと新郎のリーベル辺境伯子息が空を見上げ、鐘撞き塔から見下ろす私とテトを見つけた。


「セレネ、結婚おめでとう」

「おめでとうなのです」


 私は、セレネの耳元だけに祝いの言葉を届けた。


「来てくれてありがとう、お母さん、お姉ちゃん」


 そして、セレネの言葉を魔法で拾い上げた後、私とテトは、その場から転移して帰るのだった。

 後には、大勢の人たちに祝福される新郎新婦の結婚式だった。


読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 確かにこれは必要もないのに無理やりのお別れの話ですね。 この小説、全体的には好きなのに、たまにこういうことあるからな...... せっかくの一人娘なのに、魔力を増やして不老にするのはや…
[一言] セレネ幸せになって欲しいね。いつでも、チトとテトが会いたいときに会えればいいと思うね。商人として会っても良いし、方法はいくらでもあると思うな。
[良い点] セレネちゃん、結婚おめでとう!! 条件だけでみると良いお相手ですね! また直接会えると良いね…
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