第95話 いざ地上へ
「こんな鉄板、どこで使うんだよ……肉焼きは網でできるんだけど……」
「まぁそれはプレゼントだから持って帰れ。肉いつも焼いてるからエエじゃろ。あと魔剣が10本ほどあるからそれも持ってけ。ヒト族でも欲しがる人はおるじゃろ」
「げ、魔剣もかよ」
「なんじゃ?本数が少ないか?」
少ないんじゃない、多いんだよ!
世界に魔剣がゴロゴロあるような言い方しやがって……
日本でも10本あるかないかだし、世界も含めると100本ないはずだよな?
それを10本って、世界の一割だよ一割。
俺でも頭がいたくなるやつですよこれは。
アイテムの中に上級ポーションがあったので福崎さんとかの分まで持って帰ろ……
「はあ……オッケーオッケー。持って帰るよ、バッグに詰めるの手伝ってくれ」
「おう、そもそもお前さんのもんだ。また来たときにでもごっそり持って帰れよ。ティアラやネックレスは奥さんにプレゼントしろよ?昔の王族がつけていた宝飾品だってあるんじゃから」
「それ呪われてない?対呪いのアイテムとかあるなら一緒に持って帰るぞ?」
ま、嫁にプレゼントするアイテムは今日は別で集めてるから大丈夫なんです。
アイテムをバッグに詰めている間にコメントを確認。
あれ?コメントが止まってる?
「……あれ?配信止まった?配信停止ボタンとか押しちゃった?」
「ん?はいしん終わったんか?」
:……はっ!ドラゴンの素材の山が消えた!
:脳が、脳が追い付かない
:アイテムバッグって初めて見てコメントできなかった
:草しか生えない
:へ?
:マジ?
:国家予算規模の金額が動きそうで草
……うん。みんな正常だったな。
どう見ても一個人が手に入れる素材の数ではないもんな。
それに魔剣も貰ったし、これギルドに持ち込んだらどーなることやら。
一晩で世界一の大金持ちに!
……なれそうで怖いな、うん。
「……とりあえず謝っとく。ごめんなさい」
そういって配信を終了した。
後でアニーに聞いたら同接50万人超え、月間ランキングダントツ一位の配信になったそう。
うーん、すごいね。
さすが深層ネタですね。
……ほんと、なんでスパチャ設定忘れたんだよ、俺!




