第92話 謎のモンスターの正体
緑茶を飲んでいて、大事なことを聞くのを忘れてた。
……そういえばギルドからの調査があったんだった。
聞かなければならないこと……ドラゴンゾンビの件だ。
白川ダンジョンの深層に手負いの状態にしたモンスターがいるはず、それの確認と出来れば討伐の依頼があったんだった。
あと金峰山ダンジョンのスカルドラゴンも手負いだった。
再生能力が高い二匹を同じ攻撃箇所で攻撃されていることは確認済み。
その2点、俺の予想が正しければ恐らく……
「……なぁなぁ、トミー。お前に確認したいことがあってな。最近熊本に来て、ドラゴンゾンビとかスカルドラゴン、ぶっとばしてね?」
「んー?ドラゴンゾンビとスカルドラゴンか?……あぁ!そういえば儂が鉱石掘ってる時にあまりにも吠えてきたからハンマーで頭かちわったわ。最初空を飛んで襲ってきたから試し切りもかねて羽を切り落としてからガツンと一発、お見舞いしてやったわ」
ふははは、と笑い飛ばして来るトミー……
……やっぱり犯人こいつだったか!
「……やっぱりお前かー!!!」
「ん?何かあったか?」
何かあったか?じゃねえーよ!
白川ダンジョンは氾濫しかけてたんだからな!
「なんでしっかり討伐してないんだよ!お陰で下層まで出てきてたんだぞ」
「あ、それはすまんな。生憎神聖武器は作ってなかったからの。粉微塵に切るにしてももう年じゃしな。まぁ弱ってたら勝手に死ぬもんじゃと」
「年って言ったってな……てか、アンデッド系が勝手に死ぬわけねぇだろ……」
:ドラゴンゾンビぶっ飛ばすじじいとかバケモン
:いや、人間じゃないんだから
:巨人スゲーwww
:氾濫しかけてたってのはネットニュースで見たけど原因がいたとは……
:神聖武器なしでアンデッドにダメージ与えられるの??ちょっと試してみようかな……〇イオ@D3G
:イオたん、そっちはダメだ
:イオ、いくな!戻れなくなる!
「とりあえず、下層に出てきてたやつは討伐したけど、他にはいないよな?」
「うむ、あやつらだけだな。他のやつはワームのエサにしてやったわ」
「…あ、はい」
なんでも食べるタイラント・ダンジョン・ワームって本当に便利だよな。
謎のモンスターがトミーであることは分かったので、討伐する必要もないな。
その事を伝えたら今後はしっかり止めを刺すことを約束してくれた。
トミー曰く、あれだけのダメージなら深層内で倒れると思ってスルーしてたそう。
俺の仕事はこれで終わりかな。
報告書もこの配信で問題ないでしょ、多分。




