第84話 深層へ
「……そういえば、この前の件どーなりました?」
「なんの話です?」
「ドラゴンゾンビの件です!深層のモンスターであるドラゴンゾンビを手負いにした謎のモンスターを討伐するって依頼出してますよね!」
……はい、すみません。忘れてました。
今日は白川のダンジョンに来てる。
受付は久しぶりに福崎さんだ。
「正直、金峰山ダンジョンのスカルドラゴンの件もあるので早めに調査していただきたいところなんですけども!」
「あー、あれでしょ?多分あれかなーという目星はついてますよ。まだ確証はないですけど」
「……伺っても?」
「そこは今日配信でしゃべろうかと思ってですね。ヒントとしては深層7区、あそこにありますね」
今日の配信のメインイベントだからここではしゃべりたくないんだよねー。
というより福崎さん受付にいても配信見てるしね。
仕事してください?あ、ちゃんと探索者さんも一緒に大画面シアターで見てる?
……いつそんな設備白川ダンジョンに作ったんすか。
ライブビューイングは聞いてないって……
「はぐらかされる気しかしないんですけど。あれ?金峰山ダンジョンも後で行かれる感じですか?」
「いや、多分予想があってるなら今日全部解決するかと。ちなみにドラゴンゾンビの討伐した状況って詳しくわかります?」
「ちょっと待ってくださいね……っと。これですね」
受付の奥から紙の束を渡してくれた。
『ドラゴンスター』『難波晴風』の討伐記録だ。
ドラゴンゾンビが手負いとは聞いていたけどどういう傷をおっていたのか把握してなかったんだよね。
さてさて、俺の予想通りだといいけどねー……
報告書を読んだ限り、ドラゴンゾンビもスカルドラゴンとほぼ同じ傷を負ってた。
具体的には片翼から前足までが喪失、顔面にダメージを受けている形跡があったこと。
うん、ここまで一緒なら予想通りだ。
「資料ありがとうございます。ほぼほぼ予想通りでした」
「では今日解決できるんですね。今から配信が楽しみです」
「あ、解決ついでに、とんでもない爆弾放り込む予定なのでよろしくです!」
「今からフラグを立てないでくださいよ!ただでさえスカルドラゴンの件で国から質問責めなんですから!」
「大丈夫ですよ。ちょっと世紀の大発見を公開するだけなので」
「今日は胃薬常備してないんですよ!」
「あ、じゃ帰りにポーション持って帰りますよ。上級ぐらいでいいですか?」
「嫌がらせすぎる!!!」
ポーションは効能がいいほうがいいですからね!




