第53話 雑談 深層の季節
深層の季節は4つ。
繁茂期:植物系モンスターや草食モンスターが多い時期。比較的平和で回復系の素材が豊富
獣皇期:繁茂期で増えた草食モンスターを食べるために肉食モンスターが出現しやすい弱肉強食の季節。ドラゴンなんかが出やすいのはここ
毒霧期:死んだモンスターから生じる瘴気がダンジョン全体を包む毒の季節。正直ドロップアイテムも少ないし、毒耐性がないと10分も耐えれないのでおすすめしない。
「で、最後の宝玉期なんだけど、これが今の季節なので潜ったときに教えようかなー。着いた時の感動を味わってもろ手」
:えーここまで教えておいてそれはない
:詳しく知りたいなら視聴しろってことか
:普通に有益な情報だった。
:深層の情報とか金つまないと手に入らないしな
ダンジョンを生き残るためには情報は必須。
有名チームは探索してるダンジョンの情報を売って生計を立ててたりもするからバカに出来ない。
「まぁ俺はEランクが長かったし。情報を小出しにするよりは他の人も探索を安全にして欲しいからねー。そもそも深層に入れる人が少ないけどね」
:それなー
:上位ランカーでも下層までだもんな
:その辺はギルドの落ち度でもあります。申し訳ないです〇日本ギルド本部
:公式も謝って草
「あらたさーん!……覚悟できました!!!」
「……お願いします」
「もーシオンちゃんー。顔がかたいよー。あらたさーん。ちゃんと無事にエスコートしてくださいねー?」
「もちろんです。じゃいろいろバフかけるのでそこでじっとしててくださいね」
とりあえず考えられるリスクを最大限にケアしないとね。
衝撃緩和、落下ダメージ無効等々、一人一人丁寧に魔法をかけていく。
いやー、魔法って万能ですね。
魔力消費があるとはいえ高層ビルから落ちるレベルの衝撃を無効化できるなんてね。
「うわー……こんなバフ見たことないよ……」
「……これってモンスターのダメージも無効にされません?」
「そやねー。オーガの攻撃程度ならシオンさんの盾でガードするとノーダメではじけると思うよ」
「それはー……ートってやつではー?」
ま。まぁアイドルですし?
傷つけて返すわけには行かないので!




