第365話 エビチリ
「うーん!このエビチリ!ピリッと辛いけどご飯に合うんですよ!」
「麻婆豆腐も子どもには食べさせられないぐらい辛いけど大人ならパクパク食べれるねー」
「後で作り方教えてください!うちでも作りたい!」
「麻婆豆腐はうちの秘伝だからダメですねー。エビチリなら教えれるので作り方を教えましょう!エビとかあります?」
パンケーキカウのハンバーグを食べてから庭に戻るとなんだか人だかりが。
ご近所の奥様グループとミミ、リリ達が万福寺さんの麻婆豆腐とエビチリをパクパク食べてるところだった。
エビチリ、美味しそうだよねー。
俺、アレルギーじゃないけどエビが食べれないんだよね。
子どもの頃エビフライを尻尾ごと食べて口の中切ってからトラウマなんだよ。
殻なしで1口サイズなら何とか食べれるようにはなったけど未だにダメです。
ちなみに殻付きということでカニも無理。
口の中は大事にしないとね。
「海老なら確か……あらたー。エビってどこに置いたっけ?」
「エビ?……あれはグラタンにしてるけど残ってたかなー」
「あー、あのエビか……」
「あれはエビチリには向かないんじゃなーい?」
「……一体どんなエビを持ってきたんですか?」
万福寺さんが引き攣っている。
そんなにビビらなくても……
まぁ、エビ……というよりはロブスターだから伊勢海老か。
てことで、ヘビータンクロブスターの切り身を万福寺さんに見せる。
殻から取り出して半分はグラタンにしてまだ残ってたんだよね。
グラタンは1度作ってから冷凍庫に凍らせてお持ち帰りにする予定だった。
流石にヘビータンクロブスターをそのままコンロに置いて焼くと時間がかかるからね。
殻ごと焼くと6時間ぐらいかかるんじゃないかな?
「切り身にしてると普通の伊勢海老と変わらない味なんだっけ?俺食べてないのでわからんす」
「伊勢海老なんて!そんな規模じゃないよ!しっとり滑らかな食感、噛めば噛むほど湧き出る美味しさ!これ食べたら他の伊勢海老食べれなくなるよ!」
「……まぁゆりが熱弁する理由もわかる気がするけど」
「そこまでじゃない?伊勢海老も美味しいよ?1匹で1人分だし、料理しやすいし」
ゆり、エビ好きだもんなー。
ミミとリリが引くぐらい熱弁してるけどハマったんだろうねー。
今度また取ってくるか。




