第364話 パンケーキカウのハンバーグ
「とりあえず今日はあーさんの奢りなんだろ?飲んで騒ごう!」
「そうそう!ロクちゃんも飲みましょう!神の酒ある?」
「……はぁ、全く……しっかり付き合ってもらいますぞ」
「神の酒は現世に持ち出し禁止ですから……とりあえず日本酒をお飲みください。この『美少女』というお酒は美味しいですよ」
亜人もとい神グループは今からガンガン飲むようで乾杯と同時に焼酎と日本酒をイッキ。
あれ、度数高くなかったか?
しかも焼酎はロックやん……肝臓バケモンか?
後で一升瓶持っていくか……
とりあえず今日来る予定の人は全員到着したかな?
各々楽しんでもらえているようでよかったよかった。
俺もこっそりご飯を食べようかな。
パンケーキカウのハンバーグをキッチンで焼く。
ハンバーグは子どもたちがめの色を変えてバクバク食べたからもうほぼないんだよね。
大人はワイバーンのお肉のステーキでお腹いっぱいになってたからそれはそれで良かったけどね。
フライパンでゆっくり焦がしすぎないように焼いていく。
焼いている時の香りはまんまパンケーキだな。
甘い香りがキッキンの中に広がる。
「よーしよし。いい感じに焼けたんじゃない?とりあえず串を刺して……うん、ちゃんと火が入った」
いつもハンバーグを焼くと焦がしてしまうから気をつけて焼いたけどいい感じじゃない?
しっかり焼き目がついて、肉汁もそんなに出てないから崩れてなさそう。
これ以上見ていると匂いと見た目のギャップで頭がバグってきそう……
お皿に載っけていざ実食。
ナイフを立てるとプシュッと音が聞こえるぐらいの勢いで肉汁が出てくる。
パンケーキの甘い香りが一瞬で上質なお肉の香りに書き換わる。
今までのイメージが一気に変わった。
ひとくち食べるとさらに肉汁が溢れてくる!
甘味を感じるけど砂糖的な甘さではなく、肉本来の上質な甘み。
焼いている時のパンケーキらしさは完全に無くなってとても肉々しい。
これは子ども達ももりもり食べるね!
感動しながら食べていると服を引っ張られた。
振り向くとりゅうくんがこっちを見ていた。
「お、りゅうくん。おきたの?」
「はんばーぐー」
……そんな目で見られたら食べれなくなるじゃないか。
まだ半分残ってるけどりゅうくんにあげよう。
ちりちゃんには秘密だよ。




