第356話 会社の人たち
「そういえば先輩」
「どうした?三原君。あ、そっちの炭、まだ火ついてないよ」
「OKでーす。こっち動かしますね。いや、会社の先輩たちって今日来るんですか?」
三原君とバーベキューの火起こし中に聞かれた。
世羅さんと尾道君はちりちゃんとりゅうくんのお守り。
ゆりはコンビニから帰ってきてすぐに料理に取り掛かる。
ヘビータンクロブスターでグラタンを作っていたのでバリバリ焼いているからだ。
多分バーベキューに並べることは無いのである程度作ってから冷凍庫で凍らせる予定。
うちの冷凍庫、設定変えたら冷凍食品みたいにカチコチに出来るらしい。
引越しの時に南阿蘇さんから教えて貰って初めて知ったよ。
さて、話を戻して会社の先輩よね……
「とりあえず社長と石凪副社長には声掛けたよ。おふたりとも忙しいから来れたら来るって。後はTLの沢守さんと岸さんも呼んだけどこっちは家族サービスがあるから無理って」
「沢守さん、子ども4人でしたっけ?まだ小さいですもんねー。岸先輩は仕事以外の誘い来なさそう」
「いやいや、岸さんはバーベキュー好きだよ。気分が乗らないと来ないだけ」
「……じゃいつも気分が乗ってないじゃないですか」
しっ!それは言わないお約束。
沢守さんは派遣先に一緒に行っているチームリーダー。
沢守さんの直属の部下が岸さんになる。
今の派遣先、うちの会社から総勢11人いるからね。
チームリーダー1人じゃ全員の動向を確認しきれないからね。
俺は入社以来岸さんの下で働いて来てるけど、岸さんも沢守さんも凄く気分屋。
沢守さんは仕事の時はビシッとしてるけど岸さんは気分が乗らないなら全く仕事をしない。
けど、やる時はガッツリ仕事し続けるから評価高いんだよねー。
ちなみに売上貢献度も社内上位だったりする。
俺は派遣先評価が高いから中の上です。
働いてるだけで派遣先の信用度が上がるから助かるって松本代理から言われたなー。
契約金、もう少し増して貰えると助かるんだけどねー。
「他チームも呼んではいたけど返信無かったもんなー。てっきり加勢川さんは来ると思ってたけど」
「確か家、保田窪ですよね?詳しく住所は聞いたこと無かったですけど」
「そうそう。車で10分のところ。今日は子どもの試合があるって。あと来そうな富士森さんとか、赤坂さんも用事があるって。まー、いいんじゃない?先輩少ない方が美味しく食べられるよ!」
「確かに!お肉ゴチになります!」
うん、元気でよろしい。




