第342話 旅行の終わり
そんなこんなで朝を迎えました。
旅館の人には夜騒ぎすぎって怒られました。
すみません。
「……うぅ……頭いてぇ」
「……思ってたより飲みすぎた」
「リリ、ゴン太。夜はしゃぎすぎだよ!シャキッとしなシャキっと」
「後でウコン買ってくるから頑張れぇ。リリは休んでていいから」
「……私もゆっくりするねぇー……ふぁー……」
「ゆりはただ単に寝すぎだよね、それ……」
昨日もビール缶1本で寝てたし。
今日の予定は特になく家に帰るだけ。
ダンジョンで取ってきて魚はアイテムバッグに積めてるけど時間経過がない系バッグだったから鮮度は大丈夫そうだ。
ありがたやーアイテムバッグ。
後で保部に渡す時に取り出そう。
「じゃ、道の駅で休憩しながら帰りますかー。来週の土日待ってるからなー」
「おっけーおっけー。野菜は準備出来なかったけど、シゲさんとかに鮎取ってきてもらうから」
「また家族でお邪魔するよぉ」
よろしくお願いします!
いやーどんなバーベキューになるんでしょうね?
楽しみです!
「あらたってダンジョン攻略したのに記憶が無いんだよね?」
「せやなー。気づいたらサオリンやゴン太たちに囲まれてスキルだけ手に入ってたんよな」
車の中でゆりが話しかけてきた。
子どもたちはぐっすり寝ている。
あの後、リゾラテラス上天草に寄ったあと、水族館でいるかと触れ合ってはしゃいでたもんな。
「完全攻略の確証がないなら公開出来ないってことで秘密にしてあるんだよねー。俺の記憶があればなー」
「まー仕方ないよねー。小学生だったんでしょ?私も小学生の記憶なんてあんまりないし。いつも思うけどあらたって亜人の友達多いよねー。ミミさんたちに白沢、きゅくろーぷす?とかとか」
「……それ、人間の友だちが少ないって言ってる?」
確かに人間の友達って言ったら同級生ぐらいだけどさー……
後はギルドの人とかラーメン屋の南野さんとか……
……あれ?遊びに行ったりはしてないから違うか?
「言ってない言ってない。けど友達いいよねー。私も増やしたい」
「まぁPTAとかあるし交流していけばいいよ。10月には会社辞めるんでしょ」
「そうだねー。今のプロジェクトが終わる9月末まで、って言われてるからそのくらい!有給消化期間があるからシルバーウィークに入る前から休みだよー」
「お勤め、お疲れ様でした」
「うむ!苦しゅうない」
ゆりもSEやってたけど俺の収入が安定したので専業主婦になるそうだ。
ほんと、今まで仕事と子育てを両立してもらって助かりました。
10月からは俺がバリバリ働きますよー!
探索者としてもガッツリ稼ぎましょう!




