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第337話 イギリスの目的

「それじゃ、特に聞くこともないなー。何か知ってるなら石押し付けようと思ったけど」

「……しれっと厄介事から逃げようとしてない?」

「そういう所、前と変わらないね。この前配信機材の案件、サテュロスに押し付けてたでしょ?」


ギクッ、バレてたか。

正直、日本じゃ買取して貰えない代物でしょーこの赤い石。

イギリスが探してるブツってことでしょ?

ならさっさと持ち帰って欲しいんだけど?

ここで押し返しても後で来るんでしょ?知ってるよ!


「たとえこいつらがここで死んでも別のやつがまた来るでしょ?ならさっさと渡して平穏な日常に戻るよ」

「確かになー。それが早いなー」

「けど寝込みを襲おうとしてるヤツらと取引は出来ないよね?流石に」


それなんだよなー。

ギルドに連絡してもさすがに国家間の話は厳しそうだし、イギリスに詰め寄っても知らんって一蹴されそうだし。


「まー、ここで話してても仕方ないさぁ。子どもたちにも被害がなかったし、良かったじゃないかぁ」

「そうそう!さっさと片付けて寝ようや」

「いそっち!あんたも大概だねぇー」

「ほんと、この男たちは!イッパツ殴っとくか!?」

「「「やめろ!頭が割れる!」」」


マジモンでやめろよ!

ミミもリリも筋力やばいんだからな!


ちょうどその時、雲の切れ間から月明かりが裏庭に差した。

庭にいるメンバーが光に照らされてその全身がよく見えるようになる。


「全く、こいつらは昔から変わらないね!」

「ほんと、いつも振り回される!」


2人の女性、その頭には真っ赤に彩られた二本の角が生えていた。


「いやいや、そこまで振り回してねぇぞ」

「そぉーだそぉーだ。いつも振り回してるのはリリ達の方じゃぁないか。買い物とか」


反対側には巨大な牙を持つイノシシの頭を持つ巨人と真っ赤な肌に大きな鼻を持つ小人がいた。


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