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第306話 イレギュラーの弱点

イレギュラーの天草帝。

かれこれ15分ほど戦ってるけど口から光線を吐く以外、これといって変わりは無い。

強いて言うなら筋力が違うかな。

俺を蹴り飛ばした一撃、死ぬ気で打ったやつと思ってたけど普通にガンガン蹴ってきた。

通りでドヤ顔出来るわけだ。


「さてさて。どうしたもんか。可食部はしっかり残したいし、かと言って時間をかける訳には行かないし……」

「ゴ、ゴケケ」

「うんうん、お前も疲れたよな。サクッと倒すからちょっと待ってな」

「ゴ!ゴッケェーーー!」

「ちょ!光線吐きながら走り回るな!」


サヒーリ王女に当たるだろ!

まったく……

コカトリスなら後ろに回って首にある毒袋に一撃与えればすぐなんだけど、天草帝は毒袋がないからなー……


ん?毒袋?


そういえばこいつ、口から光線吐いてるけどどこに貯めてるんだ?

改めてしっかり見ると喉の下に付いているヒダヒダの後ろに黄色い皮がある。

光線を出す前、黄色い皮が伸びて丸く膨らんでいた。

なるほど!ここに魔力を溜め込んで口から吐き出しているのか!

そういえば天草の知り合いが天草帝にはコカトリスの名残があって珍味として食べられてるって言ってたなー。

完全に忘れてたわ。

このイレギュラー、そこが発達して魔力を溜め込むことが出来るようになったタイプか。


「てことは、ここが弱点か。コカトリスなら石化毒だけどこいつの場合は光線!ならば……」


俺は天草帝の前に棒立ちで経つ。

天草帝はこれ幸いと思いっきり魔力を溜め込む。

おぉ!黄色い皮が伸びる伸びる!


「ははっ!しっかり溜め込んだな!それが敗因だ!」


俺は一気に接近し『巨人の拳』で巨大化した手を使って思いっきり黄色い皮を殴る。

移動が早すぎて回避できない天草帝はそのまま天井まで跳ね飛ばされる。


「ゴ、ゴケ……」


ドガッと音を立てて落ちてきた天草帝はそのまま倒れた。

今度こそ、俺の勝ち!

いやー、疲れたー。




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