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第305話 絶対に許さん!

「お怪我とかは?ポーション出しますね!」

「いえ、怪我は無いですよ。これでも頑丈なので……っと」


ポーションを出そうとするサヒーリ王女を止めて天草帝に向かう。

いてて……ダメージは少ないけど結構いたいな。

あれだけ飛ばされたの何年ぶりだろう?

あのピエロ以来?


……こいつ、深淵レベル?


いやいやいや、ないな。

天草帝は中層から下層が生息域だし。

オーガとかもよく食べてる鳥だしね。

普通にミスっただけだね。

とりあえず正攻法がダメそうなら突っ込むか。

俺は地面を蹴って天草帝の真ん中に飛び込んだ。


「ゴケッ?!」

「せいっっやぁ!!!」


思いっきり振りかぶって胸を殴る!

ドンッと鈍い音がして、天草帝が宙を舞った。

天草帝は反対側の壁にめり込んで動きをとめた。

これも漫画みたいになったなー。

ま、蹴られたお返しってやつで。


「す、すごい……腕を大きくせずにあの威力……」

「とり、吹っ飛ばした!」


サヒーリ王女とイミウル君が声を上げる。

ま、こんなもんですな!ハッハッハ!

さて、血抜きとか部位に分けて捌かないとねー


「ご、ゴケー!」

「ん?まだ生きてたか。胸肉大きいから軽減されたかな?それとも羽毛?」

「ゴッゴッゴ」


壁にめり込んでいた天草帝が這い出してきた。

ダメージはしっかりあるけどまだまだ闘争心は消えてないっぽい。

こういうヤツ、嫌いじゃないよ。

面倒くさいけどね!


「ゴゴゴッ……ゴゲー!!!」


天草帝が声を上げると、黄色い光を吐き出した。

光が地面に当たると地面が黒く焦げていく。

は?こ、光線出すとか聞いてない!

これ、マジモンのイレギュラーモンスターやん!


「ちょ!イレギュラーモンスターじゃん!サヒーリさん!入口付近まで避難しておいて下さい!イミウル君!もし攻撃が来たりしたらしっかり守って!」

「は、はい!」

「イミウル、サヒーリ守る!」


何でイレギュラーばっかり引き当てるかねー?

もーいや!






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