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第302話 ボス部屋に行きましょう

サヒーリ王女は溜め込んでたものがスッキリしたようだ。

休憩の後、モンスターを虐殺して回ってたよ。

……やっぱティム君がいた時に聞いておけばよかったね。


反省。


てことで、熊本城ダンジョンの下層ボス部屋までやって来た。


「道中特に問題なく良かったですねー。集団戦も余裕では?」

「まだまだ。目標は高校の友人たちとダンジョンに潜ることなのでしっかり動きを考えないと」

「お、もう仲良くなったんですね。ダンジョンは何があるか分からないので準備はしっかりしないと、ですね」

「ですね。高校の友人たちはナウロでパーティを組んでいたメンバーと遜色ない強い方が多くて……やはりニホンは凄いですね!ワタシもまだまだだと感じました」

「ラーテルを基準にするとダメですよ。あそこはダンジョンに特化した学科なので……」


王女が通っているのは私立ラーテル学院高校。

元々語学系に強くて留学とか頻繁にやっていた高校だ。

熊本でいち早く魔導コースとダンジョンコースを普通科に組み込んだ高校だったよなー。

俺が高校受験の時、ニュースになって同級生も受けに行ってたし。

俺は私立はダメって言われたから家から近い公立高校に行ったけど。


「友人たちもタジマさんの話をしていましたよ。熊本で有名な人がいるって。流石です」

「ほー!高校生まで俺の事を!いやー、実感無いですねー」

「……普通なら嫌味に聞こえそうな感じですけどタジマさんなのでそこまでですね」


サヒーリ王女がジト目で見てくる。

いやー、日常生活では本当に実感無いんですよ。

サインを求められることはありますよ?

ちりちゃんの同級生の親御さんとか、会社の人とか。

けど月1あるかないかだしモルカリに転売とかされてないし有名とは思えないよ。

あ、熊本駅のカツ丼屋のおっちゃんが小鉢おまけ付けてくれたな。

あれは嬉しかったねー。


「そういえば、『お肉のおっさん』って聞いたことあります?友人たちがタジマさんって『お肉のおっさん』じゃね?って言っていましたけど」

「んー?何ですかね?」




心当たりは……あ、あったわ。

確かに2、3回呼ばれた気がする。

『お肉のおっさん』




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