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第298話 呪い

「『大樹龍の瞳』が国を守る守護結界であるとこは説明しましたよね?」

「確か……初代ナウロ国王が大樹龍から貰って、その死後にアイテム化して守護結界になったんでしたっけ?」

「……そこは覚えてるんですね。そうです。守護、と言っても呪いなど災いをもたらすものを寄せ付けないだけで無理やり入って来たりします」


悪魔とか邪悪なものが嫌いなオーラが国を覆ってる感じらしい。

虫・コナーみたいな感じか。

あれ、180日寄せ付けないーって言うけど普通にドアから入ってきてたからね。


話を戻して。

ナウロは精霊と長く結びつきが強かったため、精霊使い―シャーマン―が多くいるそう。

ドムリさん、ジェスカさんもシャーマンの家系だって。

道理で強いわけだ。


「シャーマンは民を思い救い導く存在と皆教えられてきました。ですが昨年、ある事件が起きました。ワタシの父、現ナウロ国王ウルザズ・レガ・モックスが呪術によって倒れてしまったのです」

「え!国王が?国王が倒れたって大ニュースじゃないですか!けど、日本にはそんなニュース流れてなかったような……」

「このニュースはナウロ国内でも極小数しか知りません。暗部が動いて情報統制しています」

「な、なるほど。国王は大丈夫だったんですか?」

「ええ。王族もシャーマンの血筋ですから。呪術には耐性がありましたので一命は取りとめました。ただ呪いが体内に残ってしまい未だに蝕まれている状況です。宮廷にある特上ポーションと解呪の術を使用しましたが効き目は薄かったです」


特上ポーションって体が半分になっても再生出来るぐらい回復量あるし、状態異常回復もついてるはずだけど呪いには効かなかったそう。

呪いの内容としては身体が徐々にモンスターになっていくというもの。

今は足が蹄に変わって毛で覆われてしまったぐらいなので長ズボンと靴を履けば誤魔化せるので国営や外交には影響は無いらしいけど、いつ目に付く場所が変化してしまうか分からないそう。


「ドムリや他の宮廷呪術師が見た限り持って来年の夏まで……この前オンライン通話した時は手の指が伸びて爪が尖ってきて紙を破いちゃうって。早めに日本の爪切り送ってくれって冗談を言ってましたけど進行はしっかり進んでいるようです……」

「なるほど……それはヤバいやつですね……」


身体が徐々に変わっていくって結構恐怖だよね。


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