第285話 設備投資(タブレット設定)
サヒーリ王女とダンジョンに潜った配信から数週間。
特に王女からリアクションもないのでまったりすることに。
深層に行ってティム君に動画の見方、撮り方だったりを教えてた。
回線の問題については俺が契約することになりました。
スマホショップに行ったら「ティム君の回線ですか?」って開口一番言われたよ……
最初は熊本県ギルドが契約するって言ってくれたけど、そもそも個人契約になるし、ギルドがそれやるのどーなの?という意見が出て、俺が契約することになった。
熊本県ギルド、本部に黙ってティム君と取引してたからねー。
最近お茶が美味しいなーとは思ってたけど、深層素材で出来てるなら尚更だよね。
なので俺が買取に出す時に使用料をこっそり上乗せしてもらうことになった。
それくらいで丁度いいです。
長嶺さんが差額を払うって言ってたけど、ティム君、修行中の身だし、調合過程で出来た副産物だからって受け取らなかったらしい。
なお勝手に取引していたのはこの前福崎さんとラーメン食べてた谷尾崎さん。
厳重注意の上、当分モンスターの素材研究で実績を出すまで減給だって。
福崎さんに聞いたら谷尾崎さんはバリバリ出来る研究者らしいので処分は1ヶ月ほどで済むらしい。
実績ってそんな簡単に出来るもんなんですかね……
謎すぎるけど触れないでおこう。
「さて、これで配信とかできるようになったよー。1回やって見る?」
「旦那!ありがとうございます!配信って中々難しそうですよねー。やりませんよ」
「ウィーック。なんじゃ、分厚い団扇が動くようになったか?」
俺がキッチンに置いてあるタブレットの設定をしていると酒瓶を持ったランファがやってきた。
今日は球磨焼酎か……昼間からいいご身分ですなー……
「一応オンラインショッピングとかも出来るけど、ランファ、酒買うなよ」
「酒は目で見て、飲んで買うに限る。絵だけじゃ何掴まされるか分かったもんじゃないしの。あとわしはすまほ?持っとるぞ」
「はぁ?!マジで?!いつ?」
「この前、ポーションのアドバイスをしに行った時に家電と一緒に貰った。ティム、お前の分もあるぞ」
「おー。この板より随分小さいですね。ボタン押しにくい……」
スマホ、渡したのかよ元禄薬品……
まぁどこにいるかも分からない亜人だしなー。
見せてもらったらビデオ通話が使えるだけの格安スマホだった。
連絡取れるだけマシか。
それはいいとして、タブレットを起動。
配信サイトからお気に入りチャンネルを登録する。
ティム君のアカウントはこっそりチャンネルにしておいた。
『白沢の弟子ちゃんねる』
……うん、そのまんますぎるな。
後でチャンネル名変えれるしおいおい考えよう
俺だって『あーさんのダンジョン飯配信』だしね。
最近飯食べてないけど!




