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第280話 王女、涙する

「……仕方ないですね。今日は帰ります。イミウルもお疲れ様」

「うん!また呼んでね!」


イミウル君が光り始めるとそのまま消えていく。

ここだけ見ると確かに精霊だねー。

見た目ゴツイ騎士だからね。


「……王女、本当にナウロのために瞳を探してるんですか?」

「ティム様、それはどういう意味です?」


トミーの小屋を出て、一旦ランファの店に戻ってきた。

ティム君、やっぱりそこが気になるんだね。

俺も気になる。


「守護結界を守る、と仰ってましたけどそもそも『大樹龍の瞳』は通常そんな効果はないはず。アレは魔法具の素材としてはトップクラスの性能ですが単体だとただの目ですからね」

「……それは……」

「そもそもドラゴンの素材なんてヒト族ではほとんど出回ってないし、あっても特殊個体の素材だったりするので勘違いされがちなんですよ。そこは仕方ないと思いますけど」


つまり、もし倉庫で『大樹龍の瞳』が見つかったとしてもナウロにある瞳とは全く別物の可能性が高いということらしい。

目が12個あったとしてもそりゃ全部同じ能力とは限らないよねー。

1つぐらい石化とか麻痺とか持ってそう。


「分かってる……分かっています……でも……う、うぅ……」

「ちょ!サヒーリさん!早い!泣かないで!」

「そこまで!?すみません!」

「グスッ……すみません……何故か涙が……」


とりあえずソファーに座ってもらって落ち着くまで待つことに。

ティム君は気持ちを落ち着けるお茶をいれにいった。

まさか王女、ここまで涙腺が弱いなんて。

やっぱりなんかあったんかね?


「快活草とリフレッシュレモンを混ぜたお茶です。どうぞ。すみませんでした。強く言いすぎました」

「グスッ……すみません、落ち着きました。申し訳ありません。こんな姿を見せてしまい……」

「いえいえ、国のことを思っての行動だったんですよね?こちらもあまり把握せずズケズケと……」


ティム君とサヒーリ王女がお互いに謝ってお茶を飲む。

……なんとも言えない空気感。

なんで集めているのか聞きたい気もするけど今じゃない気もする。


うーん、悩ましい。




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