第269話 情報料

「ここが深層7区……凄い光景ですね……」

「おっきい壁ー」

はい、深層7区の迷路に来ました。

一応サヒーリ王女の目的地がここらしいので配信が終わったら話を聞いてみよう。

獣皇期の迷路はモンスターが常時徘徊しているのでショートカットして回避する方法は失敗したりすることがあるので正攻法で攻めるのが吉。

『迷宮掌握』があるのである程度ルートは分かるので迷うことは無いしね。

：今日は亜人会えるかな？

：アル中は普通に居そう

：ティムくんに会いたい！

：ティム！ティム！

：薬の話とかしっかり聞きたい

：亜人目線でも姫様の強さってどんなもんなんかな？

コメントはランファやティム君の話で盛り上がってるなー。

今日はちょっとしか出さない予定なんだけどねー。

とりあえず先に進みますか。

「深層7区の巨大迷路、今回は最短ルートではなく探索しながら進んでみましょう」

「「よろしくお願いします！！」」

～～～～～

「エレキリザードは特大放電の後に10秒ぐらい動かなくなるのでその隙に2本あるうちの小さい方の角を破壊出来れば楽になります。放電は土属性魔法ならほぼ無効化できるのでグランドウォールなどで壁を作るといいですよ」

「なるほど！土の壁を作って守ることはしていましたが角は破壊してませんでしたね。しかも小さい方なんて……情報料は後日振り込ませていただきます」

「情報料だなんて！配信中に結構喋っているので気にしなくていいですよ」

：姫様、情報料はスパチャですぞ〈50000円〉

：ほい情報料〈50000円〉

：エレキリザード、結構面倒だったから助かる〈50000円〉

：情報提供ありがとうございます！ですわ！○砲煙バクハですの！〈50000円〉

：小さい方の角が発電機だったのか！

：ほんと、おっさんの配信見てるとモンスターの倒し方が分かるから楽しいわ〈20000円〉

：実質無料で教えて貰える〈1000円〉

：みんなもスパチャで情報料を出そう！〈50000円〉

：祭りだ！〈20000円〉

うわぁー……コメント欄が真っ赤になったー……

いつも突然始まるんだよね、コレ。

モンスターの情報って数百万ぐらいで取引されるらしいので俺の配信は無料で手に入るからスパチャで感謝、ということらしいけど毎回ビビるんだよね。

「画面が真っ赤だよ！すごいね！」

「そうねイミウル。なるほど、スパチャで感謝を伝えればいいのですね！後でやって見ます！」

「王女、それはやめてください。胃が痛くなります」

「いいじゃないですか、動画見てるだけなので。あ、呼び方はさん付ですよ。」

呼び方の問題じゃなくてですね……

スパチャ、毎回とんでもない額入れてきそうだから嫌なんです！