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第261話 王女、ダンジョンへ

「さて!タジマ様!ダンジョンにいきますよ!」

「テンション高!そんなにはしゃがなくても、ダンジョンは逃げませんよ」


テンションが高いサヒーリ王女の後ろについて歩く。

俺の繁忙期も終わり、サヒーリ王女も学校生活に慣れてきたとの事でダンジョンに入ることになった。

今日は白川、目指すは深層。

8月ぐらいで、という話だったけどやる気十分な王女様に急かされてダンジョンにやってきた感じだ。

元気なことはいいことです。

なおドムリさんやナウロ王国の方々は予定通りついて行かないそう。

対人戦は強いけどモンスターはやっぱり苦手だって。

そこまで言われたら俺、ドムリさんと戦ったら負けそうなんだけど……

対人戦なんてほとんどしたことないからね。


「タジマ様!今日はタジマ様だけのエスコートですか?ワクワクが止まりません!」

「落ち着いて落ち着いて……そんな性格でしたっけ?祝賀会の時はもう少し落ち着いてたような……」

「あれは外交用ですよ!学校でも外交モードでいようと思いましたけど、皆から『堅苦しい』って言われたので隠さないようにしてます」

「そうですか。なら様付をやめて欲しいんですけど……むず痒くて仕方ないんですが……」

「そこは譲れません。そもそもエスコートして頂きますので」


なーぜー?

いいじゃん、様とってもー。

様付とかホテルで予約したりした時しか言われないからね。

偉くもなく、ただ護衛するだけだからね。

普通に田島さん、もしくはあーさん、あらたさんとかで呼んで欲しいよ。


「まぁまぁ、タジマ様はタジマ様ですから!で、今回ダンジョンは配信されるんですか?先月は配信よく見てましたけど楽しそうで」

「配信ですか?一応予定はなかったですね。サヒーリさんはカメラNGじゃないんです?」

「特に?父上からも『王族たるもの何時いかなる時でも清き姿であれ』と言われておりますので配信で出るのも全然OKです!まぁ何事も経験してみないことには分からないですから!」

「マジですか……」


この王女、強い。

ナウロではダンジョン配信とかあまりないので見てないそうなので興味津々だったそう。

平日もダンジョン配信か討伐動画を見ながらご飯食べてるとドムリさんから聞いているからね。

配信、するのはいいけど一応は王族ですから。

ドムリさんに確認してみよ。



『配信ですか?殿下にお怪我がなければ全然OKです。国王陛下からも好きにして良いとの命令を受けておりますゆえ』

「そうですか……了解しました」


ドムリさんに電話で聞いてみたけど特に問題ないそうだ。

何ならナウロから中級ポーションしこたま持ってきてるそうなので四肢欠損とかにならなければ全然問題ないそう。


流石王族、アフターケアばっちりじゃん。


ギルドにも連絡したところ福崎さんが頭を抱えてた。

とりあえず絶対に怪我させないように!と釘を刺されたけど許可してもらいました。


大丈夫!王女様の品格を落とすような配信はしませんよ!



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