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第257話 マイホームと自社呼び出し

「自分も探索者として夢見た時期がありましたけど断念したんですよねー。けど、そんなに稼いで何か買うんですか?多分日本で買えないものは無いんじゃないですか?」

「買いたいものですか?……確かに特にないんですよねー。この前家買ったので当分買うものは無いですねー」

「お、本当ですか!さぞかし豪邸でしょうねー」


確かに豪邸でした。

あの深淵モンスターが封印されている家。

合計で3000万円で一括購入しました。

……イマイチ相場が分かってないけど一応事故物件扱い?で格安になったっぽい?

豪邸だったからガッツリ10億円ぐらい払う予定だったんだけどねー。

一応監視カメラとか防犯対策をしっかりやって追加でプラス1000万ぐらいかかったけどそれぐらいかなー?

庭園の維持費とか考えるとまだまだかかりそうだけどね。


「7月には引っ越す予定なのでそろそろ準備しないとなーと思ってたりしてます。そういえば松本代理も家建てられてましたよね?何かこれ買っておけばいいやつとかあります?」

「珪藻土マットはよかったですよ。あと布団乾燥機。やっぱり日当たりが良くても布団のふかふかは大事ですから」

「なるほど!参考にします」

「そういえば別の課の子がボディドライヤー推してましたよ。お金に余裕あるなら試してみては?」


なるほど!ボディドライヤーなんてあるんだね!

今度ハトリに行ったら買ってこよー。

そんな感じで話していると時間が過ぎていく。

仕事サボってる訳じゃないからね!

課長代理と打ち合わせしてただけだからね!


終業のチャイムがなったので今日は定時で上がる。

帰れる時に帰らないと。

5月末は、残業ばっかりになるからね……

ふとスマホを見ると着信が入ってた。

仕事中、スマホ鞄の中に入れてるからなかなか気づかないんだよねー。


電話は自社の副社長から。

……なんかあったかな?

自社への定期連絡はメールで済ませたし、今年は社員旅行の幹事に選ばれてるけど、今年は10月開催だからまだ動いてないしな……


「あ、もしかして本社の案件についてか……」


本社の案件配信ダンジョン用通信機のプロモーション。

副社長は東京本社勤務時代からダンジョンで使用できる装備品の開発をしてきている大ベテラン。

副社長になってからも東京本社の開発を熊本で進めている。

あんまりにも案件について触れてなかったから本社から連絡が来たのかなー……

なんか嫌な予感がするけど電話しようかな?


……いや、電話より直接聞きに行った方がいいな。

自社、帰宅途中にあるしね。

そう考えたら即行動。

俺は帰宅準備をして駐車場に向かった。





この小説はフィクションです。実在の人物、団体などとは関係ありません。


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