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第256話 田島カスタマイズ

「そうそう、田島さん。素材持って帰れるなら今度BBQしましょうよ。チームメンバーで。派遣で新しい人もきたし」

「あ、いいっすね!……ん?それ、費用安くするためだけに俺を使おうとしてません?」

「時給換算で900円ぐらいでお願いします」

「……バカにしてません?」


楽にミノタウロス倒せるからって安すぎません?

人件費とかその他諸々あるんですけどー。

しかも熊本の最低賃金より安いとはどういう事ですかね?

最低でも2万は欲しいですよ!


「ミノタウロスなら取りに行って持って帰る方が楽だと思いますよ。一緒に行きましょう。素材も取れるから推しに貢げますよ」

「無理です。探索者は学生時代に諦めました。怪我したらどうするんですか。推しのライブ近いんですよ」

「……じゃあなんで話振ったんですか……」

「お、何何?ダンジョンの話?」


大牟田さんと話していると後ろから声をかけられた。

振り向くと所属チームのリーダー兼課長代理の松本代理がいた。


「あ、松本代理。お疲れ様です。大牟田さんとBBQの話をしてて」

「田島さんなら美味しいお肉とか準備してもらえるかなーって」

「お、いいですねー。田島さんが取ってきた肉を食べるんですよね?期待しちゃうなー」

「……発想が一緒ですね。ダメですよ。みんなで取りに行きましょうよ」

「いやいや、プロの探索者が取ってきた肉が美味しいんですから。お金は出しますよ」

「……おいくらで?」

「時給換算で1500円」


なんでやねん、似たもの同士か。

似たもの同士だと思ってはいたけどまさかここまでとは。

まぁノリが軽いから仕事してて楽しいんだけどね。


けど、大牟田さんが言ってたけどBBQはいいよねー。

炭から火を起こすところからみんなでワイワイ盛り上がるし、肉や海鮮、野菜ももりもり食べれるし。

うちの会社も年数回会社の金でBBQやってるけど新人から古参の人までノリノリで参加してるからな。

この前は新人がビンゴゲームを企画して盛り上がったし、うちの会社主催で派遣先を接待するBBQなんか企画しても面白そうだな。

本社の案件のこともあるしついでに副社長に確認しよ。





「そうそう。田島さんに確認したいことがあってですね。今いいです?」

「確認ですか?今週期限の案件ならさっき内部レビューに回しましたけど」

「そっちじゃなくて、ほら、田島カスタマイズ」

「……その言い方やめません?問い合わせ受けた時に間違えて言いそうになるんですけどー……」

「え?あれ田島さんがバグに気づいたから田島カスタマイズじゃないんですか?」

「違う違う、大牟田さん。あれは田島さんが気づいたんじゃなくて田島さんがべらぼうに稼いだから桁あふれしたんだよ」

「ひぇー。システムがエラー起こすほど稼いでるんですか!」


そう、田島カスタマイズとは俺が設計したシステム……

ではなく、俺のせいでカスタマイズが必要になったシステムだ。

そもそも派遣先の仕事はギルド運用に関わるシステムの開発と保守を行っている。


つまり何かと言うと昨年度オークションで約200億、個別買取やギルドからの報酬を含めると総額で350億円以上を稼いだ探索者がいたのでデータベースの桁数がオーバーフロー、現年度決算時システムが上手く判断できないことが想定されたので緊急改修と、セットアップが実施された。


……誰だろうねー

……SSSランクの人だってよー

当初、開発費を俺から徴収しようとか言われた時はマジで頭抱えましたよ……


「えぇ……そんな稼いでるなら仕事辞めていいのでは?」

「仕事は仕事で楽しいですから。ここがブラックなら速攻辞めてますよ」

「ハハハ、確かに!で!聞きたかったことはダンジョン産のアイテム換金以外にもどれだけ稼いでるのかなって。配信でもがっぽり稼いでるでしょ?法改正で管理するデータに副業……動画配信やダンジョン素材で作ったアイテムを売買した売上なんかも一緒に管理することになりそうなんで、事前確認したくてですね」

「……俺基準で作る気なんですね……開発するの俺ですよね?」

「ですね。まだ仕様段階だからどうなるかわかりませんが」


そういえば今朝のミーティングでそんな話があったなー。

探索者の収入を管理して脱税を見逃さなくするんだとか何とか。

基本ギルド経由で買取なんだからいいと思うけどねー。


「配信系の稼ぎですか?その辺事務所に入ったから分からんのですよねー。たしか配信のスパチャと広告費、案件配信とかで確か2~3億ぐらい?」

「わーお、思っていたより稼いでた。仕様書には金額欄は14桁で設定しておきますか」

「いや、いっその事16桁まで増やしましょう。その方が安全な気がしますよ?」

「……流石にそれはやりすぎだと思いますよ。そこまでアイテム買ってくれる所がないでしょ普通」


国家予算ぐらい稼いでみたいと思ったけどそこまで来るとお金の使い道がないのです……






この小説はフィクションです。実在の人物、団体などとは関係ありません。


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