第253話 いつメンでのボイチャ その3
『案件配信とかはやらないのか?結局案件貰ってない企業がプッシュされて盛り上がってたけど』
「それなー……案件どーしようかなー」
コナモンからの指摘はそうなんだよね。
一応事務所所属になったから案件配信はしないと不味いんだよね。
一応花畑さんからは気にしなくてもいいとは言われてるけどそこは社会人、やらないといけないとは思ってますよ。
「案件って言ったってやれるのは飯関係だろ?しかも酒飲めない。海産物苦手だから基本肉。こうなるとなかなか無理じゃね?」
『海産物は我慢しろよ』
『そうやって無意識にステマしてるんだよな』
『スポーツドリンクとかは?運動後に飲む系』
「……アニー、俺の腹見て買いたいと思う?」
『……すまん』
少しぽっちゃりなのです、俺。
一応配信がバズったから前よりはシュッとはしてるんだよ!
もうちりちゃんにアンドリュー本村とは言わせないから!
『今来てる案件を見て考えるがいいんじゃね?どんなのが来てるか分からんし』
「コナモン、流石。今来てるのが……っと。キャンプ用スパイスが2種、アルコール飲料が9種、スポーツドリンクとかジュース系が12種、サプリメントが6種、その他アイテム系が18種か」
うん、思ってたより案件多いわ……
アルコール系は無理だし、サプリメントって俺のスキル的に無効化されそうなんだけど……
しかもキャンプ用スパイスって普通に今使ってるやん。
案件の意味……
……あれ?この案件……
「げ!まじか!」
『んあ?なんかあったん?』
『面白い案件あった?』
『亜人から案件来てたとか?』
「いや、……これ、うちの東京本社だ……」
『『『はあ?!』』』
案件内容は新型ダンジョン内通信機の紹介。
依頼主は俺の勤める会社の東京本社だった。
「これ、受けないとあかんやつかなー……東京本社、相手にしたくない……」
『そこまで言うか?ただの案件配信だろ?』
『一応ダンジョン内ギアだと大手やん。中々案件依頼出さない企業ってイメージだけど』
『おもろいやん?』
確か東京本社って国際的にも有名なダンジョン用アイテムを開発、販売している株式会社だったよな。
西証第一に載ってるらしいからそこそこ有名な会社らしいよ。
まぁ我が熊本支社の方はその辺一切関わってないので全く分からないんだよね。
地元熊本で18年、システムメンテナンスから開発まで何でもやるホワイト企業なのです。
あ、そういえば副社長がアイテム開発に関わってたって言ってたから何か知ってるのかもね。
ゴールデンウィーク明けてから聞いてみるか。
「とりあえず会社に相談してから受けるか考えるかー。サラリーマンは辛いね」
『サラリーマン(副業200億)』
『探索者で食っていく方が楽やん』
『もう稼いで会社建てろよ』
サラリーマンは気楽なんですー。
会社起こすなんて仕事増えるやん!
絶対やだね!




