第251話 いつメンでのボイチャ その1
「ゴールデンウィーク、どっか行った?」
『格ゲーのイベント』
『音ゲーのイベント』
『TRPGのセッションと仕事』
「……まぁここにいるメンバーはそうだよなー」
ゴールデンウィーク中日、今日はアニー、コナモン、紅生姜達とボイチャ。
平日時間がある時にはボイチャにいるけど基本ゲームの新情報とか推しのVが活動した時なんかしか喋ってないからな。
『あーさんは子どもの世話やってるやん。遊びに行かなくていいんか?』
「昨日光の森、一昨日パープルランド、明日大分に温泉に入る。人多すぎ」
『『『お疲れ様』』』
なんでゴールデンウィークの商業施設とか遊園地ってあんなに混むんですかね……
観覧車乗るまで1時間とか子連れには優しくないよ!
「子ども達も懲り懲りっていって本が欲しいって言ってきてなー。さっき買ってきて読ませてる」
『平和やな』
『流石あーさんの子』
『何読ませてるんか?ツンデレラ?」
「えーと、何買ってきたんだっけな……レシートレシート……あ、『絵でわかる!モンスターの見分け方講座!~上層から下層までこれ1冊で丸わかり!~』」
『……うん。あーさん』
『それ、子どもが読む本か?』
『モンスターの情報なら親父の方が知っとるやろ!』
そんな事ないから、多分。
ぶっちゃけモンスターの種類とかあんまり見分けて倒してないから。
たまにレアモンスター倒してて素材の中に混じってたりして福崎さんから指摘貰ったりしてるんだから。
「けど、この本中々面白いぞー。スライムの種類もちゃんと書いてあるし、ワイバーン系も網羅されてる。絵もしっかり特徴捉えてるから初心者向けの本や」
『初心者向け(子ども向けとは言ってない)』
『もう少し手頃というか……』
『まだVチューバー大全とかアイドルグループの写真集の方がいいんじゃない?親父、コラボしてるし』
「あー、確かになー。ちりちゃんー?VチューバーとかKLM48の人興味ある?」
リビングで熱心に本を読んでいるちりちゃんに声をかける。
昨日本買ってからずっと見てるんだよね。
まだ漢字読めないから絵を見て覚えてる的なやつ。
「ちりちゃん、ダンスよりモンスターのほうがいい!おかねかせぐ!」
にっこり笑顔が眩しいよ、ちりちゃん!
「……てことで、うちの子はアイドルよりモンスターらしい」
『これがSSSランクの子どもですか(呆れ)』
『もう英才教育なんよ』
『次のSSSランク待ったナシ』
そんな事ないさー。
まだ小学生なんだから探索者になるとは決まってないからね。




