第244話 ラーメン大元帥
てことで、行きつけのラーメン屋まで来ました。
白川沿いの一角、住宅街の真ん中に行きつけのラーメン屋があります。
もう遅い時間だけど確かまだやってるはず。
「この道の先を曲がった先……はい、ここが大元帥です!」
「大元帥……物々しい名前ですけど入り口が小さいですね」
「まぁまぁ、そこがいいんですよそこが。ごめんくださーい」
俺はスライドドアを開けて中に入る。
コの字のカウンターは人がいない。
「はいよー、食券機があるので先に購入してくださーい」
奥から野太い声が聞こえる。
大元帥は食券機で食券を買うスタイル。
前までは個別注文だったけど人が増えて対応しきれなくなったから導入したそう。
「オススメはオーク肉で作ったチャーシューを乗せたチャーシュー麺ですけど、最初はレギュラーからがいいかと。餃子もありますけどラーメンが美味しいのでそれだけで満足できます」
「なるほど……ではレギュラーを頼みますか。値段は750円ですか!オーク肉を使ってこの値段とは!」
「そこは企業努力ってことで。今日は自分が誘ったので奢りますよ」
「え?タジマ様、ここはワタシが出しますから」
「いえいえ、このくらい大丈夫ですから」
「いえいえ、ここはワタシが」
ドムリさんと奢る奢らないのやり取りをして俺が奢ることにしました。
ラーメンぐらいなら奢れますからね!
俺はチャーシュー麺に麺大盛り、揚げニンニクトッピングにしました。
ドムリさんは熊本ラーメン初だそうでレギュラーに揚げニンニクトッピング。
ここの揚げニンニク、美味いんだよねー。
「すみませーん、お願いしまーす」
「はいよー……って田島さんじゃないか。早めに連絡くれたら準備してたのにー」
「いやー、さっきダンジョンから帰ってきたからですねー」
「はいよー。隣の人は知り合いさん?どうも南田ですー」
「初めましてドムリです。ミナミダ様は店長さんでいらっしゃいます?」
「まーそんなもんですかね?オーナーは別にいますけど。雇われ料理長的な感じですかね?まだまだペーペーですよ」
南田陽気さんが頭を搔く。
いや、絶対にペーペーじゃないでしょ。
前知り合いに聞いたら開店当時からいる最古参の店員だって。
マジでチャーシュー作らせたら右に出る人いないと思うよ。
熊本ラーメン、有名どころ食べてきたけどここが1番よ。
確かにトンコツだと紋龍が最強だけど、ここはチャーシューがトロットロで箸でつまめないぐらい柔らかいのよ。
替え玉がないのが残念だけど大盛だとプラス150円で2.5玉にしてくれるしお財布にも優しい。




